12月23日。明日はクリスマスイブ。このぎりぎりのタイミングで、8月末、事実上の国外退去を強制されて、ベラルーシに帰国できなくなったカトリックの大司教、コンドゥルセヴィチ大司教に帰国許可が出ました。今日中にポーランドからベラルーシへ帰国し、明日のクリスマスミサを執り行うことになると思います。ベラルーシ国内のカトリック教徒は大喜びです。
先週末にバチカンからローマ法王の使節団がミンスクを訪問し、ベラルーシ大統領とコンドゥルセヴィチ大司教の帰国について協議されていたようなのですが、内容は公表されていませんでした。
しかし昨日、22日にコンドゥルセヴィチ大司教が帰国できるらしいという報道が流れ、今日正式に大統領から帰国許可を出したと公表されました。
クリスマスイブまでに滑り込みで帰国できますね。一方でクリスマス後はどうなるのか状況は分かりません。再び大司教が国外に行かないといけなくなった場合は、また帰国できなくなるかもしれないので、ベラルーシから出国にしないようにするかもしれません。一方で大司教になると、バチカンへ行かないといけないときもあるのです。こういうとき、バチカンがどのように判断するかにかかっていますね。
またこれでカトリック教徒がベラルーシ大統領を支持するようになるとは、とても思えません。
ちなみにバチカン市国は、北朝鮮、ベネズエラ、そして日本などと並んで、ベラルーシ大統領に信任状を提出しており、ルカシェンコ大統領がベラルーシの大統領であると認めている数少ない国の一つです。
今から考えると、バチカン市国は宗教国(みんな仲良くしましょうよ、平和的に解決しましょうよ、話し合いましょうよ・・・という考えが根底にある)でもあり、またコンドゥルセヴィチ大司教が見方によっては人質に取られていたようなもので、刺激しないほうがよかろう、コンドゥルセヴィチ大司教の件は話し合って解決すべきであり、そのためには話し合いの土俵そのものを作っておっかないといけないし、そんなわけでルカシェンコ大統領を大統領として認めておかないと・・・という考えがあったのでは? と私は思います。
つまりバチカン市国が、ベラルーシでの独裁政治や恐怖政治を認めているわけではないということです。(日本政府がそれまではEUと足並みをそろえていた態度とは一変、ルカシェンコ大統領を認めるような姿勢を見せたのは、どうしてなのでしょうか。深遠な考えがあるのか、それとも何も考えていないのか、あるいは考えたけれど明確な答えが出せなかったのか、あるいは考えているけれど、それを悟られないように考えてないふりをしているのか何なのか・・・)
来年戦争が始まるかもしれないという予測も出ているような状況で、誰が敵で誰が味方なのか見極めないといけない時期が近づいています。
EUなどがベラルーシに制裁を発動しましたが、それのお返しにベラルーシ政府もEU諸国に対して制裁を発動しました。ベラルーシとEU諸国の交流なども減り、貿易などにも影響がすでに出ています。
このような状況なのに、イギリスでコロナウイルス変異種がイギリスや他のヨーロッパの国でも発見されているのに、ベラビア(もちろん国営)はイギリスの旅客機の離着陸を停止していません。
ジョージノの刑務所内とされる画像がネット上で出回っています。スマホで撮影されたもので、どのように撮影されたのか詳細は不明です。刑務所内に携帯は持ち込めないし、この画像がどのようにネットに投稿できたのかどうかもはっきりしていません。
もし本物だとしたら、警察が持ち物や差し入れのチェックをしていないのか、警察の予想を上回る方法を誰かが思いついたのか・・・と思います。
もしかしたらフェイク、あるいは合成かもしれません。もっとも本物として見ると、監房内と思われる部屋に二段ベッドが二台、そしてその間に小さい机と細長いベンチ2台(1台に二人が座れる大きさ)があり、そこに17人が収容されていました。
元ミス・ベラルーシのヒジンコワさんが服役中に受けた非人道的扱いについて、人権擁護団体が検察庁に訴えましたが、書類が不足していることを理由に訴えは退けられました。
12月23日夜になりましたが、まだコンドゥルセヴィチ大主教はベラルーシに帰国していません。正式な帰国許可が届いていないとのことです。しかしクリスマスイブのミサには間に合うよう帰国する予定だそうです。
今日、ベラルーシ大統領はグロドノにある正教女子修道院長ガブリラにスカリナ勲章を授与しました。
他にも大統領から国会議長や前保健相にも功労章が次々と授与されています。