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『流転の中将』~一気読み!

2021-06-21 | 2022夏まで ~本~
おはようございます。
昨日は、目を気にしながらも、歴史小説を一気読み・・・
あまりに面白くて・・・

わたしの「オシ本」w、どうぞ聞いてやって下さいませ。


その小説は、奥山景布子『流転の中将』(PHP)。

慶応4(1868)年1月6日大坂を舞台に始まります。
登場するのは、徳川15代将軍・慶喜、会津藩主・松平容保、
弟の桑名藩主・松平定敬(サダアキ)・・・

正直、この時点では、あまり惹かれず・・・

本作についての予備知識が無かっただけに、
ああ、またかぁ・・・と。

歴史、とりわけ幕末史が好きで、会津びいきの佐幕派を自称してきました。
ところが、ここ最近、読んだ幕末・会津系の小説が、
どうも、わたしには今ひとつだったからなのです。

図書館の返却期限も迫っており、このまま返却もありでは・・・という感じ。

ところが、舞台が伊勢桑名の章に移ってからは、おもしろくて、
止めらなくなって、一気読みでしたた。



主人公は、タイトル通り「左近衛権の中将」、桑名藩主・松平定敬。

幕末の京都で、一会桑(先の三人を指す)体制を担った一人です。
この人については、容保公の弟、高須四兄弟の一人と言うこと以外は、
全然知りませんでした。

それだけに、この人生、と言っても彼の人生の、ほんの前半生に過ぎない、
わずか一年に、これだけ「流転」するとは・・・

ざっくりいって、幕末、京都で主流派だったはずが、
いつのまにか圧され、気がつけば朝敵になっていたという一年です。

定敬は非のない自分が「朝敵」である汚名を受け入れず、
自ら戦いの道を選び「流転」したのでした。



描かれるのは、彼の「流転」の日々だけではありません。

国元、すなわち桑名・城下で、留守を預かる、家老もとい惣宰の
酒井孫八郎らの不安と焦りでいっぱいながらも奮闘する様が、
緊張感をもって迫ってくるのです。

読み終わってから、登場してきた人物について、ググりまくりでしたw
(うわ、ちゃんと実在しているじゃん!)

佐幕派を自称しながら、こんなに知らないことだらけ!
最近、気持ちが鎌倉時代に飛んでいましたが、
これは原点復帰?幕末が呼んでいますww



これだけの物語性をもって、かつ歴史的な情報も、インプットしつつ
読ませてくれる作者・奥山景布子氏は、すごい!
新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞しておいでだとか・・・

納得!

しかも、その受賞作が『葵の残葉』。
高須四兄弟の小説、つまりは、『流浪の中将』の前段にあたります。
それは、ぜひ読まなくてはっ!と、今、図書館に予約しました。

楽しみです♫


・・・というようなことを、やはり歴史好きの夫に熱く語ったのですが・・・
戦国時代好きのヤツは、ろくに聞いてくれませんでしたw

そんな話におつきあいいただき、皆様、どうもありがとうございました。

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拙ブログには、読んだ本の一部だけをアップしていますが、
ブクログ「由々と本棚」は、読み終わった本を収めています。
本のお好きな方、どうぞ、遊びにいらして下さいませ。

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