20年以上も前、下の娘と甥っ子を連れて、このキャンプ場に来た事がある。
その頃は、良き父、良き伯父さんとして、キャンプ場から鹿児島水族館に遊びに行ったりした。
キャンプと言えば、いつもいつも飲んだくれてると思ったら、大間違いなのだ。
そんな訳で、水族館と引き換えに、知林ケ島に渡る機会を失った。
『慕情』とは大袈裟だが、今回は知林ケ島へ渡りたい。
潮汐表はちゃんと調べている。
14時14分が干潮である。
頃合いの13時半、キャンプ場を出発する。
と言ってもすぐ裏だが。
ほらね。
狙い通りだ。
うっすらとした稜線と噴煙が見える。
昨日は見えなかった桜島だ。
振り返ると、私の足跡。
結構、沈みこんでいる。
歩きづらい訳だ。
砂州の中程まで来た。
30分弱で知林ケ島到着。
地元の方だろう。
3人ほどが島の案内と、帰る時刻(潮の満ちる時間)の警告のために番をしている。
「どこから?え、久留米から!あー、キャンプ場のキャンピングカーじゃろ。あれ、あんたね。」
「はは、まあそうです。時に、歩いて来る途中、上に登る階段が見えたバッテン。」
「うん、25分で登れるよ。ちゃんと3時までには帰ってきてね。」
「了解。」
これか。
ズンズンと登っていく。
スミレ咲く坂道を登り切ると、
着いた。
案内板によれば、周遊コースがあるようだが、3時までには戻れそうもない。
モーセを追ったエジプト兵の如く、海の藻屑にはなりたくない。
オジサンの警告に従おう。
展望台から。
一年のうちで数ヶ月。
それも、たった数時間だけ現われる一本の道だ。
キャンプ場に戻ってきた。
薪に点火だ。
そしてこれである。
大汗掻いたあとのビール。
最高だぜ!
お、ジョビコちゃん。
この日は数組のキャンパーが入場。
まあ、少しくらい賑やかな方が、キャンプ場らしくていいよ。
山に陽が落ちると、急に冷え込んでくる。
キャンピングカーが目の前のサイトに。
こりゃ、特大のオナラは、控えたほうが良さそうだ。
ソーセージが焼かれ、
焼酎のお湯割りを飲み、
一人鍋セットだ。
まるっきり昨日と同じである。
空を見上げれば、満天の星。
天の川も見える。
あれだけあった薪も、全て熾火に。
心置きなく、焚き火を楽しめたぜ。
明日は撤収だ。