滋賀年金者ジャーナル

全日本年金者組合滋賀県本部の公式ブログです。

前進座 「夢千代日記」 の 事前学習会

2013年08月28日 | 彦根・愛犬支部
 年金者組合員が大勢参加している 「ひこね演劇鑑賞会」 は 今日8月28日、前進座公演 「夢千代日記」 の 事前学習会 を 開きました。

講師として、前進座の俳優で 「夢千代日記」 の 脚本と演出を担当している 志村智雄 (しむらのりお) さん が わざわざ 彦根まで 来てくださいました。

    

志村智雄さんは、 1944年7月6日生まれの69歳。

早稲田大学卒業後、 東京演劇アンサンブル付属養成所を経て1970年入座、 同年 『肥後の石工』 が 初舞台。

主な出演舞台は、『青べか物語』 蒸気河岸の先生役、 『さぶ』 さぶ役、 『銃口』 北森政太郎役、 『今日われ生きてあり』 香坂司郎役 (主演) など 多数。

65歳で前進座を定年退職した後も、他の劇団の脚本や演出を手掛けるなど幅広く活躍中です。



    

 志村智雄さんは、まず 「夢千代日記」 誕生のエピソードから紹介しました。

 原作者の早坂暁さんが16歳の 昭和20年8月21日、戦争が終って、海軍兵学校の防府から松山に帰省する途中、

広島に停車し夜の街を見た時、一面に火が出ているのを見ました。

それは、死体から出る燐(リン)が燃えていたのです。

早坂さんは、まるで地獄絵図だと思ったそうです。

彼自身も、それを見て回ったために被曝者になったのです。

その時、突然、遠くから赤子の泣く声が聞こえてきました。

それが 「夢千代日記」 を 書く最初の出会いでした。

こうして、 体内被曝した赤ちゃんと同世代であろう吉永小百合さんのために 「夢千代日記」 が 書かれることになったのです。


 前進座としては、それまで 治安維持法、教師への弾圧、小林多喜二、特攻隊、東京大空襲などの 社会的なテーマを扱ってきましたが、

被爆65周年を機に、原爆についての芝居をやってみようということになり、早坂暁さんの 「夢千代日記」 を 読み、映像も見ました。

前進座としては、 「夢千代日記」 の舞台に、 前進座の特色である社会性のあるテーマを注入し、 合わせて 高齢者も楽しめる要素を加えたものにしました。


 前進座の女優は 今、すごく レベルが高いので、そこも 是非 見ていただきたい。

「夢千代日記」 には 芸者が出てきますが、今は 芸者の出来る役者がいるのは 前進座以外にない、

芸者をやるには、 踊りや三味線の素養が なければやれない。

前進座の芸者は、 新橋や赤坂の芸者のように 品がいい。

早坂さんが芝居を見て 「夢千代は踊りが下手でいいんだよな、上手すぎるんだよな」 と 言ったように、

夢千代役の今村文美 (いまむら あやみ) は、 踊りが 上手すぎるんですよ。

踊りのお師匠さんだから、下手に踊れないんですよ、 それが課題なんです。


 「夢千代日記」 の公演を始めた時には、 福島原発事故は 起きていなかったんです。

それが、福島原発事故が起きてからは観客が 「夢千代日記」 の中で 「放射能」 という言葉を聞いた途端、 福島原発事故に 直結させてしまうんです。

広島の人は、 東京に広島産の物を送ると、ゴミ箱に捨てられたり、

広島の人と結婚してはいけないと 言われたり、

広島の人は、仕事についても長続きしないと 言われたりと、ずっと 差別され続けてきました。

そういうことを舞台の中でやっています。

まさしく、広島で起きたことが福島で起こるであろうということから、

この舞台は、衝撃的に 受け取られています。

これは、凄いことで、 「夢千代日記」 の 舞台が持つ潜在的な力は 大変 大きいと言えます。


 早坂さんの台本と違うのは 最後です。

すでに亡くなっているお母さんが登場、 夢千代が そのお母さんに対して、

「まだ 生きる。 闘える。 闘って 病気に負けないで 生きていく」 と 叫ぶんです。

これは、若い人に 元気をつけてもらうエール、

「我々も明日から頑張ろうじゃないか」 というエールなんです。

舞台を観て帰った人が、 「楽しかったね、また明日も頑張ろう」 と 思ってくれる芝居にしたかったんです。

これからも 公演を続けることによって、「夢千代日記」 を 進化させていかなければならないと 思っています。


 前進座は 「アカ」 呼ばわりされ 警察に弾圧され 修羅場を く ぐってきました。

その中で、前進座の先輩達が残してくれたのは、 たくさんの作品、 たくさんの支持してくれる観客、 今は売ってしまった我が劇場です。

前進座は、 民間で 歌舞伎が出来る唯一の劇団です。

これからも、皆さんと一緒に、 いい芝居をつくっていきたいと 思います。


  ひこね演劇鑑賞会の詳しいことは こちら

  前進座 「夢千代日記」 の詳しいことは こちら
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「守山・野洲支部だより」 8月号

2013年08月28日 | 守山・野洲支部
 年金者組合 守山・野洲支部の機関紙 「守山・野洲支部だより」 8月号 が 発行されましたので、紹介します。



    



    



    



    
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