ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ローゼンタールの子供達-オペラー

2006年03月27日 | Weblog

この所全く意図的ではありませんが結果としてバレエばかりを見る機会が多くなっておりましたが久しぶりに昨日(3月26日)夜はローゼンタールの子供達のオペラを見ました。

カーテンコールの動画です。

1列目で500ルーブル(2000円)と格安。先週金曜の黄金時代のバレエが1列目5000ルーブルだから10分の1です。だからと言ってオケの質は変わりませんし舞台装置が手抜きというわけではありませんから飽くまで需要と供給のバランス上での価格設定です。

黄金時代の5000ルーブルは白鳥ですら4400ルーブルという設定から行くと今回は改訂版の初演というプレミア分で高い設定だったのかとも思われます。

さて肝心のオペラですがこれは昨年の3月23日初演の新作で今回で10回目の公演。10月30日にも当方一度見ておりその際は3階席だったので今回はじっくり見てみようという意図で1列目としました。2幕で2時間半。

Sorokinの原作にLeonid Desyatinikovが作曲したもので初演の舞台では観客が途中で怒り出して退席するという事態が起きた問題作。以前コメントのところに書きましたがこのオペラは兎も角音楽そのものが前衛というか不協和音の連続で聞いていて不安な気持ちになるという分野の音楽なのでこの音楽そのもので拒否反応を持つ人が多かったのではと思います。只そのような不協和音の音楽を聞きなれたのか10月の際はとても2幕まで見てられないと思ったオペラでしたが今回はそれなりに楽しめました。もしかすると余りに不協和音の連続で不評だったので多少聞きやすい様に編曲変えたのではと思われます。

又話そのものが著名な作曲家(Wagner, Tchaikovsky, Mozart, Verdi, Mussorgsky)を人造人間の技術で現代によみがえらせるという話なのでこれらの作曲家の信奉者から見ると冒涜とも取れる話です。

例えばWagnerはContraltoの女性が演じ 可也 情緒不安定の側面を見せますし、Mozartは娼婦と恋をして最後は娼婦の紐にみんな一緒に毒殺されるという結末です。但しMozartは元々 妻と愛人から4ヶ月に渡り水銀を食事に混ぜられて毒殺されたので水銀に対する抗体が出来ており今回の毒(塩化水銀)で唯一生き残るというオチとなっています。

更に1幕目の最後ではスターリン、フルシチョフ、ブレジネフ、アンドロポフ、ゴルバチョフ、エルチィンがtvで映し出されそれぞれが人造人間計画に関してコメントするという場面やソ連時代を思い出させる場面が多々あるのも今のモスクワっ子には受けないのではないかと思われます。

2幕目でMozartと娼婦タチアナの恋物語の場面は音楽もそれなりにLove Storyの音楽となり2人のデュエットなど聴かせどころがあります

指揮:Igor Dronov

出演は

ローゼンタール博士:Vadim Lynkovsky

Wagner :Yeugeniya Segenyuk

Tchaikovsky : Vitaliy Panfilov

Mozart : Roman Muravitsky

Verdi : Andrey Grigoriev

Mussorgsky : Valeriy Gilmanov

タチアナ: Irina Udalova

 

 

 

 

 



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