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2015年08月06日 00時05分33秒 | キャリア支援
仕事のできるアナタが「万年試験バカ」な理由
不確かなことを周りと「比較」してもムダだ!

07月22日 06:40
東洋経済オンライン


仕事ができる人ほど陥りやすい資格試験の「落とし穴」とは
(写真:evgenyatamanenko / PIXTA)
(東洋経済オンライン)


学生時代だけでなく大人になっても勉強は続く。
ただ、学生時代と違い、家庭や仕事を抱え多忙な社会人にとって、
資格や英語などの勉強は大きな壁となって立ちはだかる。
この連載では「2割の努力で8割の成果」をあげてきた
鬼頭政人・資格スクエア代表が、
悩めるビジネスパーソンからの勉強に関する相談に鋭く切り込み実践的なアドバイスをしていく。
著者への勉強相談はこちらのフォームから!

【勉強相談】
仕事はすぐ覚えられるのに、勉強になるとぜんぜんダメなのはナゼ?

私は今、弁理士試験の勉強をしています。
実務経験はなく、知識ゼロの状態から大学院で知財研究を修了し、
現在は予備校で弁理士試験の勉強をしています。
受験勉強は毎日しているのですが、ほかの人と比べて、
「理解すること」に時間がかかり、悩んでいます。
ほかの人が簡単に理解することでも、
私は何回も読んだり、調べたりして、
やっと理解にいたります。
また、その理解を定着させるまでにも時間がかかります。

国家資格を受験する身としては、
早くに合格したいという思いがあり、勉強しています。
ですが、自分自身も「理解」と「定着」の遅さを
どう克服したらいいのかわからないまま、
読んで、調べて、書いて、、、
の繰り返しです。

ちなみに、会社では事務系の仕事をしていますが、
仕事上で「理解」と「定着」の遅さを感じることはなく、
新しい仕事でもすんなりとこなせています。

なのに、ナゼ??勉強だけが、
理解するのにこんなにも時間がかかってしまうのでしょうか。
「理解」と「定着」を効率的に行う方法はないでしょうか。

(40代、女性、会社員)

そんな人いるんだ!?
というのが、私の第一印象です。
勉強はできるのに仕事ができない人、
というのは見たことがありますが、
仕事ができるのに勉強ができない人、
というのは新種です。
ガラパゴス諸島ご出身なのでしょうか。

そんな生物の進化を体現していらっしゃるご質問者様へ有意義なアドバイスをすべく、
本日は「仕事と試験勉強の違いは何か?」という点から考えてみたいと思います。

その違いはズバリ、「ごまかせるかどうか」にあると言えます。
すなわち両者には、「コミュニケーション能力による
”水増し”ができるかどうか」という点で、
明らかな違いがあるということです。

ほとんどの仕事の場合、一人で何もかも進めることはできません。
同じ部署やチームの力を借りたり、
決裁を取ったりするなどして進めていくことになります。
必然、そこには社内外の「人と人とのコミュニケーション」が生じてくるわけです。

そして、同じ事柄でも「どう言うか」によって、
受け手の印象は異なるわけです。
たとえば、今日までに終えるべき仕事が半分終わっている、
という状態を説明する際、
「まだ半分しか終わっていないので終わりそうにありません」
と言うのか、あるいは、
「進めるうち、より詳細に検討する点が生じたため、
すべて終わらすには明後日までかかってしまいます。
本日時点のものでよければ後でお見せしますが、
差し支えなければ期限を明後日に延ばしていただきたいです」
と言うのかで、相手に与える印象は
まったく変わってしまいます。

あいまいさを許さない試験勉強
「仕事が半分終わっている」という状況は同じでも、
前者は無責任な印象を与えますが、
後者は相手の状況にも配慮した責任感のある印象を与えます。
そして後者の人のほうが「仕事ができる人」と評価されますね。

仕事というのは、一事が万事
このようにコミュニケーションを軸に進めていくもの。
上記例のような場合以外でも、コミュニケーション能力が
発揮される場面が多々あるのは、
みなさんご存知でしょう。

