「シロ、がんばって。
でも、がんばりすぎやんかていいで。
犬の神さま来ゃはったらついていくねんで。
もう私らのことはいいから。
『私も連れていってください』ってついていくねんで」
2月なかば、シロさんに初めての鼻出血がありました。
お昼すぎに始まったそれは、
びっくりするくらいの量で、夜になっても止まらなくて。
3月には止血剤を飲み続けているのに、
鼻出血は始まり、止まりませんでした。
シロはよくない病気だ。
3月にこちらから求めて、
かかりつけのドクターにインフォームドコンセントをしていただき、
「あくまで推測ですが」と鼻腔内腫瘍の診断を受けました。
私はそれまでにネットで情報検索し、
図書館で本を借り、ない本は買い求め、読み漁り、
同じ推測をたてていました。
だからそれがどんなに残酷ながんなのかわかっていました。
シロさんには残された時間が少なくて、
おばあさんになってからこんなに弱々しくなったのに、
勝つ見込みのない闘病をしなくちゃいけないんだ、
と、絶望的な気持ちになりました。
それからは、シロさんのおでこに自分の額をくっつけては、
しょっちゅう冒頭の言葉をかけていました。
シロさんは自分の病気を知らない。
だから私が泣いてはいけない。
彼女を不安にさせたり、悲しませてはいけない。
鼻出血さえなければ、
シロさんはおっとりとしたおばあさんらしさで、
穏やかな毎日を送れました。
それでも、
彼女が寝ている時にその安らかな寝顔を見ていると、
おばあさんになってもかわいくて、
いっそう愛おしくて、
失われることが耐えがたくて、
これから待ち受けている辛い闘病を考えると苦しくなって、
泣けてくるのでした。
そうすると、
シロさんはその気配で目を覚ましてしまい、
起きあがって、
私の額に自分のおでこをくっつけてくるのです。
シロさんは私をなぐさめているのです。
4月初め、別のクリニックで検査を受けました。
結果、鼻腔内腫瘍はなく、
多発性骨髄腫にほぼ間違いないとわかりました。
今、ステロイド剤投与で痛みやしびれは抑えられています。
食べてくれさえすれば、
治療を受けられる体力が取り戻せるはずなのに、
まだひとくちも食べようとしません。
私は自分の目でその姿を見て、
自分でも食べさせようとやってみました。
それまでは、
あの食いしん坊万歳なシロさんが、
そんな状態になってしまうなんて信じられなかった。
先週金曜日にはドクターは、
「この状態ならステロイドで痛みをとってやれば、
元気に食べられるようになりますよ」
と、おっしゃってました。
「血液検査の結果が出る頃には体力も戻って、
抗がん剤治療を始められますよ」と。
今日、検査結果がでているはず。
それなのにまだ何も食べられない、
食べようとしないなんて。
母と私がむりやり口を開けようとしても、
シロさんは歯を食いしばってこばみます。
苦労して無理やりひとくちだけ食べさせたのに、
数分後、お水をたくさん飲んで、
胃液とともに吐き出してしまいました。
たぶんシロさんは、
私と母の会話を聞いていて、
もう逝くことにしたんだと思います。
「もう終わりにしたい。
シロにとってもそれがいちばんいい。
長引かせる方が残酷や」
彼女には母の気持ちがわかったんだと思います。
母のことが大好きな、
とても賢い子だったから。
もう逝くことに決めたんだと思います。
犬の神さまが迎えにいらっしゃるのを待っているのでしょう。
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(今日のシロさん。痛々しいくらい痩せてきたのでうしろあたまだけ。
たぶんリアルタイムでシロさんを載せるのは最後になると思います。)
シロさん、どうか穏やかに。
ご覧いただきありがとうございました。
しばらく更新できないと思います。
でも、がんばりすぎやんかていいで。
犬の神さま来ゃはったらついていくねんで。
もう私らのことはいいから。
『私も連れていってください』ってついていくねんで」
2月なかば、シロさんに初めての鼻出血がありました。
お昼すぎに始まったそれは、
びっくりするくらいの量で、夜になっても止まらなくて。
3月には止血剤を飲み続けているのに、
鼻出血は始まり、止まりませんでした。
シロはよくない病気だ。
3月にこちらから求めて、
かかりつけのドクターにインフォームドコンセントをしていただき、
「あくまで推測ですが」と鼻腔内腫瘍の診断を受けました。
私はそれまでにネットで情報検索し、
図書館で本を借り、ない本は買い求め、読み漁り、
同じ推測をたてていました。
だからそれがどんなに残酷ながんなのかわかっていました。
シロさんには残された時間が少なくて、
おばあさんになってからこんなに弱々しくなったのに、
