頬袋日記

いまいち飼育法の確立されてない動物「ハムスター」に翻弄されっぱなしの「ニンゲン」の観察記録。

ハロウィン。

2013-10-31 19:39:28 | 毎日のお世話…こがねの場合(ゴールデン)
昨日のお世話の様子をブログにあげたあと、こがねさんはものすごく苦しそうに呼吸をしていました。首を巣箱の入り口にもたげたまま、心臓の音に合わせて、パクパクと口を開けて呼吸をしていました。今夜が峠だろうか。この様子だと急いで病院に行っても、逆に体力を消耗させてしまうかもしれない。私はこがねさんの生命力に賭けるしかありませんでした。

朝四時。いつも通り薬を飲ませるために目を覚まします。こがねさんは、苦しそうではあるもののまだ息がありました。負担をかけないようにスプーンに薬を入れて舐めさせようとしましたが、舐めてもらえません。仕方なく、保定して飲ませます。逃げようとするものの、動きがかなり鈍っているため容易に捕まえられてしまいます。
どうにかちゃんとお薬が飲めたので、ご褒美に好物のサプリを手に乗せて渡します。こがねさんは手のひらの上の錠剤を頬袋に入れると、私の指の匂いを嗅ぎ始めました。やがて指を口にくわえようとしたので、そのまま見ていると、一気にガブリと歯を立てられました。一瞬にして指先から血が溢れ出してきてシーツを汚します。この時私はこがねにとって自分がどういう存在だったかを理解した気がします。

二度寝して日が昇る頃、薬も無くなってきたことだしやはり病院に行こうとこがねさんを連れて病院に向かいました。しかし、休診日でした。家を出る前に私が診察日をちゃんと確認していればとひどく後悔しました。
こがねさんをケージに戻して、餌皿、給水ボトルを巣箱にうんと近づけて設置しました。こがねさんは頭をもたげた姿勢のまま、巣箱の入り口に置いたブロッコリーを少しずつかじっていました。そんな状態でもトイレには起きてきて、よろよろと這うようにトイレに向かいます。用を足したあともよろよろと体を引きずって、時折転びながら巣箱に戻っていきました。



今夜は、ハロウィンらしいのでかぼちゃです。こがねさんは生のかぼちゃが大好きです。ふかしてしまうと、嘘のように食べなくなります。こまかく刻んだカボチャを荒く潰します。このサイズのすり鉢とすりこぎは100均でも入手可能ですが、ペットショップの場合、鳥のコーナーに置いてあることが多いです。



少しお湯を入れた餌皿にペレットを入れます。全く硬いものが食べられないわけではありませんが、食べることへのストレスを減らし、またふやかすことで香りを立たせ食欲増進につなげようと思いました。タンポポ、オオバコも一緒に入れます。



もうほとんど動けないはずなのに、ごはんの支度をしていると察して、こがねさんが出てきました。



お湯でふやかしたおかげか、ペレットのお皿にまず向かいました。一生懸命オオバコを口に入れていました。



カボチャを口に入れています。巣箱に持ち帰るつもりです。



なんだか、こんなに美味しそうにものを食べるこがねさんの姿を見るのは、随分久しぶりな気がしました。



今朝、病院から帰ってきたらどっと疲れて、まだ午前中にも関わらず昼寝をしました。そうしたらなんだか変な夢を見たのです。
私は今の家でやっぱり生き物を飼っていて、フクロモモンガと同じ金網のケージにジャンガリアンハムスターが2匹同居していて、あと一つ何が住んでいたか忘れてしまったけどやはり金網のケージがあって、そしてもう一つ、こがねさんのケージもありました。なぜかはわからないけど、今の衣装ケースではなくこちらも金網の中にいました。
私が「こがね」と呼ぶと、本当のこがねの姿とは似ても似つかないジリスのような焦げ茶色の大きな生き物が出てくるのですが、私はそれを見て「ああ、これはやっぱりこがねだな」と思うのです。

ジリスはハムスターと同じように地中に穴を掘って生活するといいます。
まだこがねさんがちゃんと生きているうちにこんなことを言うのはあれですが、もしかしたらこがねさんは生まれ変わったらジリスになるのではないかと思いました。
あと、フクロモモンガと同居していたジャンガリアンハムスター2匹…あれは、「ねずみ」たちなんじゃないかなと思いました。

