五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

五高に出来た第13臨時養成所について

2012-07-23 03:42:36 | 五高の歴史

概説 第十三臨時教員養成所は大正15年4月1日文部省告示第203号を以って第五高等学校内に設置され同月より授業が開始されたもので施設の要項等を挙げると次のようになる。

規程 大正15年4月本所規則、本所学資支給規程並びに生徒服務細則を制定し認可を受ける。

設備 第五高等学校内の倉庫(建物番号第84号 雑屋建 物置 木造平屋建 80坪 価格6237円76銭5厘から6887円8銭5厘へ大正15年3月及昭和3年5月の模様替につき増価格になっている)の一部を改修して教室として生徒を収容する。

教室内の職員及び生徒の机・器具類は第五高等学校の備品を借用して使用している。職員・生徒の参考用図書の多くは第五高等学校の備品を借覧しているがなお不足する分については必要な分を購入した。その図書は和漢書43部、端本4冊、洋書25部、端本1冊で、価格は327円40銭であった。

職員 本所には専任の教官は居ない。本年末現在の職員は管理者1名、主事1名、講師10名、事務5名、医師1名合計18名である。講師の外俸給は皆五高から出ている。その内の講師1名は県立熊本商業学校の教諭で他は第五高等学校、教授、講師、及び書記を嘱託としている。

生徒 本年度の入学志願者は153名でその中から選抜して給費生15名、私費生20名を入所させた。ここで入学許可者を資格別に列記する。師範学校出身者3名、中学校出身者30名、その他が2名である。これを年齢から見れば給費生の最高齢は22年10月、最低17年2月、私費生では21年5月、最低17年2月であった。退学者は2名で給費生1名、私費生1名。いずれも病気で現在33名である。生徒の図書閲覧の状況は創設の時から第五高等学校生徒と混同しているので統計に表出することは出来ないが、休暇中の図書貸出について挙げると夏休みが2人2冊、冬休みが3人4冊、春休みが5人9冊であった。

給与の至急状況は 大正15  ○○寅夫 年600円  月 50円   4590円  給費生徒 4500円となっている。  参考大正15年の年報より