10月25日
降りしきる雨が、車のウィンドウを濡らす。
こんな日は、動かないのが一番である。
とは言え、やるべき要件もある。
取り合えず、コインランドリーへ走り、洗濯から済ませる事に。
駐車場に止める際、鉄骨の柱にサイドオーニングのカバーを擦ってしまったのだ。
いや、大したことでは無い。
ほんのちょっとだ。
なのに、ヤツときたら。
「あ~あ、だけん言ったやんね!」
「何を!!」
そんな事言ったって、何言っているのかよく聞こえなかったし、
第一、サイドミラーが雨粒で全然見えず、そんな鉄骨があったなんて・・・
「しょうがなかじゃんか!!」
「ふん、いつも人の言う事、全然聞かんくせに。」
てな、やり取りがあった訳で・・・
あ、いや、
この件はもういい。
先へ進める。
買い物を済ませ、移動の途中、北アルプス展望美術館なる看板があった。
ちょいと立ち寄ってみた。
そして、
何と美術館は休館中ときた。
ありゃまあ、である。
そうこうするうちに、昼飯時となった。
折角、信州まで来て、ラーメンはなかろう。
すぐ傍に、こじゃれた蕎麦屋を見つけた。
座敷に通されメニューを見る。
と言っても、普通のざる蕎麦と、田舎蕎麦、おろし蕎麦と鴨せいろの4つしかない。
ここは鴨せいろで行ってみよう。
「お待たせしました。」
先ずは蕎麦だけ。
ズルズルズルルーーー
うん、さすがだね。
美味い!
ほんじゃ、鴨と葱をばたっぷりとすくい、
ズル、ズル、ズルルルーーーー
うんめえーー
食後、
座敷に出てきた店主と話しているうちに、大雪渓酒造と言う酒蔵の話になった。
「それって、昨日の・・・」
昨日、どこかの道の駅で買った大雪渓と言う特別純米がとても美味しくて、もっと買っとけばよかったと後悔していた矢先なのだ。
その酒蔵がすぐ傍にあるとは、まだまだついているらしい。
これが大雪渓酒造である。
この建物は酒蔵に併設されている、直営の販売所である。
元々は、先々代の住居で、築150年だそうだ。
そしてなんと、
「見学自由ですよ。どうぞ、お上がり下さい。」
埃一つない、掃除が行き届いた室内。
柱や梁、建具に至るまで、痛みが殆ど無く、150年の歳月を全く感じさせない。
二階へ続く階段。
無料で開放しているのに、大した管理である。
元々の帳場前の土間だった場所が、販売スペースとなっている。
「どれにしようか、悩んじゃうな。えーっと、これとこれとこれを。」
「有難うございます。どうぞ、お気をつけて旅を続けて下さいね。」
昨日の道の駅からは数キロしか離れてはいないが、今日はここ、道の駅池田町ハーブセンターで宿泊に決めた。
何しろ、洗濯と買い物を済ませたら、動かないと決めたのだから。
この道の駅は、その名の通り、ハーブ園を併設しているらしく、
「ちょっと見てくる。」(家内)
しめしめ、鬼の居ぬ間に・・・
さあてと、忙しくなってきたぞ。
先ずはビールやろ。
もこ。
そんなに見つめたって、お前にゃあげないよーだ。
ビールが終わったら、早速さっき買った生酒だ。
トクトクトク
この背徳感が堪らないのだ。
何も貰えないと悟ったらしく、運転席に移動したもこ。
それでも、気になるのは気になるらしい。
視線はこちらに向けたままである。
では。
走行距離20km 累積走行距離1353km