Mouton lab

Thai Paris Cairns Chendeu Siem reap

Asking for the moon

2015-02-28 22:28:54 | Thai Trang

半休息日。

機材チェックのため山上観察はお休みで、みんなでぞろぞろと近場の浅瀬へ繰り出した。

どこまでも広がる遠浅の海で生物採集。やっぱり楽しい。

でも、こういうコアなコミュニティーにいる時、自分はただ漠然と海とか動物とかが好きなだけなんだ、ということをはっきり思い知らされる。

そういったものがなくても、少し淋しいぐらいで生きてはいけるし、むしろずっとやっていろと言われたら苦痛を感じるかもしれない。

山と海だったら海、動物と植物だったら動物。

好きはその程度の「好き」であって、たまには山にも植物にも関わりたいと思う。

コーヒーは好きだけど、別に紅茶が嫌なわけではない。

本当に好きというのは、「お前一生それだけやってろ」と言われて「はい、喜んで!」といえるぐらいの、ある種病的な「好き」のことなんだろう。

 

ふらふらと日常を過ごしていると、自分に向いていて、自分の大好きなことを、自分の思うように精一杯やっている人に時々出会うことがある。

そして、いつも複雑な気持ちになる。

少し辛く、少し羨ましく、少し嬉しい。

その人が最もキラキラと輝く瞬間とその人にとっての幸せが、間違いなくそこにはあるからだ。

彼らにも葛藤とかは不安はもちろんあるのだろうが、本当に好きで才能のあることに全力で取り組めていることは、たとえそれが何であれ、とても尊いことだと思う。

そのままで在り続けて欲しいと思う。

本当に好きなものが見つかっていない人、見つかっていても才能に限界を感じている人、才能があっても他のことに時間と労力を取られてしまう人が世の中の大多数なのだから。

本当に好きなことを見つけるのですら、とても大変なのだから。

 

今の僕にはそれがない。

好きなものはたくさんあるし、これからもたくさん増えればいいなと思っているけれど、本当に好きなものはまだ見つかっていない。

だから今できることは、そういうものが見つかった時に全力で取り組めるように、できるだけ妨げとなりそうな問題を解決しておくことだと思う。

そして、そういうキラキラした人たちとの出会いを大切にし、何かできることがあれば遠慮なく力を貸すことだと思う。

きっと、いつかどこかで自分にもそういう瞬間がくると信じて。

 

Q.E.D.

 

これぐらい光があると光合成できそう

 

確か変な名前だった、、

 

ヤドカリはよく見るけど、生きているのは珍しい

 

beautiful

 

ジブリ感がすごい

 


それでも男たちは頂を目指す

2015-02-27 22:54:12 | Thai Trang

雲ひとつない青空。灼熱の太陽。今日も調査は続く。
風があり涼しいと感じたが、最高気温は38℃。ダメージはしっかりと体に蓄積されていく。

今日はメンバーに若干の変更があり、観察チームは全員男。今回の調査では初めてだ。
それに対して何の違和感もなく、なんなら若干の居心地の良さを感じている自分が少し可笑しかった。

ここ何年かで、異性がいてもいなくても、自分の立ち振る舞いとか行動はそこまで変わらなくなったのだけれど、男だけだと何というか、すごく楽だ。
チームの雰囲気はがらっと変わるわけではないのだが、気持ち穏やかになる。

部活でもマネージャーがいるときの方が楽しくてやる気がでるものだと思っていたが、男だけの遠征もそれはそれで面白く、心休まる時間だったなぁと今になって思う。
女子がすぐ女子会をしたがるのとは、また少し違うのかもしれない。

顔に少し笑みを浮かべながら、ポツポツとしゃべり、あまり間が空いても気にならない。
その雰囲気が懐かしく、好ましかった。

男は男だけの方が実は穏やかで優しいと思う。
異性がいると、無意識的に無理してしまうのが男の性(さが)なのかもしれない。

女は女だけの方がよくしゃべり、人の噂話に終止し、スイーツを好み、待ちに徹する。男はその逆。

そう思いこんでいたのだが、結局港のカフェでアイスを食べながら、「女は怖い」という話でいつもより盛り上がり、他チームの帰りを待つという、男らしさのかけらもない時間になってしまった。

Q.E.D.

