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Tシャツとサンダルの候

くじゅうを歩きつくす その弐



前号からの続き。




星生崎から降りながら、これから歩くルートを考えている。

久住山から稲星、白口、中岳、そして最後に天狗の順に周回するか、その逆を行くかである。



ここは腕を組んで考えてみる必要がありそうだ。

なんせ、根性など1グラムも持ち合わせていない私である。

途中で投げ出すに決まってる。



💡



そうだ。

こうしよう。


くじゅうを象徴する風景、大好きな御池を最後に残すのだ。

要は自分への御褒美である。

御池を最後に取って置けば、褒美欲しさに最後まで歩き続けるに違いない。



この日のルートが、2座を登り終えたこのタイミングで、漸く決まった。

扇ヶ鼻、星生山の後は、

久住山~稲星山~白口岳~中岳~天狗ヶ城である。


先ずは久住山だ。



ヒトミちゃん。

久しぶり。



3座目久住山登頂。




360度のパノラマを暫時楽しむ。







くじゅうって靴底が落ちてる確率高くね?

いつも思うが、この靴底の持ち主、どうやって下山したのだろう?



7座を廻ると決めたなら、あまりゆっくりなどはしていられない。

とっとと次の目標、稲星山へ向かわねば。




あと、よーっつ。



神明水までの激下りが始まる。

2回ほど派手に足を滑らせるも、芸術的なイナバウアーで堪えた事は、褒めて貰ってもいいだろう。



お尻を泥だらけにする事もなく、何とか無事に久住山から降りてきた。

神明水分岐から見上げる稲星山。



ガメラ岩到着。

4座目稲星山の山頂である。



ヒーーー💦



さすがにしんどくなってきたぞ。



山頂では数人が、めいめいに食事中である。

疲れてきたし、ザックの中の水や食料の重量を、お腹に移した方が合理的である。

適当な石に腰掛けて、私もそれに倣う事にした。



ズルズルズルーー



それにしても、日差しが強いぜ。

痛い程だ。

体がじりじりと焦げていくのが分かる。




・・・と言うか、



そもそもだ。

こんなに暑いのに、どうして7座踏破なんて馬鹿な事を思いついたんだ。



ヒロ坊のバカーーー!!!



と、自分に悪態をつきたい気分だが、人目もあるので止めておいた。

どの道、ここまで来たなら、前に進むしか方法はないし。




あと、みーっつ。



白口岳と中岳の分岐まで降りてきた。

立ち止まるまい。

ここで躊躇すれば、白口岳をショートカットして、中岳に行ってしまいそうだ。



5座目白口岳。

大船山と平治岳が正面に。



こちらはこれから登る中岳。




坊がつる方向。

平治岳はまだピンクの帽子をかぶっているようだ。




あと、ふたーつ。



白口岳から中岳へは、藪漕ぎならぬ、灌木漕ぎが待っている。

枝で擦られて、露出した腕には白い筋がいくつも出来るし、ザックや帽子にも枝が引っ掛かり、歩きにくい事この上ない。



灌木帯をやっと抜けると、今度は急登が待っている。


仕方ない。


登るしかないか。

一歩一歩、ゆっくりと足を持ち上げるように登って行く。



あの岩場を越えれば、




山頂台地だ。




6座目中岳到着。


ゼヒー、ゼヒー💦




山頂にはコケモモが待っていてくれた。




「可愛かぁ。」


写真を撮ろうと屈み込み、その後立ち上がろうとした時、酷い立ち眩みを起こしてしまった。

暑さのせいか、相当に消耗している証拠である。





暫しの休憩の後、私の体力インジケーターの針が、グリーンゾーンに戻ったら、



中岳下山。

最後の山、天狗ヶ城へ向かう。





あと、ひとーつ。



イエーイ。

遂にここまで来たぜ。



マイヅルソウ。


パシャリ


よし、立ち眩みも解消しているようだ。

そんで、









何のかんので、7座踏破してしまった。



パンパカパーン!!



と、

ささやかながらも、心の内で自分にファンファーレを鳴らす私であった。



眼下には、エメラルドグリーンの御池。

これを見たいがために、何座も遠回りして来たのだ。




さて、

目標達成のファンファーレを、心のうちで鳴らしたとしても、無論、そこで終わりではない。

牧ノ戸まで帰らねばならぬ。





久住別れまで降りてきた。

避難小屋は解体され、石組みは傍らに整然と並べられていた。

再使用するのだろうか?



午前中はあの岩の上に居たのだと、星生崎を見上げながら岩場を通り越し、




西千里をテクテクと帰る。




最後のピーク沓掛山が迫って来た。

ゴールはもうすぐだ。


牧ノ戸の駐車場が見えてきた。



ワーーイ ヾ(*´∀`*)ノ



もう歩かなくていいとの安堵感から、顔文字まで添える始末。


やっと帰って来た。

車に乗り込み、歩数計のアプリを開いてみたら、4万歩を越えていた。





アホである。


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