4月2日は原作はチェーホフ作のAnna round the Neck 、作曲:ヴァレリー・ガヴリーリンのアニュータを観ました。 2幕15場 2時間20分のバレエです。1986年のボリショイの初演から154回目の上演でした。
配役は
アニュータ:ニーナ・カプツォーバ (写真中央)
ピョートル・レオンチエヴィチ(父親):ヴラディーミル・モイセーエフ (写真右)
モデスト・アレクセーヴィチ(夫):ゲンナジー・ヤーニン (アニュータの後ろ)
アルトゥイノフ(大地主、舞踏会の相手役 写真 左):イリヤ・ルィジャコフ
学生(元恋人):リナット アフィフリン
閣下:アンドレイ・シトニコフ
娘:マリヤ・プロルヴィチ
三人のジプシー:アンナ・アントロポヴァ、イリナジフロバ、ナタリヤ・ノビコバ
主人公を演じたカプツォーバはこの役が当り役らしく過去も良く演じているようで小さな弟をかばうお姉さん、家族の為にいやいや結婚する娘、舞踏会で皆の注目を一身に集める女性とそれぞれの場面で自然な振る舞いを見せていました。
幕が開くと母親のお葬式でロシア正教の協会でバレエには珍しく祈祷の声がテープで流れ次には父親が自宅で呆然自失でロシア語でのセリフ(舞台ではくちぱくでセリフはテープで流れる)という始まり方です。これは元々このバレエはテレビ用に作られてそれが舞台に移された名残なのかもしれません。
一幕目は9場まであり場の変更は大変早いのですが大まかには筋は
母親が無くなって父親は酒浸りになり小さな弟と父を思うけなげな姉のアニュータが若い恋人の学生と別れ 泣く泣く小役人で小太り、はげの中年という若いアニュータには全くふさわしくないモデスト・アレクセーヴィチのところに嫁に行くが夫は金に厳しく全くアニュータの実家のSupportはせず。そんな中で閣下も参加する舞踏会で美貌のアニュータは男達の注目を一身に集めあろうことか閣下のお誘いを受け舞台中央奥の部屋に舞踏会から消える。その際夫は閣下が妻を気に入ったことに気を良くしてどうぞご自由にという態度を取り出世の引き換えに妻を売る。アニュータも閣下に気に入られて満更でもなく再び舞台に顔を出す時は酔っ払った状態の演技。
この結果 夫はST Anneの勲章を閣下から貰い出世。アニュータ、閣下、夫、取り巻きの軍人などがアイススケートリンクで大晦日に踊り明かす中を破産した父親が幼い弟2人を連れてとぼとぼ歩くという 好対照で幕。
肝心の踊りの方も 学生の恋人とアニュータが踊る場面で最後は後ろ向きに学生の肩の上に乗ったアニュータが恋人が中腰となるなかで舞台に足をつきそのままお互いに後ろ向きで別れるという印象的な場面があったり 最近悪役で良く見ているゲンナジが演じた小役人の夫がその中年の体型に似合わず身軽に回転したり ひょうきんな踊りを披露したり 芸達者なところを見せてくれ 舞台を盛り上げてくれました。この小役人の踊りにはそろばんを持ってひょうきんに踊る場面もありロシアの昔のそろばんはこまがたくさんあって(10数個?)日本の現在のそろばんとはずいぶん違いました。
1列目で1500Rubのバレエで余り聞いたことの無い演目だったので期待していなかったのですが中々楽しめるお得なバレエでした。
アニュータは、結局いけませんでした。
先日のgoldenの最前列の5000ルーブルの不本意感が
トラウマのように残ってしまって、めったにやらない演目に対して、慎重になっています。
商社マンさんのコメントを聞いてからにしようかな...って思ったりして。(ずるい)
お世話になっています!!
確かに白鳥より黄金時代が高いというのは初演のプレミアとしても一寸でしたよね。明日は飾り気なしという蝶々夫人のオペラ(最前列1500RUB)を見てみます。因みに日曜のザハロワのジゼルの最前列を持っているのですが出張で行けなくなり残念。これでも2500RUBですからね。黄金時代は高すぎますよね。