本の整理をした。世界の名著全66巻と続世界の名著全15巻を本の山の奥から引っ張り出して書斎とは別の部屋の本棚に移した。年内に全巻を読破する予定であった。しかし果たせなかった。 ブックオフやamazonのおかげで読みたい本が思い通りに手に入る。というよりも、あの広大な売り場やホームページを眺めてみると必ずといってよいほど興味をそそられる本に出くわす。購入するペースに読むペースが追いつかないという状態にみまわれている。本の山から「世界に名著」を隔離しておこうという算段である。
特に、経済音痴を自認するするほど疎い経済関係の場合、理解が届かないと意地になって買い込む。読み込んだかどうかは大いに疑わしいから自慢する気もない。それでも、ざっと数えてみただけでハード本で150冊、新書で100冊、関連する会計学・経営・金融関連を含めるとおそらくは350~400冊の蔵書になる。
今年の後半になって顕在化した金融恐慌については、まさしく青天の霹靂、理解が及ばないことだらけである。今年に入ってから尋常ならざる何かがアメリカ経済におこっていることは推測できた。9月には瀕死の状態であることが明らかになった。耳タコの金融工学とやらは両刃であったらしい。金融でぼろ儲けの背中合わせにははじける泡というリスクがある。ただの泡ならはじけ散ってもどおってことはない。ところが金融の泡がはじけると経済が収縮する。つまり不景気になる。
経済音痴が、なぜアメリカは瀕死の状態になったのかを究明し始めて3か月が経過した。私見ではITバブルと同様に、よく勉強ができる人たちが、「合理的に不合理な夢を見た。」ことに原因があるように思われてならない。またしても、知的エリートは社会から収奪する権利があるかのようの喧伝してみせた。風評の罠に、投資家・企業・マスコミ・社会がまんまと乗せられてしまったというわけである。
「合理的に不合理な夢を見た」人たちがやらかしたことについての顛末は、小幡績著「すべての経済はバブルに通じる」光文社新書、中尾武彦著「アメリカの経済政策」中公新書に詳しい。著者は、ご両名ともに元大蔵官僚である。いずれもリーマン破綻に先立って書かれている。破綻の奈落でもがき苦しむアメリカの金融機関の姿を経済学や金融論あるいは統計数字を駆使して論じている。多分、知的エリートたちには知的エリート達の行動様式が見えるのであろう。