ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

12月23日。カトリック大司教に帰国許可

2020-12-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 12月23日。明日はクリスマスイブ。このぎりぎりのタイミングで、8月末、事実上の国外退去を強制されて、ベラルーシに帰国できなくなったカトリックの大司教、コンドゥルセヴィチ大司教に帰国許可が出ました。今日中にポーランドからベラルーシへ帰国し、明日のクリスマスミサを執り行うことになると思います。ベラルーシ国内のカトリック教徒は大喜びです。

 先週末にバチカンからローマ法王の使節団がミンスクを訪問し、ベラルーシ大統領とコンドゥルセヴィチ大司教の帰国について協議されていたようなのですが、内容は公表されていませんでした。

 しかし昨日、22日にコンドゥルセヴィチ大司教が帰国できるらしいという報道が流れ、今日正式に大統領から帰国許可を出したと公表されました。

 クリスマスイブまでに滑り込みで帰国できますね。一方でクリスマス後はどうなるのか状況は分かりません。再び大司教が国外に行かないといけなくなった場合は、また帰国できなくなるかもしれないので、ベラルーシから出国にしないようにするかもしれません。一方で大司教になると、バチカンへ行かないといけないときもあるのです。こういうとき、バチカンがどのように判断するかにかかっていますね。

 またこれでカトリック教徒がベラルーシ大統領を支持するようになるとは、とても思えません。

 ちなみにバチカン市国は、北朝鮮、ベネズエラ、そして日本などと並んで、ベラルーシ大統領に信任状を提出しており、ルカシェンコ大統領がベラルーシの大統領であると認めている数少ない国の一つです。

 今から考えると、バチカン市国は宗教国(みんな仲良くしましょうよ、平和的に解決しましょうよ、話し合いましょうよ・・・という考えが根底にある)でもあり、またコンドゥルセヴィチ大司教が見方によっては人質に取られていたようなもので、刺激しないほうがよかろう、コンドゥルセヴィチ大司教の件は話し合って解決すべきであり、そのためには話し合いの土俵そのものを作っておっかないといけないし、そんなわけでルカシェンコ大統領を大統領として認めておかないと・・・という考えがあったのでは? と私は思います。

 つまりバチカン市国が、ベラルーシでの独裁政治や恐怖政治を認めているわけではないということです。(日本政府がそれまではEUと足並みをそろえていた態度とは一変、ルカシェンコ大統領を認めるような姿勢を見せたのは、どうしてなのでしょうか。深遠な考えがあるのか、それとも何も考えていないのか、あるいは考えたけれど明確な答えが出せなかったのか、あるいは考えているけれど、それを悟られないように考えてないふりをしているのか何なのか・・・)

 来年戦争が始まるかもしれないという予測も出ているような状況で、誰が敵で誰が味方なのか見極めないといけない時期が近づいています。

 

 EUなどがベラルーシに制裁を発動しましたが、それのお返しにベラルーシ政府もEU諸国に対して制裁を発動しました。ベラルーシとEU諸国の交流なども減り、貿易などにも影響がすでに出ています。

 このような状況なのに、イギリスでコロナウイルス変異種がイギリスや他のヨーロッパの国でも発見されているのに、ベラビア(もちろん国営)はイギリスの旅客機の離着陸を停止していません。

 

 ジョージノの刑務所内とされる画像がネット上で出回っています。スマホで撮影されたもので、どのように撮影されたのか詳細は不明です。刑務所内に携帯は持ち込めないし、この画像がどのようにネットに投稿できたのかどうかもはっきりしていません。

 もし本物だとしたら、警察が持ち物や差し入れのチェックをしていないのか、警察の予想を上回る方法を誰かが思いついたのか・・・と思います。

 もしかしたらフェイク、あるいは合成かもしれません。もっとも本物として見ると、監房内と思われる部屋に二段ベッドが二台、そしてその間に小さい机と細長いベンチ2台(1台に二人が座れる大きさ)があり、そこに17人が収容されていました。

 

 元ミス・ベラルーシのヒジンコワさんが服役中に受けた非人道的扱いについて、人権擁護団体が検察庁に訴えましたが、書類が不足していることを理由に訴えは退けられました。

 

