台湾一周十都市めぐり(2)日月潭・鹿港
2日目の朝です。 朝2番目の訪問地は雨模様の日月潭です。
日月潭(じつげつたん)は台湾南投県魚池郷に位置し(ダム湖を除き)台湾で最も大きな湖です。
湖の北側が太陽(日)の形、南側が月の形をしていることからこう呼ばれます。
日本統治時代 (1918年) に、当時台湾総督だった明石元二郎と高木友枝率いる台湾電力株式会社が水力発電所を建設するため、台湾で最も長い川である濁水渓から地下導水路で水を引く計画を立案。
翌年台湾電力株式会社を設立し建設を開始。途中資金不足や関東大震災による影響などで計画は中断。紆余曲折を経て1928年に計画が再開され、1934年6月にダム湖と発電所が竣工しました。
結果、湖面の面積は4.55km²から7.73km²に拡大したのです。この発電所は、戦後1948年7月に「大観水力発電所」となり、現在、発電量は台湾の水力発電全体の半分以上を占めています。
台湾の水力発電は日本人が計画し、竣工したのです。ガイドの朱さん曰く「日本統治がなければ台湾の発電の歴史は変り、電化はずっとずっと後になった。」と
日月潭の代表的な見どころであるのが文武廟です。日月潭の入門ゲートから近い場所に建つ、最初のスポットでもあります。
中国宮殿様式の荘厳な建物ですが、その入り口では、どこかユーモラスで巨大な2頭の赤い獅子が迎えてくれます。
この廟は孔子、関羽、岳飛とその弟子たちを祀っていますが、複雑な歴史的背景から、日本にあるオリジナルの孔子、孟子、子思子の三尊のレプリカを、廟内に安置しているそうです。
廟の中を歩くと、緻密な彫刻がほどこされた石の壁で溢れていました。彫り物はとても人間業とは思えない緻密さで、思わず3Dプリンターと彫刻の製造コストをイメージしてしまいましたが、この国も宗教法人は無税なのだとか。お寺さんてのはどこの国も同じなんでしょうかね?
動く石像・この中には人間が入っていてチップを渡すと動きはじめます。
湖畔をドライブした後で 田舎料理の昼食を摂って、工芸品店一箇所訪問。
その後、約1時間30分ほど走行しかつて貿易で栄えた鹿港へ向かいます。(約110km)
鹿港鎮は彰化平原北西部の鹿港渓北岸に位置しています。西側は台湾海峡に面し、東は秀水郷と、南は鹿港渓を隔てて福興郷と、北は番雅溝を隔てて線西郷及び和美鎮と接しています。鹿港は台湾西岸の中間に位置し、清の統治時代には天然の良港として商業の中心地として発展しました。
鹿港一体は台湾原住民平埔族パゼッヘ族の居住地であり、Rokau-anが台湾語音で宛てられて鹿仔港のちに鹿港となったといわれています。 ただ語源については次の説もあるようです。台湾の中部に鹿が多く生息しており、その鹿が海辺に集まっていたことから鹿仔港、後に鹿港と簡称された。とか、地形が鹿の形に似ていたことから鹿仔港と称されるようになったとか。
他にも 昔は米穀の集散地として栄えており、米穀を保存しておく倉庫を鹿と呼んだことから鹿仔港となった。これは現在の美市街をかつて米市街と称していたことも傍証と言えます。
港町である鹿港には、細いT字路や曲がりくねった道が多く見られます。中でも有名なのが当時の形がそのまま残っている九曲巷です。
旧暦の中秋節が過ぎると「九降風」という東北季節風が吹くことから、強風や砂埃を防ぐために作られた道で、レンガ造りの壁や通風性を保つ壷壁の旧家を両サイドに眺めながら、タイムスリップしたような気分に。
その昔は出入り口に扉があり、不審者の侵入を防いだ他、寒い時期には防寒空間として使われたそうです。
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九曲巷に入り50メートルほど進むと、赤レンガと緑の瓦で作られた包馬樓が見えます。これが十宜樓と呼ばれる、向かい合う建物をつないだ渡り廊下のようなものです。鹿港が港町として栄えた時期、文化人たちがここに集まり、酒をたしなみ、月を愛でながら詩を詠み、優雅な一時を過ごしたのだそうです。
古市街は埔頭、瑤林、大有の三つの街路を指します。曲がりくねった赤煉瓦の路地の両側には修理が施された旧式の家屋が並んでいます。
生活の匂いが漂う外観や絶妙の内部構造。ここの路地裏にこそ本当の鹿港の風貌を見ることができます。瑤林街と埔頭街は昔の鹿港の重要な商業地区で、今は国の文化財とされています。
古市街でのことです。 ガイドの朱さんが果物やさんで台湾バナナを購入しツアー客全員に配りました。
「へえ、これが本当のバナナの味か」「バナナってこんな美味しいんだ。」皆で感心しながら食べたこのバナナは、生涯で最高に美味なバナナでした。
記憶に残るバナナの味で印象的な鹿港を後にして、次は歴史ある古都台南へ向かいます。(約60km・約1時間)
次回は古都台南についての報告です。今日も お立ち寄りいただき 有難うございました。
注)ブログ記事のうち日月潭・鹿港については 「 Wikipedia 」 などから転載・加筆したものです。