鳩群れてひときわ騒ぐ夏蛙

2022年07月28日 | 俳句
鳩群れてひときわ騒ぐ夏蛙
 歩く前に鳩の群がいて数えると七羽。一羽が跳ぶとその他全員も飛んで少しづつ移動。
 道の脇の田圃の蛙が怯えるせいでもなく、ひときわ大きな声で鳴いている。そんな風景です。
 蛙は春の季語なので、今鳴いている蛙は夏蛙。なつかわずとは読まず、なつがえるでした。


同じ刻同じ顔ぶれ夏の朝
 毎朝5時半ごろから歩きはじめるとほぼ同じ顔触れの人達とすれ違います。
 大半は会釈だけで済ませ、中には一言挨拶を交わす人も。
 会話迄する人は少ないですね。あまり増やさないよう静かに歩いています。


落とされし新(さら)のハンカチ拾はれず
 今朝は女性ものの真新しいハンカチが落ちていました。
 ポケットかポーチに入れる時にスルっと落ちたのでしょう。
 コロナの時期、誰も拾って持って帰る人はいません。夏の季語のハンカチがかわいそう。


みつしりと桜色なる百日紅
 赤い百日紅はどこでも見られますが、ほぼ白い、よく見るとほんのり赤い百日紅に気付きました。
 夏の朝日の中、みっしりと花穂がついて、やや重たげに咲き誇るすがたでした。


コロナ後の乏しき出会ひ蜘蛛の糸
 この夏は蜘蛛の巣をみかけないなぁと思いつつ歩いていると、
 自分の今の状態も頭に浮かび、コロナになってほとんど誰とも会っていないと思いあたります。
 蜘蛛の糸のような細い糸でしか人と繋がっていないなぁと思ったり。


早も散る落葉に蝉の混ぢりたる
 玄関前のえごの大木。五月に花が咲いて散って、葉っぱが茂って、今はもう散り始めています。
 これからおそらく9月一杯、毎朝の私の日課の一つはえごの木の落葉掃きです。
 その中に、ようやく鳴き始めた蝉の死骸が一つ混じります。今日は7月28日。


炎熱やとんとん家のできる音
 通りを一本隔てた所の新築工事。今日も朝早くから工事作業の音が聞こえます。
 この暑い時期での作業は大変でしょう。でも仕事が終わった後のビールは旨かろう。

2 コメント

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でも (きりぎりす)
2022-07-31 07:04:16
歩いていて顔に纏わりつく蜘蛛の糸の存在は強くしぶとい。ああ嫌だ!
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そんな時は (健人)
2022-07-31 22:42:05
前に進まずそのまま後ずさりすると被害軽微で済むように思います。
今度やったら思い出して試してみて下さい。
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