最近は気象ニュースなどで黄砂の話題に接する機会が、
多いが、今年も中国大陸から細かい砂が日本に飛来して
来る季節になった。
さて、その黄砂、人体などへ私が思っていたより
悪い影響を及ぼしそうだということを、改めて認識
させられる新聞記事が目に留まった。
その新聞は仙台に本社がある「河北新報」で、本日の
朝刊第一面にある「河北春秋」というコラム欄。
特に「アスベストにそっくり」という行(くだり)には、
将来の肺の病気への不安すら感じさせる。
その記事を読むことで、要らぬ病気を発症させずに
済むかもしれぬ方のためにも、記事全文を転載致します。
(河北新報社様、何卒ご容赦を)
↓
【河北春秋】
外に止めていた車が昨日の朝はすっぽりと汚い土ぼこりに
覆われていた。犯人は黄砂。洗い流そうと、早めに家を出て
ガソリンスタンドに寄ると洗車機の前は既に長蛇の列。
あきらめた。
タクラマカン砂漠やゴビ砂漠で巻き上げられた砂が
偏西風に乗ってやって来るのが黄砂。砂だけならまだまし。
中国の沿岸部や都市部で排出された汚染物質も混ざって
いるというから、厄介だ。
韓国で黄砂による健康被害の研究が進んでいる。黄砂の
特徴は鉱物が主体で体内に入っても変化しないこと。鋭角の
エッジが多く呼吸器を傷つけやすいこと。断熱材に使われた
アスベストにそっくりだという。
金沢大学の岩坂泰信教授の『黄砂その謎を追う』(紀伊国
屋書店)によると、韓国では「黄砂はとんでもなく悪いやつ」
というイメージだそうだ。「春の風物詩」とのんきに構える
日本とは大違い。
強烈な砂塵(さじん)が襲う砂漠では、家畜が死ぬことも
ある。例外がラクダ。砂嵐が来ると自分で小さな穴を掘る。
そこに顔を突っ込んで気管に砂が入らないように静かに呼吸して
やり過ごす。
砂漠化と環境汚染の進む中国のことだ。黄砂の発生量と
頻度は、増える一方だろう。車が汚れる程度なら我慢できるが、
健康被害は勘弁願いたい。身を守るラクダのような知恵も必要に
なりそうだ。
【2008年03月05日水曜日の朝刊より】