元杜重工

*あつめたりつくったり* 過去資料整理中
鉄道・船・マンホールの写真と艦船プラモデル・電子工作も少々

特別展 深海2017

2017年09月24日 | イベント
7月に始まった上野の国立科学博物館の特別展「深海2017」、10月1日が最終日なのでに行ってきました。

土曜・金曜夜は20時までオープン。もう会期も終わりの方、しかも天気も雨、なのでさほど混んでいないかと思いきや、チケットを買うのに20分ほどかかりました。

展示室内も大混雑。大きい展示は少し離れてみたいものですが、さすがに無理。しかしショーケース内の展示は人の流れに乗って進めば一通り見ることができました。なんだかんだで展示を一通り見るのに2時間弱かかりました。

第一章の「深海とは」では深海の高圧、低温、暗闇の環境を紹介。

だいだい知っている内容なのでそそくさと次へ。


第二章「深海と生物」

やっぱり深海といえば変な生き物の宝庫。ホルマリン漬けの標本と実際に撮影された動画や生態を紹介するCGに釘づけ。




ヘンゲブンブク科ウルトラブンブクとカンテンナマコ科ハゲナマコ
誰ですかこんな名前付けたの…。


顎が飛び出すことで有名な「ミツクリザメ」。英語では「ゴブリンシャーク」。
深海での食糧事情は大変ですからね。狙った(出会った)獲物は逃がさない肉食系、泥から有機物を得るナマコ類、海水中のプランクトンをろ過するホヤなど様々。

深海と言えば巨大生物も多く確認されています。代表格はやっぱり


ダイオウイカ
脚が切断されてしまっていますがそれでも人の背丈を超える大きさです。

さらに南極海には

ダイオウホウズキイカ
目撃例や標本がダイオウイカ以上に少なく、今回の展示はイギリス以外では初の公開だそうです。タコなのに吸盤にかぎづめがついています。


こういった深海の様子や標本を見ることができるのは、それを研究している人たちがいるから。その人たちの道具も展示されていました。


フルデプスミニランダー
魚類の世界最深映像(水深8178mで魚を発見)を撮影した実機が展示されていました。研究者の手作りでよく見ると手作業の跡があります。


こちらは東京・千葉の下町の町工場が中心となった「江戸っ子1号」
確か、大阪の下町町工場で製作された人工衛星「まいど1号」に対抗した名前だったかな…。


地球深部調査船「ちきゅう」1/100スケールの迫力の模型


第三章では東日本大震災をはじめとする災害の研究について


なんと東日本大震災の地震断層の実物が展示されていました。
途中の白い詰め物の部分は研究中につき取り出された部分です。冷蔵保存で展示。


こちらがコアを採取するためのドリルビット。

第四章は「深海と資源」
深海・海底の資源を探査する船の模型がありました。「新青丸」「資源」「白嶺」いろんな船があるんですね。

第五章の「深海と地球環境」をぬけるとスロープで第2会場へ。
その途中に音声ガイドも務めている深海生物好きで知られる「しょこたん」のイラストが展示されていました。きもかわいいとはこういうことか。

最後の第6章では「しんかい6500」のコックピットの模型が展示されていました。

この中に3人入るらしいです。人がようやく立てる大きさ。しかし模型のスケールが実物の2倍なので実際はかなり窮屈でしょうね。足がしびれそう。窓も本当に小さい。


というわけで大満足・大興奮の深海展でした。
ちなみに特別展のチケットで常設展も見られるので地球館をふらり。


大好物のミヤマカラスアゲハたちがこんなにたくさん。美しい。


さばんなちほー()


小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの砂も常設展示されているんですね。顕微鏡で1人1分観察できます。
映画のセットに使われた精巧な「はやぶさ」の模型もありました。

奥多摩駅から武蔵五日市まで歩いてみた その2

2017年09月11日 | 奥多摩駅から武蔵五日市まで歩いてみた
さて、奥多摩駅へ到着しぼちぼち歩きはじめるとしましょう。
時刻をメモしておきますが、目安。道がよいところはちょっと走ったりしたのでペース早めです。

バスの大行列を尻目に川沿いを下流方向へ進みます。信号を直進し橋を渡ってすぐ右側に登り口があります。


【8:36】登山道入り口
山頂に神社がある愛宕山を登り、さらに鋸尾根を進みます。

少し進むとあずまやがあり、広くなっている場所があるのでここでストレッチ。

つづら折りや石段を進んだ先に現れたのは最初の難関。

「急な石段187段」
地図にはそう書いてありましたが、確かにその通りで前を行く青いザックの人があの大きさですからこれはきつい。途中に踊り場もなく足を滑らせれば一気に下まで落ちてしまいます。
手すりにつかまりながら慎重に登り進めた後も岩だらけの急な斜面。それを越えると少々開けた場所に出てその先が愛宕山山頂と愛宕神社本殿の裏に出ます。

