54. あぶさんと年金
年金の給付請求の申請に 三鷹にある社会保険事務所へ出向いた。途中道が混んでいて予定より1時間近く遅れ、着いたのが午前10時半を回ったところであった。
予想通り大勢の人で溢れていたが受付番号は「42番」であった。受付番号「24番」を現在接客中と表示されていた。
すでに待っている先客が17人いた。「2時間前後待つことになる」と受付の女性の話。年金の給付請求手続ってそんなに時間が必要なものなのか。事務所の外へ出てお茶を飲めそうな場所を捜したが見つからない。ランチタイム準備中の軽食レストランを見つけ 1時間程度、本でも読むことにした。
レストランで「ビッグコミック・オリジナル」を見つけた。懐かしくなって手に取ると水島新司作「あぶさん」がいまだに連載されている。「黄昏流星群」や「三丁目の夕陽」などコミック誌を離れてもう四半世紀近い。
電車の吊し広告で「あぶさん」はまだ現役を続けていることは知っていた。「あぶ」の長男景虎は阪神タイガースへ入団していた。しかも5月20日号では景虎に子供が出来て ついにあぶとサチ子が「じじ・ばば」になるとのストーリーであった。
1時間後受付に戻り待合コーナーで電光掲示板を見ると「34番」の表示。1時間で10人しか相談?が済んでいない。しばらく待っている内に様子が分かり、あきれてしまった。
壁に昨今の年金相談に必要な時間が掲示されている。一人当たり平均30分必要であるとの記述。 相談待ちの人数が5人程度なら30分以上 10人程度なら1時間以上 20人程度なら 2時間以上待つことになる と大書した紙が掲示されていた。
三月のマスコミ各社報道によれば 該当者が不明の「宙に浮いた」年金記録約五千万件のうち、名寄せ(照合)作業を終えても、四割に当たる二千二十五万件は持ち主が特定できなかったのだそうだ。
五千万件の中には、「持ち主と結びつく可能性のある記録」が千百七十二万件ある。注意を呼びかける「ねんきん特別便」を送っているものの、これまでのところ、自分の記録に漏れのあることに気づいた人はほんの一握りだ。
全体を通じても、基礎年金番号に統合までできたのは四百十七万件、わずか8%にすぎない。
そんなこんなで社会保険事務所の窓口には人が押し寄せ 毎朝午前8時半には20-30人が業務開始を待って並んでいるという。
年金の金額に疑問を持ち個別の相談に見えている人たちと 新たに給付の請求手続きに来た人が同じ窓口で受け付けられ 同じように番号札を渡されている。両者を同じ係が 同じ窓口で受け付け 相談に応じている。
そもそも年金受け取りの資格が出来たばかりの給付手続には一人10分と必要としないのに なぜこれも年金相談なのか。このままでは年金相談窓口は混雑するばかりではないのか?
お昼休みも交替で勤務している窓口要員のおかげか 午後0時半には手続きを終えることが出来た。「制度共通年金見込額照会回答票」という名の印刷物を受け取ったが、解説無しではとても判読できないものであった。
終わり間際に給付請求手続と照合確認依頼などの相談窓口を別けてはどうかと聞くと「そんなこと出来るわけがない」と怪訝な顔をされた。社会保険事務所を後にしたのは受付の2時間後であった。
50歳を超えても現役を続ける「あぶさん」は年金など縁が無い世界で生きていくであろう。しかし現実の世界に戻ればささやかな年金だけで生活している老夫婦や独居老人は増え続けている。
名寄せや照合のための費用も国民の税金から出て行くのである。国民の大切な金を預かり管理すら出来ず、国民に無為な負担を増やし続けている社会保険庁関係者はその責任をいったいどう考えているのだろう?
