双極性障害でアルコール依存症だった中島らもさんの闘病記録である。双極性障害を研究している加藤忠史氏推薦の書でもある。
中島らもさんはあの独特な語り口であったが、この自伝的闘病記である「心が雨漏りする日には」も彼の語り口を彷彿とさせる。そして何より筆力とでもいったらいいのだろうか、めちゃくちゃな話が多いのであるが、つい引き込まれてしまう。
双極性障害患者からの発信として、十分に読み応えがある。一方でその自由な生き方、病気との関わり方に驚かされる。
何にしても、こんなに才能のあった人が、階段から転んで亡くなってしまったとは残念な話である。
けれど、その死に方まで彼自身の選び取った演出ではないだろうかなどという夢想もしてしまう。