旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

水腫

2014年03月20日 17時40分33秒 | Weblog

半年前から明らかに肥大を始めた腫瘍が癌ではないかと懸念しないでもなかった。これは単なる水腫にちがいないと自分に言い聞かせながら思い切って診療所を訪ねた。平日の診療所は老人であふれていた。15人ばかりの男女患者のなかではどうみても私が最年少だ。待たされること30分余りで診察室に呼ばれた。実をいうとこの診療所は2度目だ。20年ばかり前に胆のう結石でお世話になったことがある。その時、膀胱の内視検査で震え上がるような体験をさせられた。

超音波(エコー)検査で「水がたまっていますねえ」「水腫ってことですか?」「なんで水腫を知っているのですか?」「はあ、調べてきました」「ゆうちゃったように腫瘍もどきは水腫ですねえ、癌の可能性はありません。ほら、こことここの暗い部分、ここに水が溜まっています。ここが臓器です。」

「水を抜くことはできないんですか?」「そうねえ、ここに来る老人の皆さんは、ほとんど抜かれませんねえ。それに抜いても何年かたつとまたたまりますからねえ。」「どうやって水を抜くんですか。膀胱の内視検査みたいに痛いんじゃないでしょうね。」「そりゃ、採血みたいに針を突き刺して抜くんですよ。最初にちくっとするだけで、数十分もすれば抜けます。あの検査ほど痛くありません。」正直ほっとした、水腫の水を抜くかどうか思案中だ。それにしても癌でなくてよかった。


『落日燃ゆ』

2014年03月20日 07時32分51秒 | Weblog

                                                   

 明日から職務という名の鎧を脱ぎ捨てる。仕事がひと段落ついたので昨日学校に願いでて休暇をとることにした。これで3連休が4連休になる。やればきりがない仕事なので区切りの休みがありがたい。ひと息もふた息もつくことができそうだ。モノを売る仕事をしていたころは、仕事との関係で商談の相手に合わせざるをえなかったので平日も土曜も日曜も祝日もなかった。営業という仕事から足を洗って5年になろうとしている。

昼休みに寄ったフタバ図書の古本部で「落日燃ゆ」という表題が目にとびこんできた。活字がかなり大きいハード版だ。文庫と英訳『戦犯』の蔵書がありしかも文庫は数度読んでいる。このハード版で改めて読み始めた。広田弘毅は外交官として生きようとする自分自身にその姿勢を言いきかせるために、中学卒業と同時に、丈夫に育ってほしいという父の願いが込められた丈太郎という名から自らの意志で弘毅に改名した。論語「曾子曰く、士はもって弘毅ならざるべからず。」 (志がある人間は度量があり(弘)、強い(毅)人間でなくてはならない。)から取った命名だ。