「云っても直らない癖は知らせない方が良い」
そんな気持ちから真の友情が生まれるでしょうか。多寡の知れた浮き世を誤魔化す野暮の骨頂と感じます。本当の友であれば、喩え生涯喧嘩別れになろうとも、悪い癖を知らせるのが友情だと信じます。我が身を顧みれば、悪い癖を指摘して疎遠となった親友が山ほどいる。が、何年もしてからより深い交際が始まる。と云え人格者ばかりなので、淡きこと水の如き付き合いです。
喧嘩別れしたままの友人に関しては、菊池寛の云い分にも一理あるものかと「あいつ如何しているかな」と振り返る事もある。思い返してみると、悪い癖は恐らく直っていない。変わり様もない。粋を通すのは生易しい事ではありません。それを寂しく思うと野暮になります。一期一会の禅心に潜む潔さとは、そんなものではないでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます