丼季報亭「8万時間の休息」

旅の記録や季節の便りそれに日々の思いを軽いトーンで綴ってみました。

445.--台湾の英雄の母が・・・・?

2013-05-17 10:36:34 | 旅の記録

 台湾一周十都市めぐり(3)台南・高雄

  2日目の午後は天候が回復、午後3時前には、台南市に到着しました。

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 台南市は台湾西南部に位置する都市。2010年12月25日、元台湾省支配下の台南県と台南市を合併し、省から分離して新たに中華民国の直轄市となりました。

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 台湾島で最も早くから開けた地区の一つであり、オランダ人はここに根拠地ゼーランディア城を置きました。
清朝時代初期の鄭氏政権下の台湾の首府であり、政治・経済・文化の中心地でもありました。

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 日本統治時代に台湾の中心地は台北に移ったものの、その後もしばらく台湾第2の都市として発展しました。現在は台湾五大直轄市の一つで、合併後の人口は約187万人(2010年12月)。

 多くの旧跡が残り、現代的な都市景観と併存していることから、「台湾の京都」と呼ばれることもあります。

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 台南最初の訪問地は17世紀にオランダ軍によって建てられた赤嵌楼です。赤崁楼(せきかんろう)は別名を赤嵌楼、紅毛楼 とも称し、台湾台南市中西区に位置する、オランダ人によって築城された旧跡です。

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 原名は「プロヴィンティア」(Provintia、普羅民遮城)と称し、1653年にオランダ人と漢人の衝突事件である郭懐一事件」(1652年)の後に築城されました。

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 この壁は積み上げたレンガを砂利と石灰ともち米を擂った物でつないでいますが、400年近く経過しても壊れず残っています。


 オランダ軍に征服されようとしていた時期に 南京で大敗した鄭成功が台湾を占拠すると、プロヴィンティアは東都承天府と改められ、台湾全島の最高行政機関となりました。現在は中華民国内政部により国家一級古蹟に指定されています。

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 日本の歴史教育では馴染みの薄い鄭 成功(てい せいこう:(1624年-1662年)ですが、中国明代の軍人、政治家です。 清に滅ぼされようとしている明を擁護し抵抗運動を続け、台湾に渡り鄭氏政権の祖となった人物です。俗称を国姓爺。台湾・中国では民族的英雄として描かれています。

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 これだけなら、隣国の歴史上の人物でこの話はおしまいなのですが、 鄭成功の母親は田川マツ(たがわ まつ、1601年 – 1646年)といい、江戸時代の肥前国平戸藩士田川七左衛門の娘。驚いたことにれっきとした日本の武家の娘です。

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 マツは当時平戸を本拠に活躍していた明国福建省の海商、鄭芝龍の妻となり、一子鄭森こと後の英雄・鄭成功を生みました。 鄭森が6歳になったころ、鄭芝龍の故郷の福建省に、親子ともども移り住みましたが、1646年、清による福建侵攻の際、清軍に邸内に攻め込まれ自害して果てました。

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 鄭成功は、1661年に台湾を占拠していたオランダ人を追放し台湾を、本拠地とするも彼自身の目標である「清に反抗し明を復活する」ことを果たす事無く翌年死去し、その後の抵抗運動は息子の鄭経に引き継がれました。台湾台南市には、1663年に鄭経が鄭成功を祀った鄭成功祖廟があります。

 また台湾と関連していた時期も短い期間でしたが、台湾で最初の漢民族政権を打ち立てて台湾開発を促進する基礎を築いたことはこの国にとって偉大な事実なのです。

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 今日では台湾の漢民族の「開発始祖」として社会的に極めて高い地位を占めています。

 国共内戦に破れて台湾に敗走した中国国民党にとって、いきさつの似ている鄭成功の活躍は非常に身近に感じられており、中華民国海軍のフリゲートには成功級という型式名がつけられているほどです。(一号艦名が「成功」)


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      ***上図は長崎県平戸市千里ヶ浜の児誕石(じたんせき)***
 1624年7月14日マツはその子(鄭成功)を妊娠中に貝拾いをしているとき、急に産気づき、岩にもたれかかり出産したのだそうです。その岩は今でも平戸市川内港の近くの千里ヶ浜に「児誕石」として顕彰されており、地元川内地区では毎年この日に「鄭成功まつり」を実施しているそうです。

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  さて二日目の昼下がり、約50kmの行程を約1時間で台湾第二の都市高雄へ向かいました。

 高雄市(たかおし/カオシュンし、中国語:高雄市、英語:Kaohsiung)は、台湾南部に位置する台湾第二の都市です。高雄は、寿山というテーブル状の大きな台地(標高200m)のふもとに位置する港で、海からの目当てになる山と、旗津という名の砂州に保護された潟は、古くから良港として知られていました。

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 高雄に着くと、翌朝訪れる予定の蓮池潭と寿山公園へ一日繰上げて行くことになりました。

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 蓮池潭(れんちたん)は、台湾の高雄市左営区にある人造湖です。極彩色の塔や廟が湖畔を彩る蓮の咲く湖で有名な観光スポットになっています。

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 敷地内にある春秋閣は1951年に建てられ、1976年に、建てられたという龍虎塔は台南を代表する建物なのですが、この日は虎が工事中。塗り替えのため真っ白(-jjj-)になっていました。

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 本来なら こんな感じだったのですが・・・。 ちょっと残念!!

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 一日繰上げ訪問地の第2弾は高雄の街を一望できる寿山公園です。

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 寿山(壽山)または柴山は、台湾南部の高雄市南西の浜海に臨んで位置する山の一つで、高雄市の海の自然の障壁です。その地質は隆起したサンゴ礁の石灰岩に属し、天然の洞穴が非常に多く、山の上に寿山公園、竜泉寺、千光寺、法興寺、元亨寺、忠烈祠、動物園などの観光名所があります。

 その中の寿山公園では、山頂にて高雄港の眺望や西子湾に沈む夕日、高雄市の夜景を鑑賞することができます。

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 その昔 ここから海賊が海を一望し、台湾海峡を通過する商船の通過を見張っていた場所でもあります。

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 寿山公園を後にして 2日目の宿泊先「統茂休間飯店」(Toong Mao Resorts Hotel Kaohsiung)到着。

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 思えばこの日はたった一日で台湾西域にある台中・鹿港・台南・高雄 4ヵ所訪問の強行軍でした。
 三日目は高雄から峠越えし、台南・花蓮を目指します。次回は東海岸北上のご報告です。

 今日も お立ち寄りいただき 有難うございました。

お時間があるときにでも、またお気軽にお立ち寄りいただければとても嬉しく思います。

注)ブログ記事のうち鹿港・台南・高雄および鄭成功 については 「 Wikipedia 」 などから転載・加筆したものです。 


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