【8:58】
急な斜面を下りていくと舗装道との合流付近で鳥居をくぐります。こちらが参道の入り口なんでしょうね。逆走してしまいました。
駅の方からこの舗装道をたどって行けば愛宕山を迂回して階段も岩の斜面もよけることができるのですが、結構遠回りなんですよねぇ。

舗装道の続きで山へ向かう車が通れるくらいの道を進むと地図ではこの先も続いているはずですが、土砂崩落につき通行止めとなっていました。
通行止めの看板の直前の山道に入ります。鋸尾根を進んでいきます。


ホトトギスが咲いていました。花は数日の命らしいので見られたのはラッキー。

尾根なのでずっと登りかと思いきや、途中にいくつか急なピークがあり何度も上り下りさせられます。しんどい。
急な階段や鎖もありノコギリとはこの凸凹を言ったのかなどと考えてみたり。

【9:34】
地図には表記がない小さな分岐があり、どちらもすぐ合流するのですが標識には、

鋸山 鎖場を巻く←|→鎖場コース 足場悪し

まあ、普通なら左でしょうね。敢えて右へ行ってみると


ロッククライミングだよこれ。岩のみぞに鎖が一本。しかもみぞには木の根っこがのび不気味。

まあこんなところでくたばるわけにはいかず、おとなしく戻って鎖場を巻けばよかったものを岩場を突破。
なかなか経験できるものでもないですし。


地図によると標高1046.7mの三等三角点。
これを過ぎると御前山との分岐がありほどなくして


【10:19】
鋸山山頂1109m。木に囲まれなんも見えない。

ここから大岳山へ向けて尾根を進みます。


ちょっと変わった花が咲いていました。モミジハグマというそうです。


【11:20】
大岳山山頂1266.4m。それなりのスペースにお年寄りから子供まで結構人がいました。ベンチもいくつかありましたがすべて埋まっていました。
西側の視界が開けており晴れていれば富士山が見えるのですが、


・・・。

ここでお昼ご飯。
コースタイム4時間のところ3時間弱で来てしまいました。

【11:35】
大岳山を出発。


山頂から大岳神社方向へ降りる途中に見つけた花。近くで写真を撮っていて方によればレイジンソウ(伶人草)というらしい。伶人とは雅楽の演者でその人の冠に似ていることから名づけられたそうです。
トリカブトの仲間なので有毒。葉が似たニリンソウと間違って食べると危険です。

大岳神社の裏へ出ました。また神社逆走。その下のより大きい木造の建物が大岳山荘。休業中ですがトイレは使えるようです。


ここは御岳山方向と馬頭刈山方向の分岐。予定より早く来ているので御岳山も行ってみたいですが、体力が持たなそうだし五日市へ降りることが困難になるので予定通り馬頭刈山方向へ。
この尾根は眺めがよい場所が所々有るのですが今日は今一つダメですね。


【12:08】分岐
山頂から2つ目の分岐。ここで大滝方向へ下りるのが当初の予定でしたが、まだ余裕があるのでこのまま尾根を進むことにしました。

地図によればこの先が富士見台とのことですが、その手前に西側が開けていて眺めがよい場所がありました。ベンチもあります。

【12:13】ここで少し休憩


【12:20】富士見台。
さっきの場所の方が眺めがよい。あづまやがありました。「関東ふれあいの道」の一部だそうで看板がありました。

さらに進むと岩場があったりと下り道ですが、少々きつくなってきます。
突然視界の正面に巨岩が現れます。


【12:33】つづら岩
高さは10mはありました。登りがいがありそうです。


岩のそばでギボウシを見つけました。東北人にはウルイの呼び方のほうが馴染みがありますかね。


この尾根は眺めいいなぁ。


【13:11】鶴脚山(つるあしやま)916m


【13:25】馬頭刈山(まずかりやま)884m
三等三角点がありました。この辺りから見える富士山は国交省の関東の富士見百景に選ばれているそうです。
山頂の景色は特になかったですが、

キアゲハがいました。

ここからさらに下って高明山へ。もう体力が、、しんどい。
途中の谷で伐採されている場所があり関東平野がよく見えました。


滑走路と格納庫っぽいものが見えたけど横田基地かな。


高明山には高明神社があったそうですが、今は基礎と祠、石灯籠、鳥居のみが残されています。ここも裏から入る逆走。


【13:58】分岐
トレランの練習でしょうか、走って降りてくる人に追いかけられながらも坂を下り分岐まで来ました。ランナーは軍道へ向かって行きましたが、ゆ♨の文字につられ瀬音の湯へ向かいます。