本当に少し前まで、今日はどんな野菜を食べてくれるかな?と料理もしないのにスーパーに通うのが楽しみだったのに、まさかこんなに早く弱ってしまうとは思いませんでした。ペレットを食べなくなったのも、私が思いつきでいろいろ混ぜたからだと思っていて、もうペレットがなかなか食べられない体だとは思わなかったのです。薬を飲み続けていれば、一年とは言わなくても半年くらい、もうちょっと一緒にいられると思っていたのです。

もう、こがねさんは、後ろ足で自分の体を掻くことも出来なくなりました。一日というのがこんなに長い時間だと、今まで思ったことはありません。

テンポイント

2013-10-31 10:11:58 | 「どうぶつ」のことについて。
昔、テンポイントという名馬がいました。
天皇賞、有馬記念といった大レースを勝ち抜き、同世代のトウショウボーイやグリーングラスと並んで大人気を集めました。

しかし、テンポイントはレース中に脚を骨折してしまいます。皮膚を折れた骨が突き破るほどの大怪我で、安楽死させるしかないと思われていました。
ところが、安楽死をさせずに治療を望む声が多数寄せられ、一時は助命嘆願の電話で回線がパンクするほどになりました。その結果、安楽死はさせずに、できる限り治療をして延命させようという事になりました。

治療は困難を極めました。
折れた骨を繋げて固定するためのボルトは、テンポイントの馬体重を支えきれず歪み、自立が不可能となりました。やむを得ずテンポイントの体を天井から吊り下げる形で治療を続けたものの、テンポイントは次第にやせ衰え、500キロ近くあった馬体重は300キロを切るかというところまで落ちていたそうです。見た目は馬というより「大きな犬」という程になりました。
そして、最後には横たわらせて寝たきりの状態になりました。そして蹄葉炎という障害も併発し、亡くなりました。最後まで安楽死は行われず、自然死でした。

私は子供の頃「ダービースタリオン」という競走馬育成ゲームにハマっていて、そこからテンポイントの事を知りました。
「ダービースタリオン」というゲームは競走馬を育ててレースで勝たせる事を目的としたゲームなんですが、一定の確率でレース中に故障を発生し、「予後不良」すなわち安楽死となるイベントがあり、そのシーンがいかにも葬式然として辛いものがありました。

なぜ、馬は脚が折れると死んでしまうのか。
テンポイントの話を知っている人は、現状では治療が苦しみにしかならないことを知っています。
しかし普段競馬を見ないような人は、たまたま有名な馬が予後不良になったというニュースだけを見てショックを受けて、
「脚の骨が折れたくらいで殺すなんて可哀想じゃないか」
「レースに出られなくても牧場で飼ってあげればいいじゃないか」
というようなクレームを口にしたりします。
おそらくテンポイントの助命嘆願をした人たちもはじめはそう思っていたのでしょう。

「競走馬は脚が折れるとレースで使い物にならないから殺される」
これは大きな誤解です。
できるならもう一度レースに出してあげたい、せめて子孫だけでも残してあげたい、そう一生懸命に思って馬主側も最善の努力を尽くしているのです。
しかし、治らないものは治らないのです。
治らないものに無闇と人の手を加えても、苦しむ時間を長引かせるだけだと、テンポイントは身を持って伝えています。

なんでテンポイントの事をいきなり語りだしたかというと、日本のペットの立ち位置が変わってきていて、ペットが病気になったのは飼い主のせいだから滅私奉公しろ、という声が大きくなっているように思ったからです。
インターネット某所では、飼っているハムスターの様子がおかしいので看病をずっとしていたが、30分ほど目を離して家の用事を済ませていたらハムスターが死んでしまったという飼い主に対して、恐ろしいほどの非難が寄せられていたのです。
ペットの命が危ないという時に家の用事なんかするな、徹夜してでも看ていろというのです。

それはないんじゃないかと。
30分目を離しただけで消えてしまった命なら、もう助からなかったんじゃないかと。
仮に病院に連れて行ったからといっても、搬送中に亡くなっていたのではないかと…。

なんだか、事情も知らずに競走馬の安楽死を強く反対する人たちと被るのです。
病気になったらお医者さんのところへいけば治るよ、というのは、子供のうちに卒業しなきゃいけないことだと思います。
どうにもならない命もあるんです。
それを全て人間のせいにするのは愚かしいし、おこがましいとも思うのです。

せめてもう少しだけでも

2013-10-30 18:26:46 | 毎日のお世話…こがねの場合(ゴールデン)


餌皿を見てみると、ペレットを頑張って食べてくれたみたいです。しかし、こがねさんはぐったりと巣箱の入り口に頭をもたげ、明らかに具合が悪そうでした。ごはんの支度をしているとそっと出てきたのでお薬をあげましたが、口の中が溶けたペレットで汚れているように見えました。吐き下した形跡はなく、CR-LPFが溶けたもののようでしたが、注意が必要です。



ペレットはほとんどハムスターセレクションだけにしました。CR-LPFを数合わせ程度に混ぜて、そしてヘルシーハンドフルを一粒だけ。そしてオオバコとタンポポも盛ります。



ねえ、やさいは?