勝つ見込みのない闘病をしなくちゃいけないんだ、
と、絶望的な気持ちになりました。
それからは、シロさんのおでこに自分の額をくっつけては、
しょっちゅう冒頭の言葉をかけていました。
シロさんは自分の病気を知らない。
だから私が泣いてはいけない。
彼女を不安にさせたり、悲しませてはいけない。
鼻出血さえなければ、
シロさんはおっとりとしたおばあさんらしさで、
穏やかな毎日を送れました。
それでも、
彼女が寝ている時にその安らかな寝顔を見ていると、
おばあさんになってもかわいくて、
いっそう愛おしくて、
失われることが耐えがたくて、
これから待ち受けている辛い闘病を考えると苦しくなって、
泣けてくるのでした。
そうすると、
シロさんはその気配で目を覚ましてしまい、
起きあがって、
私の額に自分のおでこをくっつけてくるのです。
シロさんは私をなぐさめているのです。
4月初め、別のクリニックで検査を受けました。
結果、鼻腔内腫瘍はなく、
多発性骨髄腫にほぼ間違いないとわかりました。
今、ステロイド剤投与で痛みやしびれは抑えられています。
食べてくれさえすれば、
治療を受けられる体力が取り戻せるはずなのに、
まだひとくちも食べようとしません。
私は自分の目でその姿を見て、
自分でも食べさせようとやってみました。
それまでは、
あの食いしん坊万歳なシロさんが、
そんな状態になってしまうなんて信じられなかった。
先週金曜日にはドクターは、
「この状態ならステロイドで痛みをとってやれば、
元気に食べられるようになりますよ」
と、おっしゃってました。
「血液検査の結果が出る頃には体力も戻って、
抗がん剤治療を始められますよ」と。
今日、検査結果がでているはず。
それなのにまだ何も食べられない、
食べようとしないなんて。
母と私がむりやり口を開けようとしても、
シロさんは歯を食いしばってこばみます。
苦労して無理やりひとくちだけ食べさせたのに、
数分後、お水をたくさん飲んで、
胃液とともに吐き出してしまいました。
たぶんシロさんは、
私と母の会話を聞いていて、
もう逝くことにしたんだと思います。
「もう終わりにしたい。
シロにとってもそれがいちばんいい。
長引かせる方が残酷や」
彼女には母の気持ちがわかったんだと思います。
母のことが大好きな、
とても賢い子だったから。
もう逝くことに決めたんだと思います。
犬の神さまが迎えにいらっしゃるのを待っているのでしょう。
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(今日のシロさん。痛々しいくらい痩せてきたのでうしろあたまだけ。
たぶんリアルタイムでシロさんを載せるのは最後になると思います。)
シロさん、どうか穏やかに。
ご覧いただきありがとうございました。
しばらく更新できないと思います。
はじめてお邪魔させていただきます。
鼻腔内腫瘍のレオのママです。
シロさんは別の病を患っていたのですね・・・ガンとは本当に憎い存在ですね。
momo様とシロさんの絆がつまった大切なブログ、とても愛情にあふれていて、勉強になります。そして、私なんかまだまだレオの為に頑張れてないなぁと心が奮い立たされます。こんなにも惜しみなく愛情をそそぐmomoさんは、とても立派です。シロさんも、それに応えているのでしょうね。2人のお互いを思う気持ちを考えるだけで、涙が出てきてしまいます。
初めて見るシロさんのお顔、とっても可愛くて…なでなでしてあげたくなります。お名前の通り、キレイな白色の毛・・・とても15歳には見えない姿に、正直驚きました。こんなにも若く元気なのかと!
以前の記事の写真も、元気いっぱいで、ふわふわなシロさんが可愛くて、思わず笑みがこぼれますね!
シロさん、大丈夫でしょうか・・・
本当に本当に・・・ただただ祈ることしかできないことが悲しいです。
でも何よりも、その時を迎えた瞬間、大好きな人が傍にいることが一番の幸せだと思うのです。これは簡単なようで難しいことですが、momoさんは今もずっとシロさんの傍にいることでしょう。シロさんは幸せなワンちゃんです。
2人ともお辛い時期ですが、いつまでも一緒にいられるよう、遠くから願っております。
長らく冬眠ブログだったのを、
再開しようと思ったのは、宇保さまの影響ですよ。
かわいいレオくんと、優しくて愛情あふれる宇保さまの様子に、
私もシロさんのことを残しておこう、
シロさんを最後までずっと覚えておこう。
そう強く思うようになったのです。
あっという間にシロさん闘病記は終わりました。
残念でなりませんが、おかげさまでずっと記憶に残せると思います。
ありがとうございます。
宇保さんとレオくんの一緒の時間が、
ずっとずっと続くことを心よりお祈りしています。