急に思いついて、クラシックギターを買った。
今までギターといえば、昔、誰かにもらった板の丸い穴の中に「Yamaha, No.80 Nippon Gakki」とプリントされた紙が貼ってある時代物のギターで、Am, Dm, C, A7くらいを覚えてボロンボロンやった程度。Fは人指し指で全部弦を押さえるということができず、そのコードのないやつを選んで弾いた程度だ。
始めた理由は、将来リタイアして日本に帰ったら、伊豆の温泉街近くに居を構え、夜な夜なギターの流しをやろうと思いついたわけだ。何故こう考えたか今でも分からない。
兎も角、そのNippon Gakki製ギターで日本人先生について週1回、40分程度のレッスンを取った(と言っても、しょっちゅう休むが)。若い茶髪の先生にナニを弾きたいのですか?と言われ、演歌を弾きたいので、先ずは「酒は涙かため息か」を習いたいと言うと、先生はどんな曲か聞いたこともないがといいながらも、楽譜を見せると流石先生。お金を取るだけのことはある。ちゃんと熱心に教えてくれた。
その後、うまく弾けないのは(自分のせいではなく)楽器のせいだと思い込み始め、ギターを買った次第。買ったのはTakamine Hirade TH5-C というモデル。近所にある大手ギター店のWebで、その店の全州のサイトをあたり、その結果テキサスの店で前記中古モデルを見つけ(値段と日本製というのが選択理由)、電話をして品質を訊いてみると「プレティ・グッド」とのこと。税金、送料を入れて〆て850㌦。もし、気に入らなければ近くの店に持ち込めば返品OKということで早速送金。
送られてきたギターを見てビックリ。ソフトタイプの新品ケースに入り、全て新品同様、ピッカピカ。音を調整する内臓のアンプ(?)の電池もナイロン弦も新品。いやぁ、アメリカにもこういう良心的なものがあるんだ、と感心した。
それは兎も角、驚いたことにネックに目印(名前は知らない)がない! Nippon Gakkiは 5,7,10,12のフレットにマークがあったのに、これには付いていない。早速、インターネットで検索してみると、世の中に同じようなことを訊く人が居るもので、直ぐに理由は分かった。 つまり、クラシックギターではそのようなモノはないとのこと。回答者の意見は、すごーく高い目線から「それは素人が必要とするもので、クラシックでは必要ありませんし、多分(「多分」ですよ)エレキやフォークなどでは使うのでしょう」ですって。
ま、そう言われてみればそうでしょうが、それではあまりにツレナイ。そこでネックにドリルで穴をあけ、釘でも打ち込もうと思ったが、それでは将来、転売するときに問題ありと思い、しばし黙考の末、考え出したのが「デコデン」で使うキラキラしたプラスチック製の宝石みたいなやつ。
早速、手芸店へ行ったらあるわあるわ。そのうちの片面ダイヤみたいなのが30個くらい入ったのを買ってきてネックに貼り付けたら、これが正解。5,7,10,12のフレットに緑、赤、ピンク、青の小粒宝石を貼ったら、これが簡単に取れず、そして見た目も(自分だけかも)ゴージャス。 先生からは10フレットではなく、9フレットに変えるように指導を受けたが、10の方が分かり易いのでそのままにしている。
しかし、面白いもので、友達の前で「酒は涙かため息か」を1分間30-40拍子くらいでポツラポツラとやったら、みんな白けてしまった。評価は「弾き方の下手は仕方ないとしても、その曲が遅れてる」ということで、皆を感動の渦に巻き込むことができなかったのは、腕ではなく曲であったかと思い至り、来週から先生に頼んで、ギターの名曲「禁じられた遊び」に挑戦することにした。
因みにインターネットで調べたら、「流し」というのはかなりハードな仕事だということが分かった。その道のプロの話では、先ず「店に入る許可」が必要で、次に「お客のリクエストを得る」こと。そしてリクエストがあったら弾けなければならない。その結果得る収入は1曲300円くらい。 それまでは、せいぜい「酒は涙かため息か」か「湯の町エレジー」くらいでいいかと思い込んでいたが、ロスに来てから30年近くなる。その間の曲なんて知る由も無い。「昭和は遠くなりにけり」だ。
