貧者の一灯 ブログ

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妄想劇場・THE ライフ

2021年06月10日 | 流れ雲のブログ










歌:児島未散
作詞:魚住勉:作曲:馬飼野康二

昨日から 降りつづく雨の日は
読みかけのページから続くよに
名も知らぬ 街角へ旅をする
だれか悲しい恋を忘れさせてほしい
あなたの傷あと 痛むから
※謎めいた女と男達が ふりかえるよ
だれよりも 寂しい愛のジプシーよ※












父親として早く認められたい-。昨年8月、20~40代の
男性7人が、テレビ電話を使いオンライン上に集まった。

いずれもシングルマザーと再婚するなどし、血のつながら
ない子供と暮らす。いわゆる「ステップパパ(養継父)」たちだ。

この日、テーマにあがったのは
「本当のお父さんじゃないくせに」という子供からの言葉だ。

「血のつながりがない分、いい父親になろうと何年も努力した。
それだけにショックだった」。

18歳の長女から実際に言われたという男性が語ると、
別の男性も「心の準備はしていても、いざ言われると平常心
ではいられないかも」と不安を吐露した。

暗い雰囲気になりすぎず、ときに冗談も言いつつ、ざっくばらん
に自身の経験や素直な思いを語り合う。

いずれも悩みの根底には、家庭内で理想とする父親としての
居場所を切実に模索する純粋な思いがある。

殺害の動機

この集まりは、横浜市の会社員、押田一平さん(33)が
一昨年に立ち上げた「ステップパパの研究会」。

同じ境遇の父親らが、オンラインやカフェなどに10人
ほどで集い、交流する。

押田さん自身はシングルマザーと結婚し、血のつながらない
10歳の息子を育てている。

立ち上げたきっかけは、さいたま市見沼区で一昨年9月に
起きた小4男児殺害事件だ。

殺人容疑などで逮捕された継父(33)は
「『本当の父親じゃないのに』と言われ立腹した」と、
動機を語ったとされる。殺害された男児は、押田さんの
息子と同い年だった。

思えば、「お父さん」と息子から呼んでもらえず理想との
ギャップに苦しんでいたとき、身近に相談できる相手は
いなかった。

似た悩みを抱える父親と、互いの経験や悩みを共有できる
場が必要だと感じた。

検挙者の3割

シングルマザーと結婚し、血縁関係のない養継父らが虐待
事件を起こしたとき、世間で「またか」「血のつながりがない
から…」という印象で語られることがある。

ただ、厚生労働省によると、平成30年度に児童相談所が
対応した虐待の加害者のうち、養継父母はわずか6%。
最も多いのは実母で全体の約50%、次いで実父が約40%
だった。

血縁のない親子関係がある家族(ステップファミリー)の
全世帯における割合を示す統計がないため単純にはいえ
ないものの、虐待全体に占める養継父の割合は特別に
多いわけではない。

一方、ステップファミリーに潜むリスクを暗示する数字もある。

警察庁によると、同年の児童虐待事件での検挙者1419人
のうち、養継父と内縁関係の父の合計は実母を上回る
計393人。

全体の約3割を占め、養継父らによる虐待が深刻化しやすい
傾向も浮かび上がる。

また、一昨年1年間に離婚した夫婦は約21万組に上り、
30年前と比べ約5万組増加した。

また同年の婚姻のうち、「夫婦ともに再婚」と「どちらか一方が
再婚」の割合は合計約27%。

ここ30年で10ポイント近く増加しており、ステップファミリーの
割合は増加傾向にあるとみられる。

友人関係から 「血縁の有無が虐待リスクを生むのではない」

「ただ、継父が無理に『実父』になり代わることを望むと、
虐待の危険性が生まれる」と話す。

一方的に父親を目指しても、子供は簡単には受け入れ
られない。結果として理想とのギャップを許せず、「しつけ」が
過度に厳しくなる構図に陥りやすいという。

無理に父親になろうとしない継父が、子供と良好な関係を
築きやすい傾向にあるとし、「血のつながらない子供とはまず、
友人のような関係から始めるのがいい。

父親と認めてもらえなくても、子供にとって身近な大人の友人
は心強い存在になる。『普通の家族』にこだわらないことが、
ステップファミリー独自の強みにつながる」とする。

