12月3日、ミンスク市内の複数の学校の校舎の屋上や正面玄関先などにベラルーシ国旗が掲揚されました。
保護者は学校で「反政府デモ参加者は犯罪者だ。ファシストだ。」と生徒に教える教員がいるとして、プロパンガンダ教育はやめてほしいと学校側に訴えています。
今日も白赤の服、傘などを持ってデモ行進をしている女性グループがいました。
雪だるまに白赤白の旗を持たせたり、じゃがいもで人形を作って旗を持たせて大量に置いたりして反政府デモ活動を続けています。
ベラルーシでは物価の値上がりが目につくようになりました。特に輸入品全般、砂糖、肉類の値上がりが顕著です。来週からバスの料金も値上がりします。
今月から年金が引き上げられ、来月から公務員の給料も引き上げられると政府は発表しましたが、インフレ率に追いつかなければ、意味がありません。
元ロシアの警察官でベラルーシで政治思想犯として拘留されていたロシア人が釈放されましたが、ロシアに国外退去命令が出され、今後10年間はベラルーシの入国が禁止されました。またベラルーシ国内の家族はまだロシアへ出国できないそうです。
団地デモをしている人たちが連絡を取り合うため活用しているチャットがサイバー攻撃を受けました。「降参しろ! お前たちは包囲されている。抵抗するのは無駄だ!」などと書き込まれました。
2008年ミス・ベラルーシに選ばれたオリガ・ヒジンコワさん。反政府デモ活動に参加していた罪により、現在勾留中の身の上です。もう1ヶ月になりますが、同じ檻房に入れられていたジャーナリストがどのような拘留生活を送っているのか語りました。
監房には歯磨き、歯ブラシ、タオル、着替えの下着などはない。(このような衛生用品の差し入れをしても、本人の手元には届けられない。)
収容センターの周りにはボランティアがいるので、その人たちに頼んでせめて歯ブラシをくださいと刑務官に頼んだが無視された。規定ではシャワーの日が決まっているはずなのになぜかシャワーの日が来ない。
檻房には(わざとか)ホームレスが入れられ、その人からシラミをうつされた。全員シラミがわいて、ミス・ベラルーシの服の上を這っているのを見た。
二人部屋扱いの檻房に4人が入れられていた。このジャーナリストはヒジンコワさんと二段ベッドの上の段で二人で寝たけれど、寝られず睡眠不足がひどかったので、ジャーナリストのほうは三日目から床で寝たそうです。
檻房にはトイレと洗面台が備え付けられているが、蛇口から水は出ず、お湯のほうは出るもののわずかしか出ない。
この檻房のトイレは壊れていてずっと水が流れていてその水音のために眠れない。
ときどき刑務所の廊下の掃除を言いつけられる。わずかでも運動になるのと時間つぶしになるので、ヒジンコワさんは自ら進んで廊下そうじをしていた。
ヒジンコワさんはこのような状態でも、人の心配や家で待つ家族やペットの犬のことを心配するだけで、周囲の人に当たったりといったことはしていなかった。以上がすでに釈放されたジャーナリストによるヒジンコワさんのようすです。
ちなみにヒジンコワさんはいわゆる田舎の村の出身で、ミス・ベラルーシに選ばれてからは名誉村民のような扱いになっています。
ベラルーシのグロドノにある会社「コンテ」は有名な衣料品メーカーなのですが、そのストッキングのパッケージの写真モデルがヒジンコワさんなのです。(今、我が家のタンスを見たら、新品のコンテのストッキングが出てきて、ちゃんとヒジンコワさんの足の長い姿がパッケージに載っていました。)
そのコンテのストッキングがベラルーシ中で売られていて、東欧諸国にも輸出されているのですが、今、わざと値札シールをヒジンコワさんの顔のところに貼って「犯罪者」の顔を見せないようにしている店が出てきました。もちろん国営の店です。
重犯罪(殺人、麻薬、性犯罪など)を犯したわけでもないのに、ミス・ベラルーシの顔に値札シールを貼り付けています。そんなにイメージダウンなのでしょうか? パッケージを見て「あ、あの反政府ミスベラルーシ。もうこのストッキング履くのいや。買わない。私この人嫌い。」と買うのをやめるベラルーシ人女性がそんなにたくさんいるのでしょうか?
逆に広告モデルの顔にべったり値札を貼り付けるような店で、買い物をしたくなくなる人のほうが増えそうですが。
そしてコンテのストッキングのパッケージをたくさん集めて、雪の中にさして「がんばれ、ヒジンコワさん!」という画像を撮影し、ネットに上げて応援する人も出てきました。
(雪だるまとか、ジャガイモ人形とか、ストッキングのパッケージとかなら、逮捕されないし、コロナウイルス感染のリスクもないし、それでいてインスタ映えするので、こういう形の反政府デモ活動がこれから増えてきそうです。)