小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第359回小麦句会結果発表

2017年06月10日 08時48分19秒 | 1日句会

お待たせしました。

ついに梅雨入り。

今年はどんな梅雨になるのでしょうか?

雨は欲しい・・・。

けれどそんなにたくさんは・・・。

毎日空とにらめっこする季節です。

では、句会結果を。

次回告知もすでにされています。

次回も皆さんの傑作をお待ちしています・・・。

 

★句会結果発表★

 

泰山木一花振り向くことのなき月日   まきえっと

◎(道人)字余りの「一花」が眼目。色んなことがあったのでしょう。断ちがたい来し方を「振り向くことのなき」と詠む思いは心に響く。余情も深い。  

◯ (アゼリア)振り向くことのないのは、自分なのか、月日なのかわかりませんでしたが、泰山木一花が素敵です。

○(敏)泰山木はたった一花でも、威厳に満ちて神々しい。過去のことなど一顧だにしない、メリハリの利いた人生観と言っていいかもしれません。

◎ (多実生) 下を歩いていると花に気付かない様に月日の流れも同様です。

○(アネモネ)クールだなあ。いかにも泰山木。

○(珠子)今更振り向いてもネ、いろいろ遠くなりすぎました。今日と明日を元気に!

○(宙虫)つぼみから落ちていきまで花はいちいち振り向いてなんかいない。

 

廻廊は機械警備の夏館  幹夫

○(藤三彩)ビルも夏館に見ようではなるのかしらん

○(泉)本当に街は機械とコンクリートで出来ています。改めて実感しました。

 

(選外)(ちせい)季語は「夏舘」。何故か国家資格で出題された「機械警備」を思い出しました。

 

新緑やビルの谷間を急ぐ人  仙翁

〇(まきえっと)そんなに急いでも変わらないと思います。

○(ルカ)新緑に目も止めずに急ぐ都会人。

〇(春生)「ビルの谷間を」に都会の雰囲気が出ています。   

 

ビル街に住めば若葉が見たくなる  泉

○(あちゃこ)緑化が進んだとはいえ、若葉の透明感は格別です。

○(ちせい)季語は「若葉」。極めて直截な欲望ですが、上5から中7にかけての措辞がそれを和らげていると思いました。

○(まきえっと)住宅街に住んでいるとわからないことだろうな。  

〇 (多実生) 人は若葉に癒される動物の様です。

○(幹夫)殺伐とした都会に欲しき瑞々しい若葉ですね。

 

踊り場に聴いてつばめの朝の声  アネモネ

〇(仙翁)ちょっと言葉がの繋がりが難しいが、何となく面白い。

◯ (アゼリア) 明るく元気に一日が始められそうです。

○(敏)燕は姿も声も、人に愛されやすい。それが燕の戦略とは判っていても、聞いても見ても頬がほころびます。ことに思いがけない場所であればあるほど。

〇 (多実生) 伊香保温泉ホテルのビルの高所のイワツバメを見たのも確か今頃。

〇(春生)朝のすがすがしさが出ています。        

 

街騒の牛馬見て来し朴の花   藤三彩

○(あちゃこ)この街の主人なる朴の木の歴史を伝えているようです。

○(道人)少なくとも百年の時の流れを朴の木の目線で俯瞰して巧い。情趣あり。   

 

悪戯な遺伝子尻尾切る蜥蜴     あちゃこ

○(道人) 捉えどころがなく、かつ存在感の強い蜥蜴を俳諧味たっぷりに詠い上げている。   

◎ (アゼリア) 悪戯な遺伝子ーインパクトあります。

〇(瞳人)そうなのか

○(アネモネ)写真から飛び過ぎだけれど面白い。

○(幹夫)不祥事露見時の蜥蜴の尻尾切りは組織における常套手段なのでしょう。

 

赤い靴捨てて道あり夏の月     瞳人

○(ちせい)季語は「夏の月」。月涼しなどが思い浮かびましたが、「赤い靴」から醸し出される詩情がいいと思いました。

〇(仙翁)どんな意味なのか分からないが、何となく面白い。

○(珠子)ドラマが始まります。 

◎(宙虫)赤い靴かガラスの靴か。物語は赤い靴の方が深くなる。夏の月もドラマをより濃くする素材。

 

踊り場の影なき影や夜の秋         ルカ

○(あちゃこ)影なき影とは?上手い表現ですね。静かな空間。夜の秋は少しつき過ぎの感もしますが?