へとへとになりながらも民家が見える位置まで降りてきました。製材所が見えました。
この吊り橋を渡れとのことですが、渡った先の荒れっぷりはこの日最大だぞ。まだ登るのか。


地図には標高点しか書いてありませんがこのピークは長岳っていうんですね。ここまできてなんでまた山登ってるんだよ、早くお湯につかりたい。


【14:36】下山。
駐車場に出ました。どうやらここが瀬音の湯らしいです。



物産展やレストランも併設した立派な建物。登山用の荷物置き場もありました。外の足湯は無料。
大人1回900円で内湯、露天、サウナが利用できました。透明ですが、あまりきつくない硫黄のにおいとヌルヌルのお湯はかけ流しです。
ここで一風呂浴びてリフレッシュ。

この施設のバス停から武蔵五日市駅へバスが出ていますが、一日6本と少ないです。少し歩いた十里木バス停は複数の系統が通るため毎時2,3本あるのでそこまで歩くことにします。


途中秋川渓谷を渡ります。川に飛び込む子供たち。


10分弱で十里木バス停につきました。屋根とベンチがあります。

まだバスが来なさそうなので駅の方へ歩きます。


十里木の次は地図には載っていない坂下バス停で、その隣の西戸倉バス停まで歩いてしまいました。
この道路、交通量はそこそこありましたし自転車もよく見かけました。


西戸倉>>西東京バス武蔵五日市駅行き>>武蔵五日市駅
時刻表で西戸倉16時ちょうど発のバスに乗りました。4分遅れでバス停にやってきました。
よく見ると増発便と書いてあります。10分ちょっとバスに揺られて終点へ。Suicaで195円。
ちなみに十里木からだと279円なので80円歩いた甲斐がありました。(手前の坂下からでも195円ですが)


【16:17】武蔵五日市駅
やっと着きました。10分くらいバスに乗りましたが、終点から終点まで歩くことができました。


きれいな駅ですが、今年の9月30日をもってみどりの窓口を閉鎖してしまうようです。
改札の中に登山者カード入れがありました。五日市から登るときはこれを利用すると便利ですね。
次の電車まで25分あるよー(絶望)と言うお客さんの声にここは都内なんだなぁと思ってみたり。


ホームのはじっこ、線路の行き止まり。


武蔵五日市16:48>>特別快速ホリデー快速あきがわ4号東京行き1680H>>立川17:22
帰りもホリデー快速です。五日市線内は各駅停車。

行きと同じく拝島でおくたま号と連結。このときはあきがわ号が先にホームで停車しているおくたま号にゆっくり接近して連結しました。

【17:22】
無事に立川まで戻ってきました。

ここで15分ほど同じホームで待つとこんなのが来ました。

立川17:37>>ホリデー快速富士山2号新宿行8570M>>新宿18:06
もう数少ない国鉄特急189系。富士急行線の河口湖駅からの快速電車です。6両編成の内最後尾1両が指定席で残りは自由席です。
せっかくなので乗車。次の停車駅三鷹で降りる人がいるおかげで最後の一駅新宿まではリクライニングに座ることができました。
この車両もいつまで持つかなぁ

というわけで無事に帰ってきましたとさ。
ペースが速すぎたのもありますけど今回の行程はちょっとハードすぎましたね。


おしまい。

奥多摩駅から武蔵五日市まで歩いてみた その1

2017年09月10日 | 奥多摩駅から武蔵五日市まで歩いてみた
9月になりましたね。週末晴れてお出かけ欲が高まってきたので前々から少し考えていたことを実行しました。

東京都内のJRの駅で行き止まり(線路の終点で鉄道乗り換えもない)駅が2つあります。

一つは青梅線奥多摩駅、もう一つは五日市線武蔵五日市駅。

どちらも東京都西部の山地の中を西へ進む路線です。どっちも乗ったことないんだよなぁ。

どちらの駅も行き止まりなので行ったら戻ってくるほかなく、おまけに駅同士の距離は直線で14.6km、間には1200m級の山。
しかし武蔵五日市側はバスがあるので最短のバス停までなら直線で8.7km。頑張ったら歩いて突破できるのでは?という登山計画が浮上。


Googleマップで測るとこんな感じ。

とりあえず地図を購入。昭文社の「山と高原地図・奥多摩」1000円也。今後この記事で地図と言えばこれを差すこととします。
都心から電車で1本と近いため人気のエリアでかなり登山道が整備されているようです。標高2017mで今年話題の雲取山もこのあたり。

