今季2度目の難所が滝である。
去年の暮れに登った際、もっと成長した氷柱を見たくて、もう一度登ると心に決めていた。
博多の義兄と、昭和の森駐車場で待ち合せ。
山靴の紐を締め、ザックを担いだら出発だ。
予定としては、先ず最初は小つらら&大つららだ。
立派な氷柱を期待したい。
その後は縦走路まで登り進み、宝満山を目指す事にしている。
登るにつれ、踏み固められた雪で、足元が滑りやすくなってきた。
「ここらでアイゼンしとこうか。」
これでよしと。
ザクザクと踏み音を立てて歩を進める。
この渡渉ポイントを渡れば、
すぐに小つららが見えてくる。
氷柱のすぐ傍まで雪をかき分けて登り、
パシャリ。
ボチボチ、大つららに行こうかな。
この急登を登りきると、
おお!
12月に来た時より、明らかに立派になっている。
それはそうと、
ここで若いカップルを怒鳴ったような気もするが・・・
いやいや、きっと何かの思い過ごしだろう。
下から湧き上がってきたかの様な氷柱。
まるで噴水である。
この自然の造形の見事さはどうだ。
さて、
難所が滝と書いてはきたが、
「実際はここではないんですよね。下の方にあるんでしょ?」(私)
「そうです。この下にある滝の事です。因みに、難所が滝は凍りません。」(ご婦人)
と、すぐ近くにいた、年配のご婦人が教えてくれた。
「この大つららも、昔はもっと立派でしたよ。」(ご婦人)
「さいでやんすか。」(私)
「この崖全面に、氷柱が下がってました。」(ご婦人)
「ヒョエーー!!」(私、義兄)
その『もっと立派だった』大つららを、いつか見てみたいものだ。
向こうに見える尾根は、仏頂山だろうか。
ガスが掛かってきている。
「ボチボチ稜線まで進もうか。」
えっちらおっちらと登って行く。
やっと、稜線に出た。
いつもの見慣れた縦走路とは一変、そこは雪のトンネルだった。
縦走路の脇にストックを挿してみた。
およそ30㎝ぐらい降り積もっているようだ。
ワーイ、ワーイ!
幾つになっても、雪遊びは楽しいものだ。
何だか、スキップしたくなっちゃったぜ。
この時の私の頭の中身は、小学生、、、いや、幼稚園児と何ら変わりはない。
雪の重みで、地面まで垂れ下がった枝。
よく折れないものだ。
雪が頭や襟元に落ちてこない様に、垂れ下がった枝の下を、頭を下げながら縦走路を行くと、
宝満山の山頂直下の鎖場に至る。
山頂到着。
雪だるまも嬉しそうだ。
それにしても……
腕が少々貧弱ではなかろうか。
もう少し立派な枝に差し替えてやろうとも考えたが、そこに作者の意図があるかもしれぬ。
要らぬ事はせずに、その意図を尊重する事にした。
「飯も食ったし、降りようか。」
帰りは、仏頂山を過ぎた先の激坂を降り、難所が滝経由で昭和の森まで降りて行く。
この登山道は初めてである。
地図では破線になっている。
だが、傾斜はきついものの、取り立てて危険な箇所もなく、難なく降りて行けた。
再び大つらら前。
一段と見学者が増えている。
見学はそこそこにして、あとはひたすら降りるだけである。
大人の雪遊び。
次はどの山にしようかな。