ねえってば。



ブロッコリーと、ほんの少しだけパセリを与えました。多少は足取り軽く野菜に向かうも、結局ほとんど口を付けずに巣箱に戻り、またぐたっと頭をもたげていました。



せめてもの救いは、尿の量、色ともに異常は見られなかったことです。



季節がだんだんと移り変わるに連れて、こがねさんの体調ががくがくと目に見えて落ち込んでいくのがわかります。おそらく、一年以上前から体を壊していたのでしょう。しかし知識のない私にはわかりませんでした。
たまたま空の給水ボトルをくわえ続けているこがねさんを見つけたから、病気のことが分かったに過ぎないのです。

ハムスターは病気を隠します。それは決して、飼い主を心配させたくないという思いやりなんかじゃなく、自分が弱っていることが知られたら真っ先に天敵に狙われるからというそれだけなのです。つらいとも苦しいとも言えず、ひたすら元気なふりをして耐えるしか術を持たない生き物、それがハムスターなのです。

完治する病でない以上、年齢的に、お別れはすぐそこなのです。

すごーく不機嫌な出来事。

2013-10-29 19:33:00 | 毎日のお世話…こがねの場合(ゴールデン)
ちょっと、かわいそうだけど…



お薬を飲ませる時の「保定」のシーンを参考までに撮影してみました。
仔猫などでもそうですが、親が子供を咥えて移動させる為に、ハムスターの首の後ろ側にはダブつきがあります。ただ、そこを引っ張るだけではお口を開けてくれないので、頬袋から引っ張るように、人間でいうところのフェイスラインをリフトアップさせるように指をスライドさせて、首の後ろまで持ってきて掴みます。
うまく行くと、口をぱかんと開けて、バンザイをしたような姿勢になります。
(故に、上の写真は悪い例)
保定して薬を飲ませるのは難しい上、ハムスターにもとても負担がかかるのですが、薬の量を正確に数えて投与できるというメリットもあります。今日は写真撮影にまで付き合ってもらって、こがねさんにはとてもストレスを与えてしまったので、ご褒美にシニア用のサプリメントをあげてみました。糖分が多いためあげすぎたくはないのですが、こういう時は特別です。



午前中に撮影した写真です。ハムスターセレクションを多めに入れたおかげか、ペレットをわりあいたくさん食べてくれたようです。



今日のお野菜はおやつさつまいも。皮ごと食べられるさつまいもだそうです。シリコンスチーマーでふかします。そして、久々登場のパセリ。



諦め悪くヘルシーハンドフルをちょこっと混ぜてます。与えずに賞味期限を迎えるよりは、食べ残してもらったほうがいいのだろうか?いや、ヘルシーハンドフルを抜いたぶん、多くのハムスターセレクションを与えたほうが喜ばれるのではないか?悩みどころです。
この上にタンポポとオオバコを混ぜました。

ごはんですよ!



ペレットも美味しそうなんだけど…



それより、初めてのおやつさつまいもに夢中!



ただ、こうして見るとこがねさん、背中の毛が薄くなっちゃったね…このブログを始めた頃は、まだ毛並みがつやつやしてたんだけど…なんか、淋しいなあ…。



今日は、とても不機嫌な出来事がありました。

以前、他のカテゴリで書いたように、夫の実家では猫を飼っています。特におにいさんは猫が大好きで、猫に関する知識も豊富です。
そのため、家を出て働きながらも、捨て猫を拾って飼っています。

ところが、そのおにいさんの猫を
「茶々丸が死んだらうちで引き取ってあげるわ!」
と、おかあさんが言うのです。



夫の実家のアイドル、茶々丸くん(16)。

なぜそんなことを言うのかというと
「兄ちゃんの部屋があんまり汚いからどうしようもない。」
「あんな汚い家で猫を飼えるわけないから引き取ってあげる。」
「猫の世話をする時間を片付けに回してほしい。」
…だそうです。
因みに、おにいさんは猫を飼うのが大変だから引き取って欲しいとは、一 言 も 、言ってない様子です。

