12月30日。今年もあと2日です。
前内務相は、治安維持のためには最低限の暴力は必要だ、と発言しました。
つまり犯罪者を拘束したり、取り調べをするときに暴行したり拷問したりするのは、多すぎはいけないが適度なものであれば、それはよいこと、よい仕事をしている、ということです。
ベラルーシ大統領は軍事基地を訪問し、治安部隊員に旧年の労を労いました。治安部隊長は大統領に防弾チョッキをプレゼントしました。
ミンスク市役所は、ミンスク市内に現在6万7千人の失業者がおり、そのうち1万200人は10年以上働いていないというデータを公表しました。ミンスクの人口は約200万人です。ミンスクに住んでいないけれど、仕事はしています、という近郊の町の住民も多いです。
ちなみに1万7000人分の求人もあるそうです。
ベラルーシは日本でも話題になったニート罰金法のある国ですよ。ミンスクだけでこんなに大勢の人が罰金を払っているのですね・・・。
また、ベラルーシには多子家庭が現在11万2000 世帯もあるそうです。多子家庭とは、18歳未満の子どもが3人以上いる家庭のことで、さまざまな福祉を得られます。ベラルーシ政府が少子化対策を推し進めた結果、過去5年の間に多子家庭は40%増えました。
ベラルーシは少子化が進んでおり、それが社会問題になっていたのですが、ベラルーシ政府の対策により2005年に出生率が上昇しました。その後上昇し続けることはないのですが、以前は一人っ子が多かったのに、今は3人兄弟が珍しくなくなりました。
少子化対策は目を見張るほどの成果はないですが、ある程度成功していると言ってよいです。
一方で、子どもをたくさん産んで育てても、その子どもが大きくなってから「ベラルーシには言論の自由もないし、いやだ。自分の政治思想は独裁政治に反対だ。ずっと不景気で給料少ないし。」などと不満を持って、国外へ移転、就職、亡命などしていては、結局ベラルーシの人口は増えないんですよ。
コロナウイルスの自己隔離期間が終わらないうちに、ベラルーシから出国しようとした人44人がミンスク空港で出国を止められました。
明日は大晦日。12月31日午後11時45分、日本では「ゆく年くる年」が始まる時間ですね。ベラルーシではこの時間にベラルーシ大統領が国民に「挨拶(演説)」をします。今年はどんな内容になるでしょうか。毎年同じ部分もあって「来年は平均月収が◯倍になる。」というのが多いです。要するに翌年は景気がよくなり、収入が増えるということです。これを毎年のように話しています。
私などは、今年の大統領の挨拶の内容が以前とは変わるかなあと思っているのですが、反政府派の人たちは、ルカシェンコ大統領の挨拶など聞きたくない、だってルカシェンコ氏は前大統領だと自分は思っているので。そう、あの大統領選の結果はまちがっているからね。それより、真の大統領であるチハノフスカヤ氏の「挨拶」を聞きたい・・・と話しています。
ちなみに、ベラルーシ人は「日本では12月31日午後11時45分になったら、総理大臣が日本国民に向けて、新年のお祝いや、来年日本はこんな国になります、といった新年の抱負をテレビで放映するのでしょ?」と私に聞いてきます。日本の総理大臣は大晦日のそんな時間帯に15分も全国民に向けて演説などしない、と答えると「じゃあ、天皇が演説するの?」ときかれます。それもしない、と答えると、日本という国は変わった国なんだろうか?という顔をされます。誰が国の代表で、誰が国民に年末のメッセージを送る担当になっているの?とふしぎに思うようです。
仕方がないので、毎年「日本は別名、日出ずる国だから、夜中の政治家の演説より初日の出のほうが大事。」とか何とか説明しています。