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Tシャツとサンダルの候

みちのくへ


10月12日

いよいよ東北である。

みちのくを旅するのなら、どうしてもここからスタートしたい。



かつての芭蕉と曾良も、その旅情を掻き立てたであろう、白河の関である。




白河古関跡。

深い森の中にあった。

江戸期、

白河の古関が廃されて久しく、何処にあったのか、正確な場所が分からなくなっていたようで、

白川藩主松平定信が、


「ここに、決ーーめた!」


として、建立した石碑だ。





さて、

今回の旅を思い立った、そもそもの動機はと言うと、

『戊辰戦争の跡を辿りたい!』

と言って差し支えない。

いよいよ、旅の主題が始まったのだ。



白河小峰城。

戊辰戦争時、会津防衛の戦略上の要衝は、日光口、越後口、それにここ白河口である。



城門をくぐる。




復元された櫓。




櫓復元の際に、敢えて、激戦地稲荷山の杉を使って復元したようだ。

受付の老紳士から、この辺りでの戊辰戦争の逸話を聞きながら、


「確か、新選組の斎藤一も、ここで戦ってますよね。」(私)

「そうです。会津から救援に来ています。」(老紳士)

「激戦地の稲荷山は、何処になります?」

「あの小高い山の向こう側です。戊辰戦跡を訪ねられたいなら、是非行ってみてください。」


ハンドルを握ると、ものの10分で、目指す稲荷山に着いた。



稲荷山は訪れる人もなく、雨に煙っていた。




奥羽越列藩同盟主力はこの山に陣取り、新政府軍を迎え撃った。




本営たる小峰城は、あの小高い山の向こうにある。




一方新政府軍はと言うと、正面に連なる山に陣取り、凄まじい砲弾の雨を浴びせかけた。

同時に右翼隊、左翼隊も進軍。

幕軍の戦死者は実に700人を数え壊滅。

小峰城下は制圧された。

と言う由が書いてある説明板を読む。


かつてこの地は、轟音と硝煙の匂い、血しぶきに包まれていた。




この日はもう、ここで終わってもいいくらいである。


が、


なんてったって、まだ朝の10時になったばかりだ。

もう少し、先へ進もう。



えーっと、次は、



塔のへつりだ。

塔は何となく分かる。

「へつり」ちゃ、何じゃろか?

売店のねえちゃんに、「へつり」とは何ぞやと聞いてみた。


「この辺りの方言で、川岸の断崖絶壁をそう言います。」



なるほど、「へつり」である。

吊り橋を渡って、向こう岸へ。



これだもん。




川に浸食された洞には、虚空蔵菩薩が置かれている。




これだもん。




上の画像は、こんな状況で撮っているんだもん。



そして最後は、



大内宿だもん。




午前中のあの雨は、なんだったのだろう。

一転して、爽やかな秋空となった。



沢山の人出だ。







築うん百年の古民家が軒を連ねる。




街道脇には水路が流れる。













本陣跡。




建物そのものは復元された物。




高台から。




名主阿部家




弓矢の欄間とは珍しい。


「そうですね。それと、天井が他の家屋より高いんです。」


名主としてのステイタスだったようだ。



奥の座敷に、十数枚の古い看板が置かれている。




「旅籠やら郵便局やら、色んな事業をしてきた名残です。」

「ほほう。それで表にポストがあったんですね。」






腹減った。

昼飯でも食うか。



そば処本家玉屋。

築400年とある。



この家も只者では無い。



何を注文するかは決まってる。

大内宿では葱蕎麦の看板が目立つ。



「それを下さい。」



これだもん。


「葱蕎麦は食べられた事は・・・」

「勿論、ございません。」

「まず葱を持って、蕎麦と薬味をグチャグチャ混ぜ合わせます。」

「こうでやんすか。」

「その後、葱で口元まで手繰り寄せて食べて下さい。」

「葱はどうするんで?」

「時々齧ります。」

「ははあ。」



箸と違って、高くは持ち上げられないのは、ご容赦願いたい。

では。


ズル、、、ズルズル、、、ズル


蕎麦は美味いし、葱も薬味として、いいアクセントになっている。


が、


食べにくいったらありゃしない。

それにだ。



薬味であると同時に道具でもある葱は、短くなっていくのは理の当然だ。

どんどん食べにくくなると言う、この理不尽さはどうだ。



こんなに苦労して、蕎麦を食べたのは初めてである。




大内宿で、この日の旅程は終わりである。





お風呂は、つきみ町民センター300円




宿泊は道の駅会津柳津 w 

走行距離154km 累積走行距離1756km
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