相場三昧 マーケットウォーカー

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ー相場三昧伝ー(全八十九章) 最終回

2011-12-11 14:55:52 | 相場三昧伝

本間宗久は、江戸時代、享保年間に、庄内米の集散地として著名な出羽国
酒田港で米相場をやり、巨富を得ました。宗久翁が残した秘伝書は米相場を
ベースにしたものですが、今の市場でも手本になるほど、示唆に富んだ、
鋭い観察といえます。そして、彼の教訓や文章を後世の人が、罫線に集大成
したものが、所謂「酒田法」です。


☆第八十九章
 「この書、見せ申すまじき」

この書、懇意の間柄にても、必ず必ず、見せ申すまじきなり。全く、われ一人
富まんとにはあらず。この書をよくよく見極めもせず、心安きものに心得、
売り買い致し候えば手違いになり、時により身上にかかわり、恨みを受くる故
に、必ず必ず他見無用のこと、秘すべし秘すべし。特に三位で伝は天下稀なる
法立てにて知るもの数すくなし。この法にしたがって、売り買い致すときは、
福徳利運にして、損するということなし。大切に心得、秘蔵すべし、慎むべし
秘すべし。

この書はたとえ懇意の間柄の人であっても見せてはならない。これは何も自分
一人だけが儲けようと思うからではない。この書の真意をよく理解もせず、
安易に自己流に解釈に、相場に手を出すと、手違いが起こり、時によっては
身を滅ぼし、恨みを受けることになるからだ。したがって、他人に見せること
は、厳に慎むべきである。特に三位の伝は天下に稀な秘法であり、知る人も
少ない。この法に従って、売買すれば利運に恵まれ、損することがない。
大切に心得、秘蔵し、他人に見せることを慎み、そしてよく読んで理解する
べきである。


Gregg Karukas Girl in the Red Dress
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ー相場道の極意ー(全八十九章) あと二回

2011-12-09 14:01:53 | 相場三昧伝
本間宗久 相場三昧伝

☆第八十七章
 「慰み仕掛け禁物」

相場が保ち合いのとき、大きくは取れないが、「少しくらいなら・・・」と
軽い気持ちで、ついうっかり仕掛けることがあるが、これはよろしくない。
慎むべきである。この相場は「買い」(逆に売りも)と思って、一旦仕掛けて
しまうと、なかなかこの考えから離れられないものである。玄人なら、これは
失敗と気がつくとすぐ見切りができるが、一般の人はそうはいかない。例えば
最初百両売って、その後相場は上がると、最初の百両欲しさに買戻しを忘れ、
さらに売り上がることになる。そして、最後は売り返しも買い返しも出来ず
結局、にっちもさっちも行かなくなる。これは最初の商いを、ついうっかり
仕掛けるからであり、最初が肝心である。例え、百両仕掛けるにしても、とくと
相場の流れや、目標、出来高などを考えて、慎重にスタートしなければならない。


☆第八十八章
 「秋米は売るべからず」

秋米は何程上作にても売り方すべからず。心に叶わざる相場の時は休むべし。
若し、夏中より古米高値安値の釣り合いにて、二十五六俵より始まる年は、
当分売り方もしかるべく、金高無用、二~三百両に限るべし。

(当時の米相場によく当てはまる)


Euge Groove - Chillaxin
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ー相場道の極意ー(全八十九章)

2011-12-08 11:42:52 | 相場三昧伝
本間久宗 相場三昧伝


☆第八十五章
 「金高定め仕掛けのこと」

相場をやるときには先ず自分の分限に応じて、どのくらいの資金で売買すべきか
決めることが大切である。買い方針ならば先ず少し仕掛け、これが利食い勘定に
なってきたら、段々に買い増し、最初に決めた数量を仕込む。そして予定量
買ったら、あとはアヤに一喜一憂せず、「上げ」を待つがよい。この場合、最初
立てた目標で利食うことが肝心であるが、応々にして勢いづいて上げてくると
欲に迷い、勝ちに乗じて、身分不相応に買い乗せする。これが結局手違いのもと
になる。最初に決めた数量で、しかも最初の目標値で、確実に利食うことが
大切である。これは勿論、逆(売り方)も真なりである。


