黄砂

2008年03月05日 23時59分59秒 | 本・新聞・雑誌・記事・ネット

 
最近は気象ニュースなどで黄砂の話題に接する機会が、
多いが、今年も中国大陸から細かい砂が日本に飛来して
来る季節になった。



さて、その黄砂、人体などへ私が思っていたより
悪い影響を及ぼしそうだということを、改めて認識
させられる新聞記事が目に留まった。



その新聞は仙台に本社がある「河北新報」で、本日の
朝刊第一面にある「河北春秋」というコラム欄。



特に「アスベストにそっくり」という行(くだり)には、
将来の肺の病気への不安すら感じさせる。



その記事を読むことで、要らぬ病気を発症させずに
済むかもしれぬ方のためにも、記事全文を転載致します。
(河北新報社様、何卒ご容赦を)




 



【河北春秋】

 外に止めていた車が昨日の朝はすっぽりと汚い土ぼこりに
覆われていた。犯人は黄砂。洗い流そうと、早めに家を出て
ガソリンスタンドに寄ると洗車機の前は既に長蛇の列。
あきらめた。

 タクラマカン砂漠やゴビ砂漠で巻き上げられた砂が
偏西風に乗ってやって来るのが黄砂。砂だけならまだまし。
中国の沿岸部や都市部で排出された汚染物質も混ざって
いるというから、厄介だ。

 韓国で黄砂による健康被害の研究が進んでいる。黄砂の
特徴は鉱物が主体で体内に入っても変化しないこと。鋭角の
エッジが多く呼吸器を傷つけやすいこと。断熱材に使われた
アスベストにそっくりだという。

 金沢大学の岩坂泰信教授の『黄砂その謎を追う』(紀伊国
屋書店)によると、韓国では「黄砂はとんでもなく悪いやつ」
というイメージだそうだ。「春の風物詩」とのんきに構える
日本とは大違い。

 強烈な砂塵(さじん)が襲う砂漠では、家畜が死ぬことも
ある。例外がラクダ。砂嵐が来ると自分で小さな穴を掘る。
そこに顔を突っ込んで気管に砂が入らないように静かに呼吸して
やり過ごす。

 砂漠化と環境汚染の進む中国のことだ。黄砂の発生量と
頻度は、増える一方だろう。車が汚れる程度なら我慢できるが、
健康被害は勘弁願いたい。身を守るラクダのような知恵も必要に
なりそうだ。


     【2008年03月05日水曜日の朝刊より】





  

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