就活で「雑談面接」が増えたワケ
学生に求められる対話力
産経新聞
2013年10月27日(日)12:17
誰もが理解していることだが、就職活動では
今も昔も面接は非常に重要である。
就職活動の最後は、最終面接という言葉があるように
面接で終わる。どんなにエントリーシートや
グループディスカッションをクリアしても
面接を突破できなければ、企業から内定を獲得することはできない。
現在、社会人として働いている方々は、
面接を突破し企業から内定を獲得して
就職活動を乗り越えてきた人たちだ。
だからこそ、下記のような質問が面接官から出ると思う。
「自己PRをしてください」
「学生時代頑張ったことを教えてください」
「志望動機を教えてください」。
上記3つの質問は、就職活動では代表的な質問であり、
現在でもよく出る質問である。しかし、
近年は上記のような質問を行う従来の面接以外に
『雑談面接』が増加している。実際に
マイナビが毎年公表している2014年卒マイナビ企業新卒採用予定調査では、
今年度採用する面接手法として『雑談面接』が
64%と大多数を占めている。
雑談面接とは、企業が学生をリラックスさせ
本音を探るのが目的である。そのため、
「学生時代に頑張ったことは何ですか?」、
「あなたの強みと弱みは?」など
従来のような質問をすることは雑談面接では
タブーになっている。では、
なぜ近年雑談面接が増加しているのか。それは、
企業が学生の人間性を把握したいと考えているからだと私は思う。
従来の面接では、「学生時代に頑張ったことは何ですか?」
「志望動機を教えてください」など
テンプレ通りの質問がされる。
面接では簡潔に要点をまとめて話す必要があるため、
人間性が見えにくい回答になってしまう。
時間があれば、そこから具体的に掘り下げることで
学生の人間性を把握することができるが、
企業は限られた時間の中で学生を判断しなければならないため、
結果として学生の差別化が難しくなっている。
そのため、面接官は「第一印象」、
「好き嫌い」という感覚的な要素で評価する傾向が強い。
これでは、面接本来の目的を見失ってしまっている。
形式的な質問も、もともとは学生の人間性を見いだすための
ツールであったはずである。それにもかかわらず、
形式的な質問が繰り返されるうちに、
学生に対策されてしまい、いつしか
人間性を見えにくくしてしまった。
この状況に気付いた企業が、雑談面接という形式をとって
学生の人間性を把握しようとしているのだ。
これにより、学生にとっては面接の対策や
準備が行いにくくなってしまった。
従来の面接であれば質問の答えをあらかじめ準備をし、
面接で答えることができた。しかし、
雑談面接では毎回聞いてくる質問が異なるため
“対話力”が求められるようになっている。
会話力と違い、対話力とは相手と話の論点をずらさずに
最後まで会話を続ける能力をいう。そのため、
相手が話している内容をきちんと理解する必要があり、
自分が話したい内容の中から、
何を話すべきか取捨選択をして、
的確に相手に伝えなければならない。
しかし、
最近の学生は、“対話力”が乏しくなってきている。
理由は、
学生は総じて同じ年代の少数の仲間とだけ接する傾向が強いからだ。
年代の異なる大人と会話する機会が少ないのだ。
そのため、
大人を相手に目的を持って対話をするという場面を、
事前にほとんど経験していないため、
面接でも
自分のことを伝えられない学生が多いのだ。
12月から2015年卒生の就職活動がスタートするが、
今から学生には社会人と接し、大人と対話をすることで、
対話力を磨いてほしいと思う。
(「内定塾」講師 齋藤弘透)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20131027520.htmlより
わ
たしは、この指摘がなされるまえから、学生に
「われわれ教員としっかりした言葉で、
話す練習をしなさい」と言ってきた。
面接官は、われわれと同世代の大人で、
しかも男性である場合が多い。
ため口や仲間内の言葉でない、
正しい言葉使いでの話の練習台に使ってもらいたい。