おはようございます。
本日は、久しぶりに観た映画、「TOVE/トーベ」 の感想文、
どうぞ、おつきあいくださいませ。
フィンランド映画「TOVE/トーベ」 は、
「ムーミン」の作者として知られる、
トーベ・ヤンソン(1914-2001)の半生を描いています。
(映画は詳しくなく、本記事も、ヤンソン主体になりそうですが、
お許しを)
去年の12月、この映画を知ってから、ずっと楽しみで・・・
待ち望んだ公開でした。
今、過去記事を見たら、とっても熱く語っていました。
(ヤンソンと、ヘルシンキの旅→映画、「トーベ」楽しみです♫)
(プログラム、裏表紙)
前置きが長くなりましたが、映画について・・・
もう、号泣。
ラストカットから、エンディングロールで涙が止らなくなりました。
お話は、ざっくり言って、主人公トーベが彫刻家の父に抑圧されつつも・・・
自分の生き方を、仕事においても、恋愛においても
全うしようとする物語です。
(ボケボケですが、プログラム表紙)
・・・といっても、あくまでもフィクション。
けれども、ヒロインが傷つきつつも、まっすぐに生きようとする姿は、
「ムーミン」シリーズや「誠実な詐欺師」に漂う、寂しさや哀しみに
つながるような気がしました。
そして、つれづれに悪戯書きされるのが、ムーミン・トロール・・・
ファンにはたまりませんが・・・
トーベは、画家だと自負しているので
ムーミンのマンガや戯曲書きを、当初は食べるためと、言い切ります。
それが変わっていくのです・・・
(帰ってきて読み直した、ヤンソンの評伝。実はヴィヴィカの出てくる直前で挫折していましたw ボエル・ウェスティン『トーベ・ヤンソン-仕事、愛、ムーミン』講談社)
では、ネタバレになるので、ざっくりと、
印象に残った場面を備忘録を兼ねて、二つ。
・・・トーベは、恋愛も仕事も、迷っていました。
ある朝、ベッドの中で、パートナーに「幸せ?」と訊かれます。
トーベの答えは・・・
その後、バルコニーに、たたずむ二人。
暗い空の下、いかにもフィンランドらしい森の向こうから湖が見え・・・
忘れられない場面です。
「ムーミン」で成功を収めたトーベ。
裕福にはなったけれど、いまだに、迷いの中にいました。
「マンガ、演劇、小説、絵画、全部やりたい」と、打ち明けると
「全部、やればいいじゃない?」と、かつての恋人。
この一言で、トーベは迷いを吹っ切り、我が道を進むことができました。
ここがあるから、ラストへと、踏み出せます。
この人が言うから良いんです!
その後に続く、エンディングロールが生きてくるのでしょう・・・
ぜひ、本編をご覧になって下さいませ・・・
ヤンソン・ファンの皆様は、きっと胸を熱くされるはずです。
(ヤンソンさんが1944年から亡くなるまで住んだのは、建物の塔。
映画でも登場、写真で見ていたアトリエも見事に再現され、感激でした。
次の画像とともに、2014年春ヘルシンキにて撮影)
2014年春にヘルシンキを旅し、ヤンソンさんの住まい↑やら
アテネウム美術館でのヤンソン生誕展まで観て回りました。
そのとき、ヤンソンさんが軽やかに踊るフィルムを初めて観ています。
後に、飯能のムーミンバレパーク内「コケムス」や
テレビのドキュメンタリーでも観ましたが・・・
動くヤンソンさんの映像ですもの、見る度に胸がいっぱいです。
その下地があるから、ポスターやプログラムに使われる
ヒロインの踊るショットが、たまりません・・・
今、思い出しても、目頭が熱くなります・・・
(塔のビルに掲げられたプレート。ヤンソンさんの住まいだったことが
示されています。)
う~ん、でも、この涙。
考えてみると・・・
映画に感動したからであることは、もちろんですが・・・
それだけではなかったかも。
去年の12月、この映画を知ったときのブログに書いていました。
「世界的なコロナ禍の今、
フィンランドを旅することは、かなわないけれど・・・
せめて、来年、この映画を構えることなく観ることができますように。」
フィンランドを旅することは、かなわないけれど・・・
せめて、来年、この映画を構えることなく観ることができますように。」
ほぼ一年後・・・相変わらずのコロナ禍の今・・・
少なくとも私には、まだしばらく海外への旅はないと感じています。
それだけに、かつて、ヤンソンさんの足跡を追い、
フィンランドを旅できたことの幸福と感謝の念が押し寄せてきて・・・
そして、何よりも・・・
無事に、この映画を観られたことで
胸がいっぱいになったのです。
今年も、ずっと緊張していた気がしますから・・・
決して「構えることなく観る」ことができたわけではありません。
コロナ禍、久しぶりの渋谷で、しかも映画鑑賞となると・・・
やっぱり構えてしまいましたが・・・それでも、幸せ♫
映画鑑賞も、「東急文化村(Bunkamura)」も、大好き・・・
with コロナの時代、
先月の歌舞伎も、もちろんですが・・・
少しずつでも日常を取り戻していければ・・・
長々と、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。