頬袋日記

いまいち飼育法の確立されてない動物「ハムスター」に翻弄されっぱなしの「ニンゲン」の観察記録。

「ねずみ」達の最期。

2013-10-25 21:32:01 | 「ねずみ」のことについて
「ねずみ」たちはジャンガリアンハムスターの寿命と言われる年齢で一応亡くなりましたが、最期は必ずしもいいものではありませんでした。
先に死んだのは「ねずみ」の弟の方です。
同時に産まれたのになぜ弟かというと、「ねずみ」たちを同じケージに入れていた頃、いつもケンカで負けていたからです。

弟ねずみは別のケージに移され、ひっそりと過ごしていました。餌を食べようとすると兄ねずみにいつもいじめられるので、隙を見ていっぺんに食べ物を口に入れる癖がついていました。その癖は一匹で暮らすようになっても変わりませんでした。

ある早朝の事。
私は「ギギィ――ーーーっ!!」という、今までに聞いたことのないような「ねずみ」の鳴き声と、その直後に何かがドサ、と倒れるような音を聞きました。その時私は、恐らく弟ねずみが死んだのではないかと思いました。
不安でそっとケージを見ると、餌皿のそばに仰向けになって倒れている弟ねずみの姿がありました。

しかし私はそれを無視して学校に行ってしまったのです。
死んだということを家族に言うのが怖かったから。
親に怒られるとかそういうことは考えていませんでした。ただ、弟ねずみが死んだということを知られるのが怖かったのです。

私の次に弟ねずみの死を発見したのは父親でした。口の中に餌がいっぱいに詰まって死んでいたそうです。おそらく、食べ物を喉につまらせたのではないかと父は言っていましたが、定かではありません。
ただ、もしそうなら、私が誤った飼い方をしたせいで変な癖がついてしまい、死んでしまったのだと思います。私が殺してしまったようなものです。

兄ねずみはその後も生きていましたが、ある時、前脚の毛が抜けて皮膚が見える程になったことがあります。私は親に、動物病院に連れていきたいと思うと言ったのですが
「動物は病気になった時が死ぬ時なんだ。病院なんて連れて行くものじゃない。」
と言われてしまい、自力で何とかするしかありませんでした。
小屋を掃除し、床材を新聞紙からチモシーに変えたり、ビタミン剤を飲ませたりと、今思えば間違った努力の数々を重ねました。それでもなんとか兄ねずみの脱毛は治まり、元気になったように見えました。

しかしある日、学校から帰ると
「ねずみがもう死にそうだぞ」
と親に言われたのです。
最近は元気そうだったのになぜ?と戸惑いました。兄ねずみは餌皿の中でぐったりと、たまに体をひねるような動きをするだけでした。
私は兄ねずみが寒くないよう、ヒーターの側に寄せたりしました。余計なことをするなと親からの声が聞こえます。私が帰宅して様子を見始めて1~2時間経った頃、兄ねずみは完全に動かなくなりました。

弟ねずみは大体1歳半、兄ねずみは2歳手前くらいまで生きたかと思います。ハムスターは長生きしないものだからと、私達の中では「寿命」と片付けてしまっていましたが、今考えると明らかに間違った扱いをして死を招いています。

死んでしまった彼らに何もしてあげられないですが、せめて彼等のことを忘れないこと、そしてこれから預かる命も大切に育てていきたいと思います。

ハムスターを鳴かせる程度の能力。

2013-10-24 19:46:10 | 「ねずみ」のことについて
ハムスターというのは滅多に鳴かない動物です。
ハムスターが鳴く時というのは、ケンカをしていたりとか、激しく痛めつけられるとか酷い恐怖心を覚えた時のみで、無理やり掴むとかそういうことでもしない限りなかなか鳴く姿はお目にかかれません。
現に、ゴールデンの「こがね」は、薬を飲ませるときどんなに嫌がっても、鳴きません。3年間飼っていて、現時点で鳴いた姿を見たことは一度だけです。
その時もなにかしたからというわけでわなく、何故か冬の日の昼間に起き出して、