 

(選外)(道人) 影・影・夜で暗澹たる心象景が浮かぶが、結構遊び心を感じる句。   

 

六月の街でいいから羽が欲しい   宙虫

○(道人)鳥になっても六月の空、しかも街の空は一番飛びたくないでしょうね。「いいから」で、それでも飛びたい鬱屈感がよく出ている。

 

すぐそこに夏が自販機入れ替わる  敏

〇(まきえっと)「すぐそこに」が好きです。

○(ルカ)臨場感ある、季節の変わり目。

○(藤三彩)HOTからCOLDに

○(泉)言われて見れば、季節ごとに自販機は入れ替わります。改めて納得しました。

○(幹夫)更衣は自動販売機も対象だということにいたく納得です。

 

 (選外)(道人)「本格的な夏の到来」を「自販機の入れ替え」で感じる。臨場感があり。

 

カテーテル了へて五月の風の色   幹夫

○(道人)ほっと一息の安堵感。良かったですね。    

◯ (アゼリア)無事検査を終えて風の色も明るく爽やかですね。

◎(瞳人)色が見えます

◎(珠子)あの階段からカテーテルまで飛びましたか。退院後の5月の風がさわやかでしょう。

○(宙虫)風の色が特別に感じますね。

 

(選外)(ちせい)季語は「五月」。風の色と言うと秋の「白秋」も思い出されて少し弱いと思いました。

 

梅雨冷や階段走つて上り下り  ちせい

○(まきえっと)人生みたいですね。平坦もたまにあります。 

〇(春生)運動もする場所もないので、階段を使っての運動ですね。  

 

乗り継ぎて友見舞ふ午後白日傘      アゼリア

○(ルカ)心情に、思わず共感。離れていても心はいつもそばに、寄り添う友。家族ではないところが、いいですね。

〇 (多実生) 見舞いの人の白日傘に病気も回復が早そうです。

〇(春生)季語「白日傘」が生きています。     

〇(瞳人)遠いところの友

 

田園の憂鬱のがれ青葉闇    道人

○(ちせい)季語は「青葉闇」。佐藤春夫の「田園の憂鬱」を思い出しました。自然との合一も感じられました。

 

葉の中で声だけ聞こゆ巣立鳥  多実生

○(あちゃこ)ピンポイントの発想がステキです。

○(まきえっと)葉の生茂りがわかります。姿を見たいです。 

〇(仙翁)姿は見えず、声が聞こえる。よくあるが、巣立ち鳥と見たのが面白い。

◎(藤三彩)警戒心のない幼い雀も可愛いものです

〇(春生)うまい捉え方です。   

 

エステ屋の夏の口上パリ仕立て    瞳人

 

自転車の少女宙跳び五月尽      アゼリア

◎(仙翁)空を飛ぶとは、なかなか面白い。

◎(敏)一読、建物の間を飛び抜けるアニメ「魔女の宅急便」のキキの姿が見えてきました。「少女宙跳び」がそれを喚起させてくれ、自転車が難なく箒に変わっていたのです。「五月尽」はまことに適切かと。

〇(瞳人)跳ぶ心は

○(珠子)私も、あの自転車の急いでいるような背が妙に気になりました。   「宙跳び」になるほど。
◎(泉)余りの発想の飛躍に、こちらがぶっ飛びました。

 

連休の思い出遠き五月尽  泉

○(アネモネ)わかります。 

 

「冷」のみの自販機泰山木の花  珠子

 

(選外)(ちせい)季語は「泰山木の花」。少し奇異な感じがしますが、そう言う自販機もあるのでしょう。

 

登校す泰山木の花の中  春生

○(敏)「花の中」に、咲き満ちた泰山木の大樹を思わせて、俯瞰的絵画を思わせます。

○(アネモネ)いかにもこんな景でした。

 

泰山木の匂ひに朝の始まれり  アネモネ

◎(まきえっと)今日も一日良い日でありますように。

◯(アゼリア)爽やかな朝ですね。

○(珠子)今日も元気でいようと深呼吸して。

 

