丼季報亭「8万時間の休息」

旅の記録や季節の便りそれに日々の思いを軽いトーンで綴ってみました。

285. 嘘のひとつも 芸のうち

2009-04-02 02:30:19 | 閑話

 

  気の利いた 嘘のひとつも 芸のうち

  今日こそは 世間をアッと 言わせたい


  かねてから 今年のエープリルフールには とんでもない嘘っぱちをブログに書いて読者を驚かせてやろうと思っていました。 さあ びっくりするような大嘘を考えよう。 さて どんな 話がよいのかと思い巡らせながら電車に乗って・・・。

 その日午前中 歯医者さんでの待ち時間に 病院の週刊誌「サンデー毎日」を読んでいたら、どうやら その野望?がどこかへ消え失せていました。 しょうのない性格ですねえ、どうにも。 安部 龍太郎の時代小説「蒼き信長」に目を通し始めたのが原因でしょうかしら?


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 「蒼き信長」では信長の娘 五徳の話に目を奪われてしまいます。 五徳すなわち織田信長の長女徳姫(1559年(永禄2年) - 1636年(寛永13年))生母は 信長の側室「生駒吉乃」といわれています。徳姫は松平信康の正室です。

 永禄10年(1567年)に徳川家康の嫡男、信康に嫁ぎました。 天正4年(1576年)には、登久姫を、天正5年(1577年)には熊姫を産んでいます。


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 しかし、いつまでも嫡子が生まれないのを心配した姑の築山殿が、信康に元武田家家臣の浅原昌時の娘で、部屋子をしていた女性を側室に迎えさせたため、この時から築山殿と徳姫が不和になったといわれています。

 ただし築山殿と徳姫は居城が別であり、また側室がいることが当たり前の時代においてそのようなことで嫁姑の仲がこじれたということは考えにくいところです。ここが第一の疑問点です。


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 しかし徳姫と信康が不仲であったことを示す史料として家臣の日記である『家忠日記』の中に、家康が信康、徳姫の不仲を仲裁するために岡崎へやって来た、と記されています。

 その頃信長も岡崎にやってきたことも記されており、信長も娘夫婦の仲を心配してやってきた可能性も推測できます。一時的にせよ夫婦仲がこじれたことがあったことは事実であるといえそうですが・・・。


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 天正7年(1579年)に徳姫は父の信長に、築山殿と信康の罪状(武田との密通など)を訴える十二ヶ条の訴状を書き送ります。

  この訴状を読んだ信長は、安土城に滞在していた家康の使者である酒井忠次を通して信康の殺害を命じます。第二の疑問点は信康の父親家康がこれに応じたことです。

 築山殿は8月29日に小藪村で殺害され、信康は9月15日に二俣城で切腹しました。 すなわち嫁いだものの、嫁ぎ先で夫と姑をいっきに失うという不幸に見舞われるのです。というより十二ヶ条の訴状は徳姫自身が書いているので自らの意思でそんな道を選んだのです。 


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 しかし、この「信長の十二ヶ条」は、後に加筆・修正された可能性があるとも言われています。第三の疑問点はここにあります。

 事件の発端となったはずの徳姫自身が信康弁明の為に安土に居る信長に会いに行くと家康に頼み込んだりするなど(山岡荘八著徳川家康による説)、信康切腹事件に関しては不可解な点が多く、近年では家康と信康の対立が原因との説も出されているほどです。


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 徳姫は自ら招いた数奇な運命を歩み、関ヶ原の戦い後は、尾張国の清洲城主となった家康の4男の松平忠吉から1761石の所領を与えられ、その後は京都に隠棲しました。1636年(寛永13年1月)没 法名は見星院香岩桂寿大姉。

 なお五徳の本来の意味は儒教用語「五常の徳」の略称で、儒教においては「仁」「義」「礼」「知」「信」の五つの徳をいいます。

 ただし安部 龍太郎著「蒼き信長」では「仁」「勇」「知」「信」「厳」と解説されています。 

 しかし信長と側室吉乃の間にできた最初の娘に 男の子ならいざ知らず 何故五徳と命名したのかも最初の疑問ですが。



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 歴史小説を読んでいると めらめらと色々な疑問が生じます。 もうこうなるとエープリルフールはどこへやら。

  嘘っぱちよりも 歴史の真実究明に関心を奪われてしまうのです。 やれやれ こんな性格では軽妙洒脱で 軽いのりのジョークなど とても思いつけませんね。

 「見てきたように嘘をつくのが得意なんだから、大嘘のひとつやふたつくらい いつでも思いつくでしょ?」 と誰かさんに言われそうです。はい



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今日もお立ち寄りいただいて有難うございます。

 

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注)ブログ記事のうち徳姫の詳細はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から抜粋・加筆したものです。


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