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Tシャツとサンダルの候

くじゅうを歩きつくす その壱




近来稀なミヤマキリシマを、くじゅう連山北嶺の平治岳で満喫したのは、10日程前の事である。

誠に見事であった。


とは言え、


例年ならばこの時期、くじゅうには複数回登っている私だ。

1回だけでは満足出来ないでいる。


ミヤマキリシマの残花があるうちに、もう一回は登っておかねば。

どうせなら、平治岳とは逆方角の扇ヶ鼻を手始めに、南くじゅうを楽しみたい。



当初、牧ノ戸に車を停めるのは無理だろうと、赤川から登る計画を立てていた、


が、


牧ノ戸を通り掛かると、うまい具合に、一台分の空きスペースがあるではないか。

例によって、コロっと変更である。

山靴の紐を締め、ザックを担いだら、早速登山開始だ。




いつもの如く、沓掛山までのダラダラとした登りが始まる。



タニウツギ




ドウダンツツジ




最初のピーク、沓掛山到着。

岩の上に立ち、額に手をかざし、登山道を見渡してみる。

さすがに、行列をなすほどの登山者はいないようだ。

くじゅうの山々は、一時の喧騒から、落ち着きを取り戻しつつあるようだ。



登山路を行く。

思った通り、ミヤマキリシマは店じまい状態だ。


さて、どうしよう。

どの山からかかろうか。

なにしろ、根元の登山口を変更しているのだ。

今から、登山計画を立てねばならぬ。


そうだ。


取り敢えずミヤマキリシマだったじゃないか。

先ずは扇ヶ鼻だ。



扇ヶ鼻斜面には、まだうっすらとピンク色が残っているように見える。




では、登るとするか。




最初のピークを越え、2番目のピークへ。

ここを超えれば、



天空花園である。

勿論、10日前の平治とは、くらぶべくもないが、

最悪、完全に花が無い状態をも覚悟していただけに、これだけ残ってくれれば十分じゃないか。



ふと、ミヤマキリシマの陰から、心細げに顔を出している花が目に留まる。

イワカガミである。

考えてみれば、これが今年初のイワカガミだ。

辛うじてイワカガミの花の形が残っていたのは、この日歩いた全ルートの中で、この一本きりだった。

よくぞ、こんな時期まで残ってくれてたもんだ。

ありがとうよ。

礼を言うよ。



阿蘇山をバックに。




あの岩門をくぐれば、




山頂だ。




山頂からは遥か彼方、雲仙普賢岳がクッキリと浮かぶ。




こちらは祖母山。




ぼちぼち降りるとするかな。

岩門の間からは、久住山が顔を覗かせている。

この後は、どの山に・・・




この時、馬鹿馬鹿しい企みが浮かぶ。



いやいやいやいや。

午後から暑くなりそうだし、第一きついだけじゃないか。

止め止め止め。



頭の上にポッカリと浮かんだ妄想を、手で払いのける私である。



取り敢えず次は、予定していた星生山だ。




扇ヶ鼻分岐と星生山西尾根分岐は、目と鼻の先である。




では、取り掛かるとするか。




岩場を越え、灌木帯を抜けると、稜線が見えてくる。

その稜線上に、何人か登っているのが見える。

山頂にも数人いるようだ。



はい、2座目。


さて、先程の馬鹿馬鹿しい企みとは、



このルートの7座を、全て踏破すると言うものだ。

扇ヶ鼻と星生山を登った後は、久住山、中岳、天狗ヶ城、稲星山、そして白口岳である。

星生山の山頂から、くじゅうの山々を眺めていると、段々その気になってきた。





・・・やるか。



取り敢えず星生崎へGO!だ。

七座を廻るには、この岩稜縦走は時間を食ってしまうが、やはり外せないのだ。



山頂からの岩場は、暫くは慎重さが必要である。

間違っても、スキップなどはしない方が身のためだ。

岩肌に貼り付くように咲くミヤマキリシマを、ビビりながらも、岩に貼りついて撮る私である。



山頂を振り返って。




北方に目を転じれば、硫黄山と三俣山。

遠く由布岳が、三俣の左から顔を覗かせている。



ギザギザとした岩稜が近づいてきた。




ゴジラの背中。

正に言い得て妙である。



怪獣の背中を渡って行く。




星生の窓




星生崎の奇岩が見えてきた。

ラストだ。


星生崎から久住別れを望む。

噂通り、避難小屋は解体されているようだ。




さて、これからの5座は、どういうルートで行くかな。

なんかワクワクしてきたぜ。







と、



この時までは、元気だったのだが・・・・




続く。

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