旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

ジョブカード そのⅠ

2010年10月29日 20時31分30秒 | Weblog
民主党の「仕分」でジョブカード制度が廃止されるようだ。ジョブカードが現実的に就職活動の役にたっていない。役に立っていないから廃止だという暴論によってこの制度が廃止されようとしている。仕分役の国会議員や有識者の見識を疑うばかりだ。

仕分役の皆さんの経歴をみただけで就職活動に苦労したことがないであろうことが見て取れる。そもそも、こういう皆さんに雇用の現場を語る資格などない。仕分ける資格などない。加えて、ジョブカードの作成現場を知らない仕分役の皆さんが、履歴書とジョブカードのどこが違うのかという呆れるような知見でジョブカード制度そのものを廃止に追い込んだ。

呆れるより他ない。高度に財政的な見地からこの制度を廃止しようとするのであれば、政治家と官僚の力の差を見せつけたいのであれば、この種の茶番劇など不要だ。蓮舫大臣の必死さと切り口が嫌いではなかったが、高度に財政的な事情という一見、公明正大な理由に踊らされるこの政権や彼女を後世の歴史家はどうのように評価するのであろうか。

ジョブカードの作成を通じて、労働者としての過去の経歴と職務、職務を通じて習得した技術や知識を踏まえて、これからの職業設計のための目標を設定し、より具体的にどのような職種への就職を目指すのかということを明らかにする。これがジョブカード制度の本旨だ。求人側に媚を売らざるおえない履歴書などよりも、はるかに求職者個人の職業観が明らかになる性質の制度なのだ。

労働行政の末端を担う者としてこの制度には少なからず期待していた。離職経験が4回を数えるわが身を振り返る時、少なくとも自分が勤めた就職先から離れるたびにジョブカードを作成してコンサルティングを受けてから次の求職活動につなげてゆく制度的支援があったならば、わたしの職業経験はもっと潤いのあるものになったように思う。