検討の結果
奥多摩駅→鋸山→大岳山→大滝→上養沢バス停→武蔵五日市駅
が最短かつ比較的楽そう。

地図上のコースタイムは大岳山まで4時間+バス停まで2時間弱。距離はざっくり12km。
コース中の最高地点の大岳山(おおだけさん)は標高1266.4mで200名山のひとつ。地図中では雲取山が百名山でそれ以外では大岳山が200名山、三頭山が300名山となっています。ちなみに大岳山、御前山、三頭山を「奥多摩三山」と呼ぶそうです。
なんか登りがいがあると思いませんか。

というわけで行ってみました。



早朝の立川駅。左上に中央線から分岐しているのが青海線。


立川7:15>>ホリデー快速おくたま1号奥多摩行き625H>>奥多摩8:21

土休日のみ運転のホリデー快速おくたま号に乗車。新宿駅始発の特別快速です。
立川駅からは青梅線に入り、



五日市線との分岐駅の拝島駅で4両と6両に切り離し。
前より4両はあきがわ号で武蔵五日市へ、後の6両がおくたま号で奥多摩へ向かいます。あきがわ号が先の発車です。
切り離しのためおくたま号は一度扉を閉めちょっと後退。

青梅駅を過ぎると山に囲まれた川沿いを進んでいきます。
途中軍畑駅手前で高い鉄橋を渡ります。その車窓はこれ。

トレッスル橋と呼ばれる鉄櫓を橋脚にした橋で山陰本線の(もうありませんが)余部鉄橋が有名でした。現在は11か所存在します。
まあ車窓からは良く分からないのでいつか外から眺めてみたいものです。


【奥多摩駅】8:21着


電車とホームの隙間がすごいよ。これを突破できなければ奥多摩の山に入ることなど到底出来ぬということか。


ホーム突き当りの行き止まりの車止め。となりは石灰の工場。


奥多摩駅駅舎。
ここから奥多摩湖方面など各登山口へバスが出ており、バス停は大行列でした。山登る前から大変だ。

******

さて初めて青梅線に乗ってみたのですが、これとなんとなく似た路線が仙台にもあったなあと回想。
ちょっと比較してみよう。

JR青梅線 VS JR仙山線

突然現れたのはJR仙山線(せんざんせん)。仙台と山形を結ぶ路線で私のお気に入り。調べてみると結構似ている。

・青梅線:立川駅~奥多摩駅 25駅 37.2km 電化 一部複線
一部は立川から先、中央線に直通運転。
・仙山線:仙台駅~羽前千歳駅 18駅 58.0km 電化 単線
羽前千歳から山形まで直通運転。
 →仙山線の方が距離が長いけどここまでは大差なし。市街地では駅間隔が狭く途中駅で折り返す列車があることも一致する。

・青梅線は多摩地域の通勤輸送と奥多摩への観光輸送
・仙山線は愛子などからの通勤輸送と作並、山寺への観光輸送、仙台―山形の都市間輸送
 →仙山線は山脈を越え県を跨ぐ点で違いますね。

運転本数は青梅線がラッシュ時10本以上に対し、全線単線の仙山線は4本が限界。共に快速運転有り。4~6両編成がメインという点でも同じ。
車両はE233系とE721系でどちらもその地区では最新。

青梅線ではクリップ式枕木や無人指定席券売機の先行導入試験が行われ、仙山線は国内初の交流電化やテルミット法によるレールの溶接が初めて行われるなどどちらも実験台にされてきた。

おまけに前述の日本に11か所しかないトレッスル橋は1つは青梅線、3つは仙山線にある。

仙山線の熊ヶ根鉄橋

ただ車窓の面白さは仙山線の方がいいかなぁ。
それぞれ多摩川と広瀬川沿いを走るが、青梅線は川が遠くあまり見えない上に一度も渡河しない。対して仙山線は上の写真の熊ヶ根鉄橋も含め3回渡る。
青梅線も探せば何かあるかもしれないが、少なくとも仙山線からは滝や山寺の開山堂、一瞬だが太平洋も見える。沿線に田んぼが広がるのも東北ならではかもしれない。山間部では駅間が長いためかなりスピード感が楽しめる。そして全長5kmを超え通過に4分かかる長大トンネルも特徴だ。

というわけで仙山線がお気に入りであることは変わらないのだが、青梅線もなかなかだ。アクセスの良さや変な理由で運休しない(笑)のもいいなと思う。


というわけで楽しく奥多摩駅まで来ました。ここから登山開始ですが、つづく