 12月23日夜になりましたが、まだコンドゥルセヴィチ大主教はベラルーシに帰国していません。正式な帰国許可が届いていないとのことです。しかしクリスマスイブのミサには間に合うよう帰国する予定だそうです。

 

 今日、ベラルーシ大統領はグロドノにある正教女子修道院長ガブリラにスカリナ勲章を授与しました。

 他にも大統領から国会議長や前保健相にも功労章が次々と授与されています。

 

  


ベラルーシのコロナウイルス感染者17万9196人。死者数1349人

2020-12-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 12月23日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は179196人となりました。1日の新規感染者数は1922人です。また1900人台に戻ってしまいました・・・。感染者数はおそらく明日18万人台になるでしょう・・・。今年中に19万人台になる可能性もあります。

 死者数は1349人です。

 157079人が回復しました。

 380万件の検査数となりました。

 

 今、ベラルーシの医療現場では医師不足が明らかになっています。つまり患者が増えているということです。

 ベラルーシの病院や診療所では午前8時に診療や検査の受付を開始(検査によっては7時半から受け付ける科もあります。)するのですが、午前6時から病院の前に患者(コロナウイルス感染者とは限りません)が行列を作っています。

 午前6時から並ぶと午前8時に病院内に入れるらしいです。午後8時に行列最後尾に並んだ人が診察を受けられるのは昼の12時ごろだそうです。

 待合室はぎゅう詰め・・・と書きたいところですが、ベラルーシの病院、特に診療所は日本人が想像するような待合室がないです。

 廊下にベンチが置いてあって、それが待合室の代わりになっています。よくてエレベータホールが広い場合、そこが待合室の代わりになりますが、壁沿いにベンチが置いてあるだけです。

 そのため、廊下の両脇に座って診察を待っている人が咳をしている間を通って移動しないといけません。あるいはエレベーターホールで咳をして順番を待っている人たちのそばでエレベータを待たないといけません。

 ちなみに今は発熱外来専用の入り口があります。しかし、病院内では診察を受ける人が廊下で順番を待っている状態です。

 コロナ以外の病気で発熱した人も廊下のベンチに座らされて、診察の順番を待たないといけません。

 この待合室が廊下というのがベラルーシの医療システムの大きな欠陥だと私は前々から思っています。

 もう一つの欠陥は、病欠届を取るシステムです。ベラルーシでは病欠扱いにしてもらう(仮病とか嘘で仕事や学校を休んでいるわけではない。)と証明するために病欠届けを医師に出してもらわないといけません。

 それが3日おきなのです。これは何かと言えば、例えば月曜日診療所に行って「はい、あなた発病してますね。今日が1日目ですね。」と病欠届の「発病した日」にその日の日付が記入されます。そして少なくとも3日間の水曜日までは、「病気」になります。火曜日にすっかり元気になっても、水曜日までは「病人」なのです。

 さて、木曜日すっかり元気になったと思って診療所へ行きます。そして担当医師が「はい、元気になりましたね。」と診断すると「病欠最後の日」は水曜日(3日目)と病欠届けに記入して印を押します。それを持って職場や学校に提出しないといけません。もしまだ病気と診断されると、さらに3日間、木、金、土が病欠の期間として追加されます。金曜日に元気になっても、土曜日まで「病気」です。

 そして、問題なのが自分はもう良くなった、と感じていても本当に治ったという医師の診断と印をもらうために診療所(病院)へ行かないといけないということです。

 Aという病気になった人が、Aはすっかり治ったので、それの証明をもらいに病院へ行き、待合室となっている廊下にいたら、たまたま隣に座った人や目の前を通り過ぎた人からBという病気をうつされる可能性があるということです。

 そしてBという病気を発症。また診察へ。そして元気になって病欠届の印をもらいに病院へ行って、待合室である廊下でCという病気に感染。次はCを発症し・・・ということも十分ありえます。

 そして病中の人も回復した人も同じ待合室(廊下)で待たされるので、すごく混んでいます。

 とにかくコロナでなくても、今は何の病気も怪我もしないに越したことはありませんね・・・。