☆2018年東花賞提出二十句

2018年10月29日 | 俳句
作品タイトル「江陵(カンヌン)」


稔り田の縁より二枚刈られけり

抗へぬ睡魔や灯火親しめず

秋深し腹筋ぎゆうと引締めぬ

立冬や佳句の原石ふたつみつ

背に懐炉貼つて車を洗ひけり

暖房と揺れの誘ふ眠りかな

観るほどにルールおのづと冬競技

江陵といふ名の街や魚は氷に

春昼や仕事を問はれ入力と

角が取れまあるくなりぬ春の風

朝ごとの珈琲の味花馬酔木

物置の奥の幼子蝶の舞

聖五月天に在すポポ思ひ

梅雨空や前行く人の踵踏む

骨の数十六本の傘梅雨入

明易や隣近所の遠く見ゆ

新涼やなぜに女性の髪長き

人の目に触るることなく稲の花

台風の生き物染みた唸りかな

秋湿り眼科の無駄な待ち時間


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