家内不在の僥倖に、高揚しきっている私は、一日2回の投稿など物ともしない。
朝、冷蔵庫を開けた際、戻した木耳、僅かに残った高菜漬けと、同じく残り物の合挽肉等を発見。
よし、昼はあれにしよう。
わざわざその為にだけ、追加の具材をスーパーに買い求めに行く。
高揚している私にとって、そんな事ぐらいヘッチャラなのだ。
具材を切りたくり、フライパンに放り込んで、
ジュー、ジュー
でけた。
ちっとも美味しそうではないが、これは塩焼きそばだ。
れっきとした塩焼きそばなのだ。
具材は、焼きそば麺1.5玉、モヤシ、タケノコ、合挽肉、高菜漬け、竹輪蒲鉾、葱たっぷりといった具合だ。
味付けは塩コショウと日清の塩だれのみ。
そんな事はどうだっていい。
明らかに作った量に対する、食器の選択が間違っている。
その姿は、一歩間違えれば、雪崩を打って崩壊する危うさを孕んでいる。
度々私は、この手の間違いをやらかす。
どうやら、量に対する認知能力に、著しく欠けているようだ。
麺を持ち上げるのだって、一筋縄ではいかない。
飛び切り難しい将棋崩しに似ている、といったら分るだろう。
そーっと。
あ”
たちどころに、あちらこちらに転げ落ちる、竹輪やタケノコ。
いや、それどころではない。
もっと厄介なのは、合挽ミンチである。
どんな名人芸の箸技を持とうが、それは崩れ落ちる。
後から後から、転げて行く。
まるで、意志を持った生き物のように、皿から飛び出すのだ。
らくせーーーき!!
と、
一人、食卓で叫ぶ私。
たった一皿の焼きそばを平らげるのに、汗びっしょりである。
所で、焼きそばの味は、どうだったって?
覚えている訳なかろう。