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【サマーセール上場馬 №969】エルトベーレの2016(牡)

2017年08月10日 | セール上場馬





今回紹介するサマーセール上場馬は、№969 エルトベーレの2016(牡)です。



父のローレルゲレイロは、当場生産馬としてG1を2勝してくれて、最優秀短距離馬にも選ばれた功労馬です。

種牡馬としては、準OPを勝っているアイラインや地方重賞を勝っているシークロムなどを出しています。

エルトベーレの2016の全兄であるグランジゲレイロは、京都ダート1200で新馬戦勝ちを収めています。

母のエルトベーレは米国からの輸入馬で、当場の所有馬として中央で出走しましたが、芝とダートの短距離で入着したものの勝ち星を挙げることはできませんでした。

ただ、エルトベーレの血統は当初からローレルゲレイロに合うと思っていたので、繁殖入り後は3年連続してローレルゲレイロを配合(2年目は不受胎)しています。

4年目は一度違う種牡馬を配合してみたいと思ってカネヒキリを配合(現2歳牝馬)しましたが、グランジゲレイロの新馬戦勝ちを受けて5年目は再びローレルゲレイロを配合し、エルトベーレの2016が誕生した次第です。

エルトベーレの2016は、体高はそれほどありませんが肉付きの良いパワフルな馬体であり、気性的にも父譲りの勝ち気な面を持っているので、父の産駒らしく短距離向きの競走馬に育っていきそうな気配です。


では、ここからはエルトベーレの2016の血統を説明していきます。

父ローレルゲレイロに関しては、以前このブログのなかで扱ったのでこちらをご参照下さい。

母のエルトベーレはStorm Cat系Lion Heart(8.5Fと9Fの米ダートG1勝ち馬)の産駒ですが、Storm Catの血はローレルゲレイロの3代母モガミポイントと相似クロスを形成します。



それぞれの父系であるNijinskyとStorm Birdは、いずれもNorthern Dancer×Bull Page系牝馬の組み合わせです。

また、モガミポイントの母父ボールドラッドUSAとStorm Catの母父SecretariatはいずれもBold Ruler×Princequillo牝馬の配合で、すなわち4分の3同血クロスを形成する関係です。

エルトベーレの2016にはモガミポイント≒Storm Cat以外にも、多くの特長的な相似クロスを織り交ぜています。

その一つが、キングヘイローの3代母Squanderとマイニングの母I Passによる近親クロスです。



いずれの血も父がBuckpasserで2代母がLady Be Goodであり、母父が異なるだけなので4分の3同血の関係になります。

ローレルゲレイロが持つCaerleonと、エルトベーレ内Tale of the Catの3代母Stateによる相似クロスも意識して配合しました。



両者の父がNijinskyで共通するほか、Caerleonの母父Round TableとStateの母Monarchyが全きょうだいになる関係です。

母のエルトベーレは自身でMr.Prospector4×3を持っていますが、この血はカコイーシーズ≒マイニングという形で活かすことにしました。



この場合、Alydar≒Mr.ProspcetorというRaise a Native×Nasrullah系牝馬の組み合わせのほか、それぞれの母系にTom Foolを持つ点で共通しています。

Buckpasserクロスを持つローレルゲレイロに、マイニング経由で同血脈を持つエルトベーレを配合することでBuckpasserクロスを継続したわけですが、Buckpasserの母Busandaは既述したLady Be Goodの父Better Selfと相似な血の関係にあります。




エルトベーレの2016の5代表を見る限り、Hail to Reason5×5しか持たないように見せますが、実際には多くの相似クロスを形成することで高い競走能力の遺伝を期待する配合になっています。

本馬は、当場と同じ新冠町内のエンパワーファームさんに預託して、セリ馴致をお願いしています。

本馬に興味のある方は、当場HPを通じてご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。