本間宗久 相場三昧伝
☆第七十八章
「相場高下の論すまじき」
どんなに心安い人であっても、売り買いをすすんで勧めてはいけない。
もし見込み違いから損をさせると、のちのちまで恨みを買うことになる。
本来、相場は先行き高いとか、安いとかを議論すべき性質のものではない。
相場をよく心得ている人は自分の了見(方針)も立てずに、専ら人の
意見ばかりで、売ったり買ったりすることはない筈である。
少しでも相場を当てると「それ見たことか!」とばかり驕り高ぶり、自分の
意見をペチャクチャしゃべりたがるものであるが、これは最も慎まなければ
ならないことだ。
勿論、しっかりとした見通しを立てて、人に説明すると、その人もその気に
なり、多少は利を乗せることが出来るが、最後の手仕舞いが上手く行かず
結局はたいして儲からない。自分が「こうだ」という確たる見通しを固め
たら、はたからのどうのこうのと言う意見は無視して、自分の考えで売買
すべきである。
☆第七十九章
「前年の心を離れる」
以前に売りで儲けた人はとかく売りに走りがちで、何かにつけては売り
たがる。これはもってのほかで、相場の上ではよろしくないことである。
新米が出始めた時には、前の年の気持ちはすっぱりと捨てて、その年の
作柄や在庫の量、人気など考えて、新しい気持ちで取り組むべきだ。
売りで一度当てると、相場の水準や流れを忘れ、「次も売りで」「さらに
次も売り」と図に乗り、最後に失敗する。
この逆である買いも同じである。買いでも売りでも状況に応じて行うべきで
一度利を得たからといって、これにこだわることはよくない。
☆第七十八章
「相場高下の論すまじき」
どんなに心安い人であっても、売り買いをすすんで勧めてはいけない。
もし見込み違いから損をさせると、のちのちまで恨みを買うことになる。
本来、相場は先行き高いとか、安いとかを議論すべき性質のものではない。
相場をよく心得ている人は自分の了見(方針)も立てずに、専ら人の
意見ばかりで、売ったり買ったりすることはない筈である。
少しでも相場を当てると「それ見たことか!」とばかり驕り高ぶり、自分の
意見をペチャクチャしゃべりたがるものであるが、これは最も慎まなければ
ならないことだ。
勿論、しっかりとした見通しを立てて、人に説明すると、その人もその気に
なり、多少は利を乗せることが出来るが、最後の手仕舞いが上手く行かず
結局はたいして儲からない。自分が「こうだ」という確たる見通しを固め
たら、はたからのどうのこうのと言う意見は無視して、自分の考えで売買
すべきである。
☆第七十九章
「前年の心を離れる」
以前に売りで儲けた人はとかく売りに走りがちで、何かにつけては売り
たがる。これはもってのほかで、相場の上ではよろしくないことである。
新米が出始めた時には、前の年の気持ちはすっぱりと捨てて、その年の
作柄や在庫の量、人気など考えて、新しい気持ちで取り組むべきだ。
売りで一度当てると、相場の水準や流れを忘れ、「次も売りで」「さらに
次も売り」と図に乗り、最後に失敗する。
この逆である買いも同じである。買いでも売りでも状況に応じて行うべきで
一度利を得たからといって、これにこだわることはよくない。