なので、たとえ同じ事務処理能力だとしても、
コミュニケーション能力が高い方が
「仕事ができる」と高く評価されることになります。
言い換えれば、「コミュニケーションでごまかせる」わけです。

さて、ここまでは仕事術の本みたいになってしまいましたが、
一方の試験勉強は、仕事のような「ごまかし」は効きません。
コミュニケーション能力による水増しの恩恵が受けられず、
あいまいさは許容されないのです。

ものすごくわかりやすく言えば、仕事では
「富士山はだいたい3800メートル」と言っておけばうまくやり過ごせますが、
勉強では「富士山は3776メートル」と言い切らないと点数にならないのです。

おそらく「ごまかし上手」なご質問者様は、仕事では、
だいたいのことを、だいたい処理して、
やり過ごしておられるのでしょう。
それゆえ、自分は仕事の「理解」と「定着」が早いと認識しておられる。
そして、仕事とは違ってごまかしの効かない試験勉強に、
おののいているのでしょう。

ごまかせない試験勉強において重要になるのは、
「細部まで詰めて勉強する」こと。
これにはそもそも、膨大な時間と労力がかかります。
誰がやっても同じです。

ほかの人と比べて理解に時間がかかり、
定着にも時間がかかる、とのことですが、
そもそもそれは、誰と比べているのでしょう。
予備校の周りの人が毎日何時間くらい勉強しているか、
知っているのでしょうか?

周りと比べる、そのムダな時間で勉強せよ
受験生というのは不思議なもので、
勉強していることよりも勉強していないことを自慢する生き物です。
定期テストの前に「全然勉強してない」と言っていたのに
いい成績を取る小物に、ほんのりと
苛立ちを覚えたという青春の1ページをお持ちの方は多いはずです。

そんな小物たちは「勉強してないのにあいつはできる」という、
さして名誉でもない評価を受けたいがために
「勉強してないよオーラ」を出しているわけですが、
そういうやつに限って、勉強しているに決まっています。

何が言いたいかって? 
ご質問者様が他人と比較すること自体ムダだ、ということです。
ほかの人が正確に何時間勉強して
その理解に至っているのかを把握せずに
(というかそんなもの把握できません)、
なんとなく「あいつの方が理解が早い」
とコンプレックスを感じている、
そのムダな瞬間を勉強に費やせ!と言いたい。

弁理士試験の平均合格期間は4〜5年。
1年で受かる人もいますが、そういう人は1日のほとんどを勉強に使える学生が大半で、
社会人受験生のほとんどは数年以上かけて、
ようやく弁理士試験に合格するのです。

理解に時間がかかる? 定着に時間がかかる? 
読んで、調べて、書いての繰り返し? 
全部当たり前です。
思ったよりも大変な試験勉強の壁に弱音を吐いているようにしか、
私には聞こえません。

私だって、法律を理解するのに膨大な時間がかかりました。
受かったいまでこそ、涼しい顔をして偉そうにしゃべっていますが、
司法試験受験生当時は、毎日毎日、
賽の河原に石を積み上げ、そして崩され……その繰り返しです。
覚えては忘れ、覚えては忘れ……鬼め!と毎日思っていました。
鬼頭なのに近親憎悪(笑)

「仕事ができる」私を自認しているガラパゴスさん、
仕事はコミュニケーションで「ごまかし」が効く一方、
勉強はそうではないということを自覚してください。
試験勉強なんて、地味な理解と暗記の繰り返し。
それでも信じて勉強し続けられるかどうか。
これが最終的な勝敗を分けるのです。

まずは「仕事ができる」とか「周りと比べて」とか、
関係ないことを言っている時間を削り、
勉強してください。明日は必ず、
今日よりも進んでいます。
そして最後は大好きな松岡修造さん風に締めたいと思います。
「お前の本気を見せてみろ!!」。では。

http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-77785.html?page=1