名邑十寸雄の手帖 Note of Namura Tokio

詩人・小説家、名邑十寸雄の推理小噺・怪談ジョーク・演繹推理論・映画評・文学論。「抱腹絶倒」と熱狂的な大反響。

@ 非論理エッセイ 【菊池寛の言葉】

2022年05月25日 | 日記

「云っても直らない癖は知らせない方が良い」

 そんな気持ちから真の友情が生まれるでしょうか。多寡の知れた浮き世を誤魔化す野暮の骨頂と感じます。本当の友であれば、喩え生涯喧嘩別れになろうとも、悪い癖を知らせるのが友情だと信じます。我が身を顧みれば、悪い癖を指摘して疎遠となった親友が山ほどいる。が、何年もしてからより深い交際が始まる。と云え人格者ばかりなので、淡きこと水の如き付き合いです。

 喧嘩別れしたままの友人に関しては、菊池寛の云い分にも一理あるものかと「あいつ如何しているかな」と振り返る事もある。思い返してみると、悪い癖は恐らく直っていない。変わり様もない。粋を通すのは生易しい事ではありません。それを寂しく思うと野暮になります。一期一会の禅心に潜む潔さとは、そんなものではないでしょうか。



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