私はそれを聞いて色々言いたいことはあったのですが、嫁という立場上大きな顔はできなかったので、ただぶすーっと膨れておりました。

おにいさんは知り合いのいないところに働きに出て、しかも娯楽もあまりない田舎で、元々趣味もあまり無いようです。そんな中、たまたま拾った猫が生活の癒やしになっているであろうことは容易に想像できます。
その猫を、他人から見てたまたま散らかっていると見える環境で飼育しているからといって、勝手に引き取ろうというのは、許されることなのだろうかと思いました。

おにいさんは読書家で、昔から部屋にたくさん物を置いていたそうです。
因みに、引っ越しの際に連れていけないからという理由で、学生時代ずっと飼っていた淡水フグを手放した事もあります。

更に言うなら猫の飼い方に対する知識もおにいさんの方が上なので、夫の実家で猫を引き取るのは、余計に良くない環境で飼育されることにならないかという懸念もあるのです。現に、今日も茶々丸は、晩ご飯のサンマの塩焼きを食べさせられていました。そして、家族からこう褒められるのです。

「茶々丸はほんとに可愛いねぇ~!お兄ちゃんの所にいるブサイクな猫よりずっと可愛いねぇ~!」

もしも私が、部屋が散らかってる云々でこがねさんを取られてしまったら、泣き喚く気力もなく、ただ蛆が湧くほどに部屋を汚れていくのをぼんやり眺めているだろう、そんな事を、こがねさんのお下がりのおやつさつまいもを食べながら、考えては悪口に昇華していくのでありました。


ひまわりの種はハムスターの好物なんかじゃないよ。

2013-10-29 16:47:27 | 食事のこと
こがねさんをペットショップからお迎えした時、店員さんから食餌について説明がありました。そのペットショップではペレット(ハムスターセレクション)と、お店のオリジナルブレンドのミックスフードを混ぜて与えているということでした。なので、はじめのうちはこの二つを混ぜて与えて、だんだんとペレットに切り替えてくださいと言われました。

ハムスター用のミックスフードと言う事で、当然のようにひまわりの種が入っていました。私はそれをさほど気にせずにペレットと混ぜてこがねさんに与えていました。
ところが、こがねさんはひまわりの種ばかり食べて、ペレットにはまるで見向きもしなかったのです。

これは困ったと思い、ペレットの割合を増やしてミックスフードと混ぜても、ひとつまみほどしかないミックスフードの方ばかりを食べるのです。お腹が空いているはずなのに、頑としてペレットを食べません。
結局、私は心を鬼にして、ミックスフードを与えるのをやめ、ペレットのみを与えるようにしました。ここでようやくこがねさんはペレットを食べてくれるようになったのです。

私の場合はなんとか食べてくれるようになりましたが、ハムスターの主食としてミックスフードやひまわりの種を与えていた人の中には、空腹でふらふらになっているにもかかわらずハムスターがペレットを食べてくれなかった、という掲示板の書き込みを見てぞっとしました。生き物であれば、ふらふらになるほどの空腹であれば、たとえそれが美味しいと言い難い食べ物であっても口にするのが自然だと思います。

そればかり食べて空腹でもペレット食べなくなる。

食べ続けることで肥満体になり、多臓器不全を引き起こし死に至る。

一度食べるのをやめても、差し出されるとまたやめられない止まらない。

…これ、もうほとんど麻薬ですよね。
クスリと一緒。

今でも多くの飼育本やハムスター飼育サイトで、ハムスターを慣れさせる際にひまわりの種をつかう、とあるのですが、今の私の目から見るとそれってクスリで人間を手懐けるのとどう違うんだ?と思えます。
ハムスターの好物を使って慣れさせるなら、ひまわりの種より栄養のバランスがとれていて食べすぎることのない、果物か野菜を与えるので十分ではないかと思います。

尚、ひまわりの種は脂肪分だけでなくナトリウムも多く含みます。故に、腎臓を悪くしているこがねさんには全くの毒物です。
腎疾患になりやすいゴールデンハムスター、肥満になりやすいドワーフハムスター、どちらにとっても毒にはなっても薬にならないのがひまわりの種です。

しかしながらFacebookやらTwitterやらで回ってくるハムスターの写真を見ると、ひまわりの種がこんもりと盛られた餌皿が写っているものが実に多いのです。
こういう誤解を生むもとになった『あの』アニメをちょっと恨みます…。