みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

雪音の徒然声

2015-03-11 22:54:16 | 日記
四年前の今日、震災があった。会社の天井が崩れてきてエアコンとか電気とか落ちてきて、回りのものもバタバタ倒れてすごく怖かった。めったに雪の降らない地域なのに吹雪になってとても寒かった。記憶は少しも薄れない。だけど恐怖心ではない。独りぼっちのあたしを居候させてくれた彼。思い出すのは恐怖よりも残酷な甘やかな記憶。目を閉じれば昨日のように思い出す。暖かな部屋。ファンヒーターの匂い。湯気をあげる電気ポット。ラークの煙。あたしがもう少し頑張って、ちゃんとしていたら彼もあたしを嫌いにならなかったかも知れない。今も一緒にいれたかも知れない。今日久々にラークを吸った。彼の匂いがした。涙がでた。人前で泣くのは嫌なのに、黙祷のときTVが一斉にNHKに替わって、去年までは絶対TVはつけなかったし、一緒に恐怖を味わった仲間といたから平気だったけど今年は電気屋になっていて、一人で当たり前だけど回りはTVだらけであたしは無意識に号泣していた。恐怖より甘やかな彼の部屋がフラッシュバックして。あたしを雪と名付けた彼はもういない。夢にすら出てきてくれない。あたしの捕らわれた記憶はいつ解放されるのか。ラークをまた吸う。彼の匂い。涙が止まらない。