「元トラックドライバーで、運転技術はピカイチの筈なのに、何故に会社は評価してくれないのか?」と云う運転業務の経験者の方からの話をよく耳にします。
確かに高度な運転技術や自動車の構造についての知識など、他のバス運転士よりも優れていることは一目瞭然です。
会社は、このバス運転士に対して毛嫌いし嫌がらせをしているのでしょうか?
バス業界は、只でさえ人材不足の業界で運転がしっかりしていて、自動車の構造にも配慮できる人材は貴重な筈です。
なのに何故に会社は、バス運転士が追い出しを掛けられていると誤解するようなリスクある行動をするのでしょうか?
これは、バス会社に限らず一般的な会社の評価の仕組みを、このバス運転士が理解していないことに起因します。
一般的な人事評価システムは、必須スキルごとに段階評価します。
また、この段階評価には足切りが存在し、他のスキルが勝っていても一つでも足切りに掛かると評価対象から除外されます。
例えば、5段階評価で3までは許容限度とします。
運転技術5、車両知識5、コミュニケーション3、接客2、安全運行4という評価がついた場合、接客2が有るため評価の対象から見送られます。
仮に運転技術3、車両知識3、コミュニケーション3、接客3、安全運行4のバス運転士がいたとします。
この場合は、足切りに引っ掛からないため、評価の対象に含まれます。
普通、会社側も足切りに掛かりそうな場合は、事前に是正勧告をバス運転士に行います。
これに対して、どの様な向き合い方をするかが今後の評価に掛かってきます。
分かりやすく解説した動画をバス軍曹さんが挙げていますので、ご確認下さい。
「運転技術が優れているから会社は評価する筈だ!」と、無視していると上記の様な評価対象から外されることになります。
事前に運行管理者からの指摘事項には謙虚に従うことが無難と感じます。
バス業界は、古い業界で年功序列の要素が他の業界よりも残ります。
かといって、全てが年功だけで評価される訳ではないことは、予め認識しておく方がよいと感じます。