漱石の「坊ちゃん」「猫」「行人」「明暗」等の漱石全集が愛読された。ここで愛読されたものでは全集物で世界、日本、近代劇、明治大正文学、長編小説等々で全集洪水であった。
作家では漱石、芥川龍之介、高山著牛石川啄木等で鶴見祐輔の「北米遊説記」沢田鎌之「ムッソリニ伝」等が読まれた流行作品は殆どなかった。
雑誌では中央公論、改造が最も多く文芸春秋、新潮が多かった。理科では科学画報、科学知識、「昆虫記」「自然科学体系」も多かった。
寮生の美的情操涵養の意味で花壇が完成されたが、四季美しい花に彩られて朝夕どれ程寮生の眼を喜ばせたか慰安を与えていたかこの花壇と共に園芸部が設けられたが、三年余りして部は廃止された。