リタイアした音楽家たちの暮らす老人ホームがイタリアにある。
作曲家のヴェルディが作ったそのホームを取材したドキュメンタリーを観たことがある。
穏やかな時と音楽が流れていたのを覚えている。
さて、そこと同じような老人ホームがあるこの映画の舞台はイギリス。
ここで暮らすプライド高き音楽家たちの暮らしはとても平穏とは言えない。
ただでさえ老人になるとプライドが高くなるのに、元々プライドが高いヤツらが老人になるんだからそのプライドたるや・・・
偉そうな元音楽監督だかプロデューサー?は怒鳴り散らしてるし、
現役時代の序列が生きてるみたいだし、
だけどここで暮らしている老人たちは全然ヘッチャラ。
これが妙にリアルで笑える。
私だったらここでの暮らしはとてもじゃないけど3日ともたない。
本物のプライドを持ち合わせていないからね。
映画の感想は『老いても人生をあきらめないこと!』
これは映画の力というより映画に出ていた音楽家の力かな。
この手の映画、きっと“心温まる人間ドラマ!”なんて書かれるんだろうな。
老いることは素晴らしい!とかね。
プロフェッショナルの凄みに心打たれ、
音楽の持つ力に心は浮き立ち、とても楽しんだけど
老いの残酷さに心は波立った。
登場人物のシシーやジニーがチャーミングであればあるほど残酷さは際立ち切ない。
それにしても
全篇流れるヴェルディやプッチーニのオペラから合唱、弦楽四重奏やジャズ、
最後のガラコンサートの音楽家たちの演奏の素敵だったこと!
主役のマギー・スミスのライバル役の「アン」の歌うアリアは圧巻
主役の4人に口パクさせなかったダスティン・ホフマンはさすがです。
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