 

 崖の裏の景色

 

 観光用の展望台。こんなところから観測できたら毎日山を登っている我々の立場がない

 

 新しいルートはもはやただの崖だった

 


The Eighth Day

2015-02-26 23:12:23 | Thai Trang

朝少し早起きしてみた。蝉の羽化を見るためだ。

いつも朝7時ぐらいになると、もの凄い勢いで鳴き始めるので、6時ぐらいに行けばもしかしたらと思い、外に出てみた。

ドアを開けるとあたりは暗く、そしてひっそりしている。1時間違うだけでこれほど変わるなんて。

手当たり次第、色んな木を見ていると、抜け殻はたくさんあるものの、蝉そのものは見つからない。歩けど歩けど見つからない。

そうこうしている内に段々明るくなってきて、どこからともなく蝉が鳴き始め、観察終了。
やはり羽化をしている個体はそうそう見れるものではない。


蝉は何年もの間、地中に潜んでいて、やっと地上に出てきたかと思うと、一週間でその生涯を終える。

我慢して我慢してたどり着いた華やかな舞台で、思いきり羽を伸ばして生きるのだ。
羽化するのは晴れ舞台への階段。この瞬間が神秘的で美しいと言われる所以だろう。

鳴くときも全力。蓄えてきたエネルギーをここぞとばかりに解放する。
ライバルにも負けていられない。

いつからだろう、そんなことを考えていると、蝉がいくら鳴いていてもうるさいなぁと思わなくなった。
うるさいのは蠅だけで十分だ。

セミの寿命にもばらつきがあり、地上で一週間生きられないものもいれば、8日生きるものもいる。

みんな7日間で限界を迎えて死んでいくのに、8日目に突入した蝉の体はきっとボロボロだろう。うまく大きな音で鳴けないのかもしれない。
それでも懸命に最後まで鳴き続ける蝉は一体何を思っているのだろうか。

スポーツの世界で、何度契約を打ち切られても、体がボロボロになっても、最後の最後まで現役でプレーする選手たちがいる。
彼らのようにいつまでもストイックに餓え続けているのだろうか。

イチローは50歳までプレーする理由を問われた時に「苦しみが足りていない」と表現していた。蝉の中にもその領域に踏み込んでいるものがいるのだろうか。

日の出を待ちながら耳を澄ませていると、心なしか元気に鳴く蝉たちに混じって遠慮がちに鳴く8日目の蝉の声が聞こえた気がした。

Q.E.D.


 



流行りのスポットらしい


 



なかなか日が昇らない


 



アイフォンを落としたと聞き、捜索活動が始まる。優しくて屈強な異国の男たち。


 


着岸10人待ち

2015-02-25 23:53:20 | Thai Trang

船が速度を緩め始めたので、そろそろ起きるか~と思っていると、ガーンと軽い衝撃。
少し船内が騒がしくなる。

どうやら座礁したようだ。

遠浅の海で満ち引きが激しいので、船底は座礁してもいいように平らになっている。
なので、特に問題はない。マイペンライ。

横を見ると、別の船も座礁していた。

ただ、岸まではざっと100m以上。浅いと言っても水の中を歩き続けるのは結構しんどいし、安全上もあまりよろしくない。

「サーンシップナーティー?(あと30分待ってみる?)」

うーん。それも微妙。どうしたものか。

とりあえず船を傾けるために全員船主に集まってみる。船長がエンジンを全開に。

ものすごい音。そして、、、動いた!

いつもの場所までは行けなかったものの、なんとか崖の麓に着岸成功。

誰か特別リーダーがいるわけでもなく、船長が指揮をとるわけでもなく、物事が解決していく感じが好きだ。

山頂では2時間で5回も個体の姿が見えた。尾びれまでくっきり。
今日はなんだかいい夢が見れそうだ。暑いけど。

Q.E.D.

 

 

ここから歩くのはちょっと

 

 

崖の下が侵食されている。崖が落ちてきそう。

 

 

潮が一気に引いて船が取り残されていた

 

 

今日は最高気温が39℃。紫外線指数がえらいことになっていた。

 


Employment blue

2015-02-25 22:02:14 | Thai Trang

オフ明け。いまいち調子が出ない。ホテルでも船でもあまり寝れない。

でもやっぱり体は徐々に強くなっているようで、観察時間が3時間に伸びても割と平気だった。人間もやればできるんですね。

車と船に乗って、山登って、頂上でじっとしているだけで、特にイレギュラーな出来事もないのだが、充実感みたいなものはある。

タイ人の話声には慣れてきたし、頂上でもぐっすり寝れる。飯も美味い。

毎日朝7時から夕方6時まで拘束されるのは、普段の自分にとっては拷問同然のはずなのに、この感じだと割と平気だ。

多分ストレスがないのと、案外ルーティンではないからだろう。

体使って、頭使って、ゆっくり物思いにふけて。綺麗な景色見て、美味しいもの食べてゆっくり寝る。

そういうのって当たり前のようで、実は全然当たり前じゃなくて、意外とかけがえのないものだったんだなって来年の今頃気づくんだろうな。

でもそういうブルーな気持ちが少しあるから、今が余計に楽しいのかもしれない。

よくわからんけど、そんな感じの日常と自分。

 Q.E.D.

漁をしている船に遭遇