今までギターといえば、昔、誰かにもらった板の丸い穴の中に「Yamaha, No.80 Nippon Gakki」とプリントされた紙が貼ってある時代物のギターで、Am, Dm, C, A7くらいを覚えてボロンボロンやった程度。Fは人指し指で全部弦を押さえるということができず、そのコードのないやつを選んで弾いた程度だ。
始めた理由は、将来リタイアして日本に帰ったら、伊豆の温泉街近くに居を構え、夜な夜なギターの流しをやろうと思いついたわけだ。何故こう考えたか今でも分からない。
兎も角、そのNippon Gakki製ギターで日本人先生について週1回、40分程度のレッスンを取った(と言っても、しょっちゅう休むが)。若い茶髪の先生にナニを弾きたいのですか?と言われ、演歌を弾きたいので、先ずは「酒は涙かため息か」を習いたいと言うと、先生はどんな曲か聞いたこともないがといいながらも、楽譜を見せると流石先生。お金を取るだけのことはある。ちゃんと熱心に教えてくれた。
その後、うまく弾けないのは(自分のせいではなく)楽器のせいだと思い込み始め、ギターを買った次第。買ったのはTakamine Hirade TH5-C というモデル。近所にある大手ギター店のWebで、その店の全州のサイトをあたり、その結果テキサスの店で前記中古モデルを見つけ(値段と日本製というのが選択理由)、電話をして品質を訊いてみると「プレティ・グッド」とのこと。税金、送料を入れて〆て850㌦。もし、気に入らなければ近くの店に持ち込めば返品OKということで早速送金。
送られてきたギターを見てビックリ。ソフトタイプの新品ケースに入り、全て新品同様、ピッカピカ。音を調整する内臓のアンプ(?)の電池もナイロン弦も新品。いやぁ、アメリカにもこういう良心的なものがあるんだ、と感心した。
それは兎も角、驚いたことにネックに目印(名前は知らない)がない! Nippon Gakkiは 5,7,10,12のフレットにマークがあったのに、これには付いていない。早速、インターネットで検索してみると、世の中に同じようなことを訊く人が居るもので、直ぐに理由は分かった。 つまり、クラシックギターではそのようなモノはないとのこと。回答者の意見は、すごーく高い目線から「それは素人が必要とするもので、クラシックでは必要ありませんし、多分(「多分」ですよ)エレキやフォークなどでは使うのでしょう」ですって。
ま、そう言われてみればそうでしょうが、それではあまりにツレナイ。そこでネックにドリルで穴をあけ、釘でも打ち込もうと思ったが、それでは将来、転売するときに問題ありと思い、しばし黙考の末、考え出したのが「デコデン」で使うキラキラしたプラスチック製の宝石みたいなやつ。
早速、手芸店へ行ったらあるわあるわ。そのうちの片面ダイヤみたいなのが30個くらい入ったのを買ってきてネックに貼り付けたら、これが正解。5,7,10,12のフレットに緑、赤、ピンク、青の小粒宝石を貼ったら、これが簡単に取れず、そして見た目も(自分だけかも)ゴージャス。 先生からは10フレットではなく、9フレットに変えるように指導を受けたが、10の方が分かり易いのでそのままにしている。
しかし、面白いもので、友達の前で「酒は涙かため息か」を1分間30-40拍子くらいでポツラポツラとやったら、みんな白けてしまった。評価は「弾き方の下手は仕方ないとしても、その曲が遅れてる」ということで、皆を感動の渦に巻き込むことができなかったのは、腕ではなく曲であったかと思い至り、来週から先生に頼んで、ギターの名曲「禁じられた遊び」に挑戦することにした。
因みにインターネットで調べたら、「流し」というのはかなりハードな仕事だということが分かった。その道のプロの話では、先ず「店に入る許可」が必要で、次に「お客のリクエストを得る」こと。そしてリクエストがあったら弾けなければならない。その結果得る収入は1曲300円くらい。 それまでは、せいぜい「酒は涙かため息か」か「湯の町エレジー」くらいでいいかと思い込んでいたが、ロスに来てから30年近くなる。その間の曲なんて知る由も無い。「昭和は遠くなりにけり」だ。