漢詩も楽しく 杜牧の清明

2012年05月16日 | 漢詩
~清明~

清明の時節 雨紛紛

路上の行人 魂を断たんと欲す

借問す 酒家は何れの処にか有る

牧童遥かに指さす 杏花の村



【訳】
春の盛りの清明節、折からこぬか雨がしきりに降っている。

その雨は、道行く私の心をすっかり滅入らせてしまう。

「すまんが、酒屋はどちらのほうにあるのかな」と問うと、

牛飼いの子があっちのほうと指さした。

その彼方には、白い杏の花咲く村が。


【原文】
~清明~
清明時節雨紛紛
路上行人欲断魂
借問酒家何処有
牧童遥指杏花村

~おはなし~
主人公は旅人というわけではなく、
清明節(新暦の4月5日ごろ)で郊外に出かけ、
春の花を愛で、お墓参りなどをして、
しとしと降る雨に濡れそぼってしまったらしい。
さっさと帰ればいいものを、気分はすっかり沈んでしまった。

酒に目がない主人公は、
ちょうど通りかかった牛飼いの子供に、
このあたりに酒屋はないかな~と聞く。
少年があっち!と指差した先には、
白い杏の花咲く村があったとさ・・・というようなお話でした。

中国には杏花村(きょうかそん)という名前の村が沢山あるそうな。
詩の中の村がどこかは分からないけれど、
それは、酒好きの杜牧が想像した桃源郷だったのかも・・・。

※まあ、ほぼテキストに書いてあるとおりですが、
 なんて事ないお話。 でも、
 ゆっくり味わっていると、気持ちがゆったりしてしてくるようです。


2 コメント

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写真いいね (ワイワイキック)
2012-05-17 13:30:28
詩の雰囲気にぴったりの写真ですね。

石楠花を優しく潤す春の雨

新緑の木の葉隠れの水温む
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緑がいいですね (naka735)
2012-05-17 14:12:10
散歩をしていると緑が本当にきれいです。
雨にぬれた木々の色、
このまま自分も溶け込んでしまいそう、
・・・なんてね。

最近ウーミンの姿がないのがさみしいです。
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