質問者:ハイル禅師 老々介護の末の殺人事件について禅師は
どう思われますか?
私:寿命が延びた事で高齢化した家族の増加により種々の
不幸に陥いるのは皮肉な話では有ります
例えば現在では80代の夫婦のどちらかが寝たきりの伴侶の
面倒を看たり或いは70代の息子が90代の母親の面倒を看る
などは決して珍しくはない
それも高齢の寝たきりならまだマシで痴呆症に罹患して
部屋中に粗相し徘徊するとか時々深夜に悲鳴を上げたり
暴言を吐くなどは面倒を看る側にとっても強いストレスになる
更には金銭面で病院に継続的に通う費用等があり
お金がほとんど無くて食事が出来ないとか
固定資産税の滞納が数か月に及ぶなど
労働的・精神的・金銭的な問題が絡んでおり
面倒を看る側も高齢になって具合が悪いなどもある
上記の複雑な事情で苦しむのも家系の劫から来ております
長生きが幸福とは限らず複雑な要素が複合的に絡み合うと
かえって不幸になる訳です
老々介護の末のやむを得ない殺人事件については
内情や実態を精査した上で裁判官が決める事だが
実刑なのか情状酌量なのかも判断が難しい
最後に親が適切な時期や年齢で亡くなるのは必ずしも
両者にとって不幸事ではないのであります
ただし親の面倒を長く看ずに済んだ子供は特に誠意をもって
必ず親の懇ろな供養は続けてほしいと思います