蛇行してくるま、自転車街薄暑  敏

〇 (多実生) 朝でしょうか?どの人も忙しそうです。

○(幹夫)軽快なリズムに共感です。

○(宙虫)少々暑さに疲れ気味?まだまだこれからなのに。

 

七階に迷い込む蜂旧市街   宙虫

◎(あちゃこ)蜂とは。旧市街が効いています。上手い。

○(ちせい)季語は「蜂」。何でこんな高い所に蜂が、そんな感慨が自然に句に。

〇(仙翁)元気な蜂、いいですね。旧市街が面白い。

 

(選外)(道人)「旧市街」が欧州風で良い塩梅。

 

階段を気力体力なめくじら   藤三彩

◯(ルカ)なめくじら、よくぞでました。俳諧味たっぷり。

〇 (多実生) 階段を登ると体力の低下を実感します。

○(珠子)7階ともなると確かに気力だけでは難しい。このなめくじは鉢の底に付いて高階まで運ばれてきてしまったのでしょうが、どうも鉢の花は枯れているようです。なめくじに水を!

○(幹夫)寄る年波には逆らわずぼちぼち蛞蝓ですね。

 

万緑や休み休みに上る道  まきえっと

○(ちせい)季語は「万緑」。坂道でしょうか、「万緑」の厚みも実感できました。

○(藤三彩)体力にあわせてゆっくりと歩いて

 

句会疲れの塾の先生三尺寝   道人

◎(アネモネ)自販機からよくこんな想像がと感心しました。

 

自販機でコーヒーを買ふ夏の雲  ちせい

◯ (アゼリア) 自販機のコーヒーも最近美味しいのができましたよね。夏の雲を眺めながらのコーヒータイムもいいですね。

 

夏の息拉致の国まで三百里     あちゃこ

○(道人)曖昧な「夏の息」とリアルで切迫感のある中七下五との取り合せが巧い。単なる時事句を超えた秀吟。 

○(藤三彩)ここはお国を離れて何百里の哀歌を思います

 

(選外)(ちせい)季語は「夏」。北朝鮮でしょうか、溜め息であるようにも思えますが、公私の区別が悪い意味であやふやな印象を受けました。

 

カーテンの中に数多の夏の人  仙翁

○(あちゃこ)確かに。屋外からの視点。それぞれどんな夏を迎えているのかな?

◎(春生)「カーテンの中に」に俳諧味があります。 

 

椅子のなき一人の卓に薄暑光      ルカ

◎(ちせい)季語は「薄暑光」。椅子のない卓と言う措辞が決まって居ると思いました。季語が生かされているかと。

○(泉)良く観察している、と感心しました。

 

一匹の蟻非常灯にて戻る  珠子

○(まきえっと)蟻から見たら非常灯はどんなに大きいことだろう。  

○(敏)よくもあんな小さなからだで、高階にまでたどりついたものよというのが、最初の感慨。非常灯が折り返し地点とよくぞ認識したものよ、との思いが次に続きました。

○(泉)確かに戻りそうな、不気味な雰囲気だと思います。

○(宙虫)不思議な色合いがあって面白い。

 

初夏の雨階下の音が聞こえくる  多実生

〇(仙翁)階下の音が聞こえますか。そんなこともあるでしょうね。

○(ルカ)階下の音が抜群。

○(藤三彩)下では何をするものぞ

○(宙虫)意識すると急に近く感じます。いろいろな音。

 

七階へ泰山木の花匂ふ   春生

◎(ルカ)何も余分な事は言っていないのですが、ドラマを感じさせます。

○(敏)七階までも匂いくる泰山木の花の匂い。あのツンとした感覚が甦ってくるようです。

〇(瞳人)そこまで来るか

○(アネモネ)いいですねえ。

○(泉)確かに「七階」ですね。良く観察しています。

◎(幹夫)泰山木の花の白い大輪が伸びやかに詠まれていると思いました。

 



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2017-06-10 21:57:35
宙虫さん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島はいよいよ梅雨入りした様です。風呂に入るのが、面倒な季節になりました。プロ野球は交流戦に入って、巨人、ヤクルト、日本ハムなど連敗が続いています。

今夜も巨人・日本ハム戦をテレビ観戦しましたが、日本ハムが執念で勝ちました。巨人も日本ハムも、これから勝たなければ、ファンに対して面目ない事でしょう。
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