社会保険庁は住民基本台帳ネットワークのデータとの照合など、特定作業を続けるというが、効果は不明で、いつ終わるかのめどもたっていない。
ほかにもブログを公開しています。
◆4Travel.「Donkyさんの旅のブログ」」(2013年6月投稿開始)は
URL:http://4travel.jp/traveler/donky2013/
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長文のご報告・コメント有難う。
名古屋の事務所は 問題意識・CSマインドのある責任者がいるみたいでよかったね。
三鷹も 職員一人一人は気の良さそうな感じで腰を低くして丁寧に応対はしていたのですよ。
ただ 受付の仕組(振り分け)に問題があって、受付の女性(おばさん)も今ひとつでしたね。
「丼」
コメント&ぽちっと 有難うございます。
ぽちっとの 初体験でしたか?
いったい何がウランさんの潜在心理にまで忍び込んで
長年の行動基準まで変えたんでしょうね?
お手数かけました。
「丼」
先日、母親にも年金特別便が来ました。最初は自分で行ったのですがどうも納得がいかない様子なので、後日私が付き添って行きました。
社保庁はどうやら、特別便をバッチで送っているようで、特別便発送の次の日は4時間待ち等発生するのですが、3日くらい置くと1時間待ちで済むようです。
また、丼さんご指摘の用件別で相談受付を分ける案ですが、私が行った近所の社会保険事務所では実現されていました。
銀行と同じ受付の機械があり、横におじさんがいて最初にどんな用件で来たのか一人ひとり確認して、ならぶべき列に間違いがないかちゃんと確認して札を取らせていました。さすがに特別便の列が最も長いのは言うまでもありません。
一方、私の最寄の社会保険事務所には待ち時間の掲示はありません。なので年金特別便相談の人で要領のいい人は札をもらって外でお茶しているという感じでした。
もし、丼さんが三鷹でなく私が行った社会保険事務所であれば滞在時間10分ほどだったことでしょう。
運営方法はそれぞれの地域に任されているのでしょうかねぇ。
ところで、その社会保険事務所ですが私は悪い印象はなく、むしろどうしてこの人たちが責められなければいけないんだろうという思いでした。
そこは役所というより野戦病院という感じでした。
年金相談の人を少しでも多く迅速に対応するために1階のフロアーの空きスペースに簡易机を設置して係りの人が対応しています。それでも場所が足りないので2階を利用しているようでした。
足の悪いおばあさんの番になったとき、たまたま2階で受け付けている担当の人にあたりました。
その担当者は「狭いですけどそこの机でもいいですか?」と1階の記入するスペースで対応していました。個人情報大丈夫なのかと見ていましたが、周りの待っている人が気を使って自然とその近くから離れる、近寄らないようにしていました。
対応している人は柔軟に、待っている人は節度を持って・・・。少しびっくりしました。
母親の番のとき、うわさに聞いていた勤務先クイズをやるのかと思ったのですが、以外にもパソコンの端末の画面を見せてくれていろんなパターンで母親の名前、旧姓、会社名の一部を入力して探してくれました。
データ化されていないものは探せないのですが、その担当の人がアクセスできる範囲のものは惜しみなく提供しようとする意思を感じました。
また、データ化していない部分への対応や、母親の年金状況等、分かりやすく説明してくれました。
民間企業の営業や技術者でもなかなかあれほど分かりやすく納得のいく説明はまれです。
たまたま当った担当者が優秀だったのかもしれませんが、少なくとも私が見た事務所の中の人たちは皆、機転の利くCSの分かっている人だと感じました。
東京都民でなくてよかった。
どうしてもしたくなりました。
不思議な気分です。
そんな自分にびっくりしてます。
理由?
わかりません。
あれだけの 失態と国家的損害を与えた組織が人事院の勧告通りに賞与・給与を受け取り 公労協・社労協は 何のコメントもしないでいる。
労組の幹部名を公開したら 彼らは殺されるかも知れません。
「丼」
受付で「申請者と相談者を分けては?」と言う助言すら一笑に伏すようなケンモホロロな態度に、私は腹が立ちました。
あなたがたが気がつかない事を助言したのにそれを検討もしない態度。
これでは、何も改革はできません。
改革をしようとすら思わない態度は変革など程遠い話です。どうしたら変われるのでしょか????