養継父は、父親として受け入れられるべきだ-。

こんな考えが世間には蔓延(まんえん)する。だが、
ステップファミリーを父と母のいる一般的な家庭に当て
はめただけの常識は、ときに子供を虐待の危険にさらす。

子供が幸せに暮らせる家庭には、いったい何が重要なのか。
固定観念を捨て、改めて考える必要があるのかもしれない。
・・・・














赤ちゃんの夜泣きにほとほと疲れ 近所迷惑になるから
家にいるのもできず、子をおんぶして明け方近所の橋まで
歩いて行った。

眠いなー重いなーでも歩いてると寝てくれるなーと
ぼんやり橋から景色を見ていたら
近くにスーッとタクシーが停まった。

窓が開いて運転手に手招きされるまま近寄った。
もしかして飛び込むと思われた?と言い訳を考えてたら、
暖かい缶紅茶を差し出された。

『夜泣き?大変だよなぁ。
うちの奥さんもよく朝方散歩してたから。

でもほら、いい顔で寝てるよ。
母親の背中は気持ちいいんだな。

あなたも無理し過ぎないようにね。
今が過ぎれば必ず落ち着くから』

目を細めて微笑みながら子を眺め、
お礼を言うのが精一杯の私に頷いて去って行った。

おっちゃん、ありがとう。
紅茶が染みるように美味しくて、
いつもより穏やかな気分で夜明けをみれてる
私がいた。

私もいつかだれかに同じように返せたらいいな。




留学が決まって、異国に旅立つ日の朝に乗ったタクシー

タクシーの中で半泣きになってる私に、運転手さんが
色々と話しかけてくれて これから留学すること、語学に
自信がなく 不安なことを言ったら

『あなたの親御さんもね、きっと今頃、同じくらい心配で
泣いていると思う』『でも泣いてたってどうにもならないからね、
いっぱい勉強して帰っておいで』

そう言われて、なんか吹っ切れて気持ちが晴れた。
『朝一番に乗せたお客さんで、その一日を占ってるんだ。
今日はいい日になりそうだよ』とも言ってくれた。

試験で辛い時、色恋で揉めて日本に帰りたくなった時、
そのことをいつも思い出した。

あの運転手さんのおかげで、親に泣き言を吐かずに済んだ。
もう一度お会いできたら心からお礼を言いたい。

別れる男に、花の名を1つ教えなさい。
花は毎年必ず咲きます。 ......
枯れない花はないが、咲かない花はある......。
・・・







木下さんが、とあるハンバーガーショップに入ったときの話。  

その日は結構混んでいて、三つのレジに列が出来ていた。
木下さんは前から3番目に並んでいた。

バイトの女の子が「店内でお召し上がりですか? 
お持ち帰りですか?」とお客さんに聞いている。
どこのハンバーガーショップでも見られる光景である。   

何を食べようかと考えていた木下さん、ふと前のほうが
騒がしいことに気がついた。

一番前の男性の声が怒鳴り声になったからだ。

どうも注文した商品の一つを入れ忘れたようだ。  
男性は「何しとんねん。トロイんじゃ、お前。もうエエわ」
と怒りをあらわにし、商品が入った紙袋を奪い取るよう
にして店を出ていった。

その後ろ姿に向かって、バイトの子は「申し訳ありません
でした。すみませんでした」と何度も頭を下げていた。
一瞬にして店内の空気が刺々しくなった。  

2番目に並んでいたのは70歳くらいのおじいちゃんだった。
バイトの子は、今にも泣きそうな顔だったが、無理やり
作った笑顔で、「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がり
ですか?」と、何事もなかったかのように接客した。  

おじいちゃんは静かな声で言った。  

「お姉ちゃん、エラいなぁ。世の中にはさっきの人みたいに
自分の思い通りにならんかったら怒鳴り散らす人がいる。
あの人もなんか急いどったんやろう。

あんなこと言われてあんたの心はもうズタズタのはずや。
にもかかわらず次に並んどるわしに笑顔で接客してくれた。

わしにはあんたくらいの孫がおる。あんたの笑顔を見て、
その孫を思い出した。

これから孫に連絡を取ろうと思う。いや、ありがとう。

その言葉を聞いた途端、堰を切ったようにバイトの子の
目から涙が溢れ出した。ワンワン声を上げて泣き出した。
しばらく涙が止まらなかった。

横のレジに並んでいた中年の女性が声を掛けた。
「あんた、本当にいいお仕事してるわよ」  

刺々しかった店の雰囲気が、一瞬にして和らいだ。  
言葉なんだなぁと思った。

何の関係もない間柄でも、たった一言で、一生忘れられ
ない人になる。

言葉には、言語としてだけではない、何かすごい力があるんだ
と思う。そんな言葉を発する人になりたいものである。  
……