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1月29日(金)公開の映画「ラブリーボーン」も観る予定です。1月はこれで4本目のピックアップです。殺人の被害者となってしまった14歳の少女が天国へ行くのですが、残された家族の嘆き悲しむ姿を見て、何とか地上に留まって家族を救おうとする。単なる殺人事件の犯人探しだけの、今までのこの手の映画のストーリー展開とはちょっと趣が違う、ファンタジーを取り入れたクライムサスペンスになっているみたいです。ちょっとヘビーな内容かも知れません。
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この映画は、死生観の違いで賛否の別れる映画だと思います。警察捜査の場面が殆ど無い所からみても犯人探しと復讐劇を中心に描いているのではなく、14歳で殺された主人公のスージー・サーモンと、その家族の再生と癒しの物語に重点が置かれています。あまりない展開だと思いますが、惨殺された被害者のスージーが死後の世界から語り手となり、彼女の視点から話が進んで行きます。
もちろんサスペンス色もあってドキドキする場面も有ったし、スージーの同級生で霊感が鋭く死後のスージーを感じる女の子が居たり、スージーと家族との霊的な交信で犯人へのメッセージを感じさせるシーンもファンタジーのようで見せ場としては色々有ったのですが、結局、最後にそれぞれの登場人物が伏線として繋がらず、”殺人犯としての犯人を逃がしてしまった形 ”になったので、どこかスッキリしない気持ちが残り消化不良の映画となりました。事件の描き方は直接的な残虐描写がなくて見やすかったけど。
どうしてこの物語は感動したり共感できないのかなぁと考えてみたら、それは、この物語を家族の愛のファンタジー物語で済ましてしまうには、余りにも酷すぎる事件で、忌まわしい連続猟奇殺人事件なのに、犯人に対して納得の行く正義がなされなかったからだと思います。
終盤になってスージーを惨殺したレイプ殺人犯が、本当はシリアルキラーで何年にも亘り数名の女性を惨殺していたことが観客に示唆されます!そうして見せられた犯罪の重さと、その犯人の罰の与えられ方の軽さのギャップが大きすぎて、前半の展開のサスペンス色がかすんでしまいました。あれだけの罪を犯した殺人犯が偶然の事故で(あれは、失笑もの!)簡単に罰を与えられてしまった事で、あの数名の女性たちの命が軽々しく扱われた気がして嫌な気分になりました。
それにも増して腑に落ちないのが、一応は、最後に犯人が近所の男だったと分かるのですよ。その後の犯人の目撃者もいる訳だし、いや、あの霊感少女もあの死体遺棄現場に居合わせたんだから、そう言う時の為のキャスティングだと思っていたから、霊感少女が事件に絡んでこない展開が余計にガッカリでした。すぐに警察が一帯を聞き込みや調査をすればスージーの遺体の場所は分かる筈。そして、あの猟奇殺人の犯人が捕まる事で( 普通過ぎな流れだけど ) 、それぞれの描く世界のバランスが取れて、最後には何とか気が晴れたと思います。
それなのに、遺体をあんな所に置き去りにしたままジ・エンドですか!? 遺族の心の安らぎは、たとえ骨の一片でもスージーを取り戻してこそ得られると思うから、あのラストは中途半端すぎて感動も何もない、空虚感しか感じませんでした。キャスティングの設定を、それぞれ伏線と成り得る配置に置きながら(スーザン・サランドンなんて意味がない設定だったけど。)、誰一人として伏線が回収されず何も繋がらず、設定が生かされていなかったのが本当に残念でした。
![ちぇっく](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/99/98ce60ab3e6b0d4689d2fe06f7e34035.gif)
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![]() ![]() ![]() ![]() ■ 「ラブリーボーン」 (英題:THE LOVELY BONES ) ■ 日本 公開日: 2010年 1 月 29日(金) (上映時間 2時間 19 分) ■ ストーリー : 14歳で殺されてしまった少女が、残された家族や友人たちが立ち直っていく姿を天国から見守り続けるファンタジックな感動ドラマ。全世界30か国以上で1,000万部以上を売り上げた原作を、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンが監督という豪華布陣で映像化。主人公の少女役は、『つぐない』のシアーシャ・ローナン。前代未聞の物語設定と、少女が起こす奇跡に注目。【スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)という魚の名前のような彼女は、14歳のときにトウモロコシ畑である者に襲われ、殺されてしまう。そしてスージーは天国にたどり着くが、父(マーク・ウォールバーグ)は犯人探しに明け暮れ、母(レイチェル・ワイズ)は愛娘を守れなかった罪悪感に苦しむ。崩壊していく家族の姿を見てスージーは……。】(Yahoo!映画より抜粋) ■ 監 督 : ピーター・ジャクソン ■ キャスト: マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ、マイケル・インペリオリ、シアーシャ・ローナン ■ 米 公 開 日 : 2009年12月(限定公開)2010年1月15日(拡大公開) ■ 全米週末興行成績 : 拡大公開後初登場3位 ■ 米Yahoo!ユーザー: 平均評価 「B+」 (4141 ratings) ■ 米 各雑誌批評家 : 平均評価 「 C 」 (11 reviews) |
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