☆第八十六章
 「売り気に赴くべし」

相場が目標近くで急騰するような場合には「ここは売った方が良い」と売る気
を起こさなければいけない。逆に、ダラダラ下がってきた相場が急落した場合は
「そろそろ買いの水準にきた」と買い気を起こすことが大切である。
このように、買い気・売り気を持っていないと、人気に雷同して、天井圏で
買いつき、底値圏で売るような破目になる。
この心を持つ事が、相場で成功するには大切である。




Yasuko Agawa - L.A Night
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ー相場道の極意ー(全八十九章)

2011-12-07 13:54:34 | 相場三昧伝
本間宗久 相場三昧伝


☆第八十三章
 「目標決め片買いで対処」

 一日の相場を考え商い致すは、宜しからず。三位の伝を以って高下を考え、
上げ下げ二つの内、何程より上げ、何程まで下げ、何程にて止まる、その節
上方相場この方作合いを考え、終始は如何と丹念致し、例えば買いに付く時は
この間の狂い上下にかかわらず、立羽を極め、しっかりと買い出すべきなり。
思い入れ当たり、引き上がる時は勘定の通り取り留むるものなり。しかるを、
安きところにては買い心掛け、高きところにて売りと心掛けるは金高にばかり
なり、手取り不足なるものなり。
上がると見込む時は米の一体を考え、片買いと心得べし。若し又、了見違う
時は早速売り返し、休み、とくと米の動きを見るべし。その節、弱く相見え、
売り過ごすこと易きものなり。はなはだ宜しからざるなり。
是非、引き下げ候と存じ候ても、売らず、休むべし。天井行き付け値段の後、
売り方に赴くも、同じ心持なり。


これまでの教えの繰り返し部分が多いので原文にて。


☆八十四章
 「三度より商場なし」

相場というものは一年に二~三回の仕掛けチャンスしかないものである。
この相場は二~三ヶ月は上がると見定めてから仕掛け、買ったら最後、
途中のアヤは無視して、目標まで頑張るべきである。勿論、この逆も同じ。
少しでも心もとなく、不安なことがあれば何ヶ月でも様子を見て、「ここぞ」
と思うチャンスを待ち、そこで仕掛けるべきだ。年がら年中仕掛けたり、
アヤに一喜一憂して気を動かしていたんでは、決して良い結果は出ないもの
である。
「商機」「勝機」というものは、一年中毎日毎日あるわけでなく、冷静に
そのチャンスを捉えていきたいものである。


EL LATINO & Ms.OOJA feat.HOKT,DJ☆GO - My Girl a.k.a..Rabbit Love
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ー相場道の極意ー(全八十九章)

2011-12-06 13:15:01 | 相場三昧伝
本間宗久 相場三昧伝

☆第八十章
 「平日、仕掛けの心得」

常日頃、懸命にこの相場は上昇過程なのか下げ相場なのかを考え、仕掛ける
ことが大切である。この際は三位の伝や今まで説明してきたことをよく考え、
参考にして、決めていくべきである。


☆第八十一章
 「買い気進み立つとき」

自分が買っている時は、人の意見や材料、現在の相場の水準などは眼中になく
なってくる。そして思惑が当たってグングン上がり始めると、「これはどこ
まで上がるかわからない」「利食いどころか買い乗せだ」などといって買い気
が強くなった際は、この書の教えを守り、自分の存念を捨てるべきである。


☆第八十二章
 「年中商い年の内にある時」

年がら年中、相場を仕掛けているときは利運が遠のく。自分の建て玉にのみ
気を取られ、冷静に相場の流れを捉えることが出来なくなる為だ。だから、
時々、商いを手仕舞って休んで時の情勢や相場の推移を見守り、現在の水準が
どの時点にあるのか、検討する事が大切だ。


Paul hardcastle - the sun says goodbye
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