西洋の歴史を大雑把に見ると、
ギリシャ・ローマ文明を経て、キリスト教文明の世界が開け、
その後中世暗黒時代とイスラムの勃興となり、
1300年ごろを節目としてルネサンスと宗教改革の時代が始まる。
塩野七生さんの「ローマ人の物語」を少し前に読んで、
ローマ人のすごさをいろいろを教えてもらい、
西洋文明の原型を少しは理解できたと思った。
今回の「やさしいダンテ<神曲>」も、
ルネサンスの先駆けとして名を留めるダンテについて、
ほとんど無知である自分には、大変勉強になる本でした。
「神曲」がダンテの代表的な著作であることは歴史の時間に習ったが、
どんな内容かと言うと全く知らないし、知っている人は少ないと思う。
阿刀田高さんの歴史解説シリーズは日本人にはとっつきにくいテーマを、
現代の平均日本人の視点から、やわらかく噛み砕いて教えてくれる。
難しいテーマのおおまかな内容を知る上で、こんな読みやすい入門書はない。
「神曲」は地獄編・煉獄編・天国編の3部から成り、
作者=主人公のダンテが、死後の3つの世界を生身のままで、
順番に体験してゆくお話であった。
なぜかその旅には親切で優しい案内人が常に存在していて、
解説や導きと同時に、各種の危難から確実に守ってくれている。
全編の3分の2までは、ダンテが尊敬するローマの詩人ヴェルギリウスが
恐怖の世界である「地獄」と「煉獄」を導いてくれる。
天国の入り口からは、ダンテの憧れの女性ヴェアトリーチェに引き継がれ、
時に優しく、時にはめっぽう厳しくダンテを指導する。(もはや恋人以上・・)
最終話では、自分の知識にはない人だが「誉れ高い聖ベルナルデュス」が、
天国の「薔薇の円形劇場」の登場人物(神々のような聖人たち)を説明する。
道すがらでダンテはたくさんのかつて人間であった人たちと遭遇する。
地獄では、罪が深くて永遠の責め苦を運命付けられた人たちが、
決して救われない贖罪を行っている。
煉獄では、まだ見込みのある人達が、責め苦を受けながら、
天国の方向に少しづつゆっくりと向かっている。
天国はまさに天国で、神を中心に穏やかで満たされた世界が広がっている。
阿刀田高さん曰く「改めて神曲を熟読玩味してみると、
これはキリスト教について相当な知識がないと、
ほとんど理解を絶する古典である。」という・・・。
ダンテが14世紀の初頭にこの本を書いた理由は、
腐敗した教会批判の書という意味合いがあり、
これはやがて宗教改革へと発展するひとつの流れを作ったものらしい。
それにしても一番面白いのは決して天国の情景ではなく、
おどろおどろしい地獄の情景とお仕置きの禍々しさでありました・・・。
※写真はウチの中庭に生えた名前の分からないキノコです。(綿棒と比較!)
ギリシャ・ローマ文明を経て、キリスト教文明の世界が開け、
その後中世暗黒時代とイスラムの勃興となり、
1300年ごろを節目としてルネサンスと宗教改革の時代が始まる。
塩野七生さんの「ローマ人の物語」を少し前に読んで、
ローマ人のすごさをいろいろを教えてもらい、
西洋文明の原型を少しは理解できたと思った。
今回の「やさしいダンテ<神曲>」も、
ルネサンスの先駆けとして名を留めるダンテについて、
ほとんど無知である自分には、大変勉強になる本でした。
「神曲」がダンテの代表的な著作であることは歴史の時間に習ったが、
どんな内容かと言うと全く知らないし、知っている人は少ないと思う。
阿刀田高さんの歴史解説シリーズは日本人にはとっつきにくいテーマを、
現代の平均日本人の視点から、やわらかく噛み砕いて教えてくれる。
難しいテーマのおおまかな内容を知る上で、こんな読みやすい入門書はない。
「神曲」は地獄編・煉獄編・天国編の3部から成り、
作者=主人公のダンテが、死後の3つの世界を生身のままで、
順番に体験してゆくお話であった。
なぜかその旅には親切で優しい案内人が常に存在していて、
解説や導きと同時に、各種の危難から確実に守ってくれている。
全編の3分の2までは、ダンテが尊敬するローマの詩人ヴェルギリウスが
恐怖の世界である「地獄」と「煉獄」を導いてくれる。
天国の入り口からは、ダンテの憧れの女性ヴェアトリーチェに引き継がれ、
時に優しく、時にはめっぽう厳しくダンテを指導する。(もはや恋人以上・・)
最終話では、自分の知識にはない人だが「誉れ高い聖ベルナルデュス」が、
天国の「薔薇の円形劇場」の登場人物(神々のような聖人たち)を説明する。
道すがらでダンテはたくさんのかつて人間であった人たちと遭遇する。
地獄では、罪が深くて永遠の責め苦を運命付けられた人たちが、
決して救われない贖罪を行っている。
煉獄では、まだ見込みのある人達が、責め苦を受けながら、
天国の方向に少しづつゆっくりと向かっている。
天国はまさに天国で、神を中心に穏やかで満たされた世界が広がっている。
阿刀田高さん曰く「改めて神曲を熟読玩味してみると、
これはキリスト教について相当な知識がないと、
ほとんど理解を絶する古典である。」という・・・。
ダンテが14世紀の初頭にこの本を書いた理由は、
腐敗した教会批判の書という意味合いがあり、
これはやがて宗教改革へと発展するひとつの流れを作ったものらしい。
それにしても一番面白いのは決して天国の情景ではなく、
おどろおどろしい地獄の情景とお仕置きの禍々しさでありました・・・。
※写真はウチの中庭に生えた名前の分からないキノコです。(綿棒と比較!)
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