「ギー…キュッ」

と、2、3回繰り返して鳴いたのみでした。原因はよくわからなかったけれど、おそらく寒さに不満なんじゃないかということで、部屋の温度を上げたら鳴きやみました。

ところが、これほどまでに忍耐強い(?)ハムスターを、全く手を触れることなく大声で鳴かせる能力の持ち主が身近にいました。

それは、私の弟です。

高校生の頃、無知から同じケージで飼われていた「ねずみ」達ですが、ケンカを繰り返しジージーギーギー激しく鳴くのを見て、こりゃまずいと思いケージを新しく用意して分けて飼い始めました。それでもなぜか「ねずみ」たちは鳴くのをやめませんでした。ケージの位置がお互い近すぎるのか?と考えたりしたのですが、そうではなく、ある一定の時に限ってお互い激しく鳴くのでした。

ある一定の時とは…私の弟が通りかかった時、でした。

本当に何もせず、通りかかるだけ。激しい物音をさせるわけでもなく、そもそも普段は全くハムスターに関心がないので触ったこともないのです。にもかかわらず、弟がケージの近くに来た途端、「ねずみ」たちは敵意むき出してギーギージージーと鳴き出すのでした。

思えば、弟は野良犬には追いかけられるわ、猫を撫でようとすると毛を逆立てて威嚇されるわ、バナナワニ園ではワニの檻の前に立つと一斉に口を開けられるわ、挙句の果てにはペットショップの熱帯魚コーナーの淡水エイにまでぱくぱくと威嚇される始末でした。一体何が悪いのか。人間には好かれる方なのですが、動物にはものすごく嫌われるのです。

弟のお陰で、私は滅多に聞くことのないハムスターの鳴き声を、2年ほどさんざん聞かされることになりました。弟には、何か、悪い霊でもついてるんじゃないの?と疑いたくなりました。

子供時代に出会ったハムスター達のこと

2013-09-21 15:29:49 | 「ねずみ」のことについて
「ねずみ」…これが私達家族からハムスターにかけられた言葉でした。

私は子供の頃に、なんだかんだでトータルで4匹のハムスターを飼ったことがあります。
その頃は「ハム太郎」などが流行りかけた頃で、家庭だけでなく学校でハムスターを飼っていることもありました。
その一方で、ハムスターの飼い方はほとんど知られておらず、住処は金網ケージに裂いた新聞紙を入れるだけ。おもちゃ感覚のハウスを入れたりして、ハムスターがトイレを覚えたり砂浴びをする生き物だと知らない人もたくさんいました。「大好きなのはひまわりの種」という歌詞を信じ込んで、ひまわりの種しか与えず死なせる人もありました。

一番初めにお迎えしたのは寿限無くん。おそらくゴールデンハムスターの長毛種。
長生きして欲しくてつけた名前にもかかわらず、すぐにウェットテイルになり死んでしまいました。
同じペットショップから二代目としてお迎えした長助くんも、ウェットテイルを発症し、ある雪の日に擬似冬眠に入って亡くなりました。

ウェットテイルに罹った時のことをペットショップの店員さんに聞いても、「そういうのはヨーグルトを食べさせるといいですよ」くらいしか言ってくれなかったし、そもそもどういうものを揃えて何を食べさせたらいいか、こっちから聞かない限り全く教えてもらえませんでした。ただハムスターを売るだけ。これでは大人でさえ飼い方を誤ります。

数年後、よく行く美容院さんのハムスターが子供を産んだというので里親になることにしました。ここでジャンガリアンのオス2匹を引き取り、野晒しになっていた金網ケージを洗って、ハムスターを飼い始めました。
ハムスターは多頭飼いできるらしい、という知識だけで兄弟を同じケージに入れたせいで、やがて大喧嘩に発展しました。怪我はなかったものの、今思うとぞっとします。
彼らは特に名前を呼ばれず「ねずみ」と言われていました。

なんとか二年ほどで2匹とも天寿を全うしたので、少しは成長して飼い方もうまくなったかな?と勘違いしてたけど、やはり「ねずみ」としてしか接していなかった自分に情けなくなります。
いわゆる「虹の橋」が在ったとしたら、私はどんな目に遭ってしまうのだろう。