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I wish they all could be

2016-09-22 23:35:46 | 詩とか

書かなければならないことが溜まっている。

けれども、一向に書く気が起きない。

 

特に書きたいこともない。

これといって変わった出来事もない。

 

でも、とりあえず書いておこうと思う。

 

 --- 

 

仕事を辞めてしばらく経つが、毎日楽しく過ごしている。

不安は特にない。

 

悩みがないのが悩みだと、人には言うことにしている。

 

けれども、自由になったという実感もない。

ちょうど大学生の長すぎる夏休みが自由でないのと同様に、僕の獲得したモラトリアムも自由ではない。

キリンやライオンは、檻から飛び出しても自由になれない。

時間はいつも、刻一刻と流れている。

割れた花瓶は、元には戻らない。

そういうことだ。

 

ただ、風を感じることができるようにはなった。

変化といえば、それぐらいだ。

 

時間があればダラダラやるし、時間がなければテキパキやる。

時間がなさすぎる状況に陥るほど要領は悪くないし、何がやりたいか分からなくなって気を病むほど精神が脆弱でもない。

お金があれば家賃が上がるし、お金がなければ家賃は下がる。

仕事があろうがなかろうが旅には出るし、村上春樹の文庫本は大抵の古本屋で買うことができる。

ウイスキーはどのみち、チビチビしか飲めない。

 

何も変わらないのだ。

時間もお金もそれほど大事な要素ではない。

 

時間をお金で買うなんて言っている人は、多分何も分かっちゃいない幸せ者だ。

 

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話を戻そう。

自由についてだ。

 

仕事を辞めても自由にはなれない。

時間があっても、お金があっても自由にはなれない。

 

けれども、時間を止めることはできる。

少なくとも、時間を止めても差し支えがでないぐらいには。

 

だから、僕は日の明るいうちから風呂に入り、本を読む。

体が熱くなり、額が汗ばんでくるまで本を読む。

風呂から上がり、体が冷えてくると、まずまずなコーヒーを作り、また本を読む。 

少しだけ、時の流れを止めるのだ。

 

だから、僕はまた旅に出る。

北へ行き、東へ行き、西と南の間に行く。

気が向けば、日記でも書く。

 

チャラチャラした文章が書けるうちに、たくさん書いておくのだ。

 

 

イーストコートの娘はイカしてる。

ファッションだってご機嫌さ。

南部(サウス)の女の子の歩き方、しゃべり方、

うん、ノックダウンだね。

中西部(ミドルウエスト)のやさしい田舎娘、

ハートにぐっときちゃうのさ。

北部のかわいい女の子、

君をうっとり暖めてくれる。

 

素敵な女の子がみんな、

カリフォルニア・ガールならね……。

 

California Girls (村上春樹『風の歌を聴け』より